【短編脚本】フォーチュカロン『あじさい』
シナリオのお勉強をはじめた昊坂さん、課題の傍ら、ちょっと習作を書いてみちゃいました! 本当に、お勉強開始初期、表現の仕方に慣れよう! という思いだけで書いたお話なので、いろいろ未熟な点はあるかと思いますが……(ちなみに、インターネットで読みやすくするため、実際の書式とは異なっています💦)! よろしかったらぜひ!
季節は梅雨。
昊坂のオリジナル作品『フォーチュカロン』のメインキャラクター、「最上リヒト」と「久川かろん」が出会い、しばらくしてからのお話です。
○通学路(朝)
自然豊かな緑道。
静かに雨が降っている。
リヒト、赤いあじさいの前で立ちどまる。
リヒト「あ……」
リヒト、あじさいに傘を傾ける。
かろん「リヒトさん! ど、どうしちゃったの!?」
リヒト「いや、……冷たいだろうなって思って」
あじさいを見遣りながら、つぶやくように続けるリヒト。
リヒト「雨に濡れてるのに、傘を差しだしてもらえないのは……『かなしい』」
かろん、そんなリヒトを見つめて、なにかを思案し、
かろん「でもさ、お水がないと、お花は死んじゃうよ?」
リヒト「あ……。は、はは、そうだよね。オレって本当に、ばかすぎて」
かろん「『ばか』じゃない! でも、なにかが『すぎてる』としたら。……『優しすぎる』かな、とは思う」
リヒト、目を見開く。
かろん「『優しい』ってきっとなによりも大切だし、とても素敵。……でもね」
かろん「リヒトさんが、濡れちゃってる」
かろん、背伸びしてリヒトを自分の傘に囲う。
そして、にこっとリヒトに笑いかける。
かろん「私は、だいすきなリヒトさんが風邪引いちゃったら、やだな」
リヒト「……やっぱり、『ばか』だな。……オレ」
雨の中を歩いてゆくふたり。
かろん「じゃあ、かろん先生が、自分の甘やかしかた、これからたっぷり教えてあげちゃおう!」
リヒト「えー……。調子に乗っちゃいたくないから、お手柔らかにね……」
かろん「いいんです〜、リヒトさんは、とろけるくらいに甘えてちょうどいいの!」
〈終〉
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