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祝!俳優復帰。世界一の名優ダニエル・デイ=ルイスについて語りたい

ダニエル・デイ=ルイスが、7年間の引退を撤回し、息子の監督デビュー作で俳優復帰することになりました。

唯一無二の実力派である彼は、私がオスカーに夢中になるきっかけを作った人であり、16歳の頃から憧れ続けている存在です。彼が『マイ・レフト・フット』で主演男優賞を受賞した年以来、授賞式の虜になりオスカーウォッチャーになりました。彼に会いたい一心で映画業界に入り、会えた時には、人生のピークに達してしまったと感じたほどです。出演作のほとんどが主演で、厳選された作品にしか出ない彼の「新作」は、90年代においても多くはありませんでしたが、更に一度目の引退以降は、彼の出演作は数えるほどしかありません。ちなみに一度目の引退は、『ボクサー』出演後に突然「靴職人になる」と言って、表舞台から消えた1997年のことでした。

『ギャング・オブ・ニューヨーク』で俳優復帰後は、彼の主演作が発表になる度にオスカーの可能性が囁かれ、実際に『ギャング~』では筆頭クレジットのレオナルド・ディカプリオを差し置いて主演男優賞にノミネートされ、その後も「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」「リンカーン」「ファントム・スレッド」と、3作品でノミネート、うち2作品では受賞をしています。

オスカーに於いて俳優賞を複数受賞している俳優は何人かいますが、主演男優賞を3回受賞しているのは彼ただ一人です。既に記録保持者である彼ですが、俳優復帰をしたことで、私は彼が4度目の主演男優賞を受賞してくれると期待しています。昨年の12月、マーティン・スコセッシ監督がナショナル・ボード・オブ・レビューの功労賞を受けた際、ステージでその賞を渡したのは引退中のダニエル・デイ=ルイスでした。この二人、一緒に作品を作ったのは『エイジ・オブ・イノセンス』『ギャング・オブ・ニューヨーク』の2作だけなのですが、相思相愛のコンビで、スコセッシはデイ=ルイスと再び組むことを熱望しています。授賞式の際に、「あと一本だけでも!」とラブコールを送っていましたが、もしかすると二人の間では既に、企画が温まっているのかも知れません。そしてこれが実現すれば、ダニエル・デイ=ルイス4つ目のオスカー受賞が、現実的なものに見えてくるはずです。

妻のレベッカ・ミラーが監督デビューをした際も、主演をして彼女をサポートしたDDL。今回はそんな二人の息子ローナンがデビューするわけで、彼の監督としての力量にも期待です。


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