24年間過ごした地元を離れた私と母からの付箋
東京に出てきて半年がたった。相変わらず仕事以外での交友関係はなかなか広がることもなく、電話をかければ家族や友人とは話せるけれど、なんとなく日々に追われて電話のタイミングが合わない。
一人になる時間が増えて自然に自分のことを考える時間が増えた。何がすきで、何が苦手で…、余分なものがそぎ落とされて、自分にとって好ましいものが残っていくのは、私が形どられていくような感覚で心地よい。
それで、何か少し「足りない」感じがした。それで思った。
2人きりの迎えの車でちっちゃな悩み相談をする母も、夜遅くに帰ってきて私の頭をなでてから寝室に向かう父も、わざわざ私の部屋に来てベッドに座って自分の話をぽつりぽつり話す妹もここにはいないんだな、と。
そりゃそうなんだ。私が選んでここにいるから。
路線が違うから乗り換えの駅のコーヒーショップで待ち合わせをするあの子も、バイトも遊びもいっぱい時間を過ごして会いたければすぐに会いに行っていたあの子も、ああでもないこうでもないって色んな話をしたあの子も、すぐ会えるところじゃないんだなあ。
新しい場所に行くたびに、美味しいものをみつけるたびに、誰が好きそうかな、何を話をしたら楽しいだろう、こんな話聞いてほしいな、なんて思ってしまって、私の中にどれくらいみんながいるのか改めて自覚して。
そりゃ最初はすっごい寂しくて、今でも泣きたくなるんだけど(笑)
でも、たまに送られてくる荷物の中に紛れてる、なんてことない母からの「気を付けて」「早めに食べな」って付箋をみて、なんか、これでいい気がしてるんだよな。
なんだかな。