Kiite Worldの特徴と期待
はじめまして。めると申します。
この記事はボカロリスナー presents Advent Calendar 2024の3日目の記事です。ボカロ関連でブログ記事を書くのは初めてなのですが、このようなイベントに参加できて光栄です。
昨日はうーぱーるーぱーさんによる『「合成音声による癒やし系作品」に関する雑記 「ASMROID」というジャンル化』という記事でした。
明日はうりさんによる『可愛さと表現としてのボカロワルツ』という記事らしいです(翌日の記事のリンクを貼れるのはおかしいですね。。。)
この記事ではKiite Worldの特徴を雑多に述べ、今後のKiite Worldコミュニティへの期待を述べたいと思います。とはいえ、ボカロリスナー presents Advent Calendar 2024の参加者の方にはKiite Worldにあまり馴染みがない方も多いでしょうから、そのような方も想定読者としています。と宣言して書き始めたんですが、実際に配慮できたかはあんまりわからないです…… スミマセン
自己紹介・この記事の内容
ボカロ年10選 Advent Calendar 2024の主催をしています。ボカロ年10選 Advent Calendarとは、みんなの年10選をKiite Worldで同時視聴する企画です。ややこしいですが、ボカロリスナー presents Advent Calendar 2024主催のobscure.さんに言及していただき、せっかくなので書く方もやるか~~~と思って参加表明しました(←本来アドカレは書くものなので、「書く方のアドカレ」はレトロニム……)。ボカロ年10選 Advent Calendar 2024の参加者が当イベントのことを単に「アドカレ」と呼びがちなので、アドカレという言葉の意味を奪ってしまっている感じがして恐縮なのですが、この記事をもって贖罪とさせてください。
時期によってまちまちですが、今年は平均すると週3回くらいはKiite Worldツアーへ参加していたと思います。月1回ほどツアー主催もしました。
Kiite Worldとは?
Kiite Worldとは『Kiiteユーザーが自分の「好き」を集めたプレイリストを「マイKiite World」として公開して、お互いに訪問できるサービス』です(Kiite Worldのトップページより引用)。Kiiteで作成したプレイリストを「マイKiite World」として公開し、その中で曲を聴くことができます。同じKiite Worldに訪問しているユーザーがどの曲を聴いているかをリアルタイムで知ることができます。
中でも特筆すべきはツアーという機能です。マイKiite Worldの曲をプレイリストの曲順に連続再生しながら、「一緒に聴く」機能によって同じ曲を同時に聴くことができます。この機能を使って、特定のテーマに沿った楽曲を集めたプレイリストを皆で同時に再生する、疑似ライブイベントが毎夜のように行われています。
Kiite Worldツアーの特徴
Kiite Worldは同じプレイリストをみんなで同時視聴できるサイトなのですが、単に音楽の同時視聴ということなら他にもたくさんの形があります。たとえばKiite Cafe, 生放送やsynctubeなどを使った投げ会, リアル方向ならボカクラやライブなどなど......。それらと比較ながら、今のKiite Worldの特徴とその要因と思う点をいくつか挙げてみます。
勢いでイベントが開催できる
まずは「思いつくままにその日にイベントを開催できる」という点が挙げられると思います。リアルイベントなら会場の都合があるでしょうし、ネットでもいきなり聴きあいイベントを立てて人が集まるオープンなコミュニティはなかなかないと思います。
この点では、2024年1月28日に開催されたくちばさん主催の「嘘のWorldツアー」を紹介します。
今年の1月に「嘘のツアー」というものがTwitter上で話題になったのですが、それを受けて突発で開催されたツアーです。ネット上の一過性の話題に合わせて気軽にツアーが開催できるのは良いところだなあと思っています。
余談ですが筆者は嘘のツアーにも参加しました。
日付に合わせたが盛ん
キャラクターの生誕祭に始まり、天使の日ツアー、ハロウィンツアー、除夜の鐘ツアー、リスナーの誕生日会など、日付に合わせたイベントが盛んに行われています。そういえば、今年のロックの日にニコニコ動画が壊れたので、予定していたツアーが出来なかったということもありました……
これもやはり、会場の都合などの制約がない自由度の高さから来ている特徴だと思うので、Kiite Worldの長所としてこのようなイベントが増えると面白いな~と思っています。
MVの重要度が高い
再生時にMVに目が行きやすいのも特徴の一つだと思います。Kiite Cafeはいわゆる作業用という用途もあるのに対して、Kiite Worldはほぼイベント用途でしか使わないのでMVを見ている人の割合が高いと思います。UI的な違いを挙げれば、Worldでは1曲ごとにWorld内を移動するので、1曲に1回は画面を見る必要がある点も大きいでしょう。
また、ボカロMV視聴会ツアー(2023年9月15日, 22日開催)がかなり早い時期に行われたように、MVに注目しがちなリスナーが集まっているというユーザーの特徴を反映しているかもしれません。
この点では、2024年9月20日に開催されたエーヴァルトさんとめみこさん共催の「VOCALOID自然公園」を紹介します。とくに中盤(燕からSea Isあたり) で陸から空、海へと視線を誘導していく流れが綺麗で印象に残っています。その中核を担うのは『終に藍』から『波に飲まれる前に』へと続く空撮MV繋ぎであり、MVに注目しやすいという特徴をうまく活用していると言えるでしょう。
この点だと、Kiiteの連続再生では逆にMVが見づらいのが難点だな~とも思います。最近Kiite Reportから任意のプレイリストをKiite Worldで連続再生する機能が追加されたみたいなので、KiiteとKiite Worldで棲み分けができているといえばそうなのですが……
マイリストコメントを見ながら聴くことができる
MVと同様に、マイリストコメントにも注目しやすい環境があります。
特に現在開催中のボカロ年10選Advent Calendarでは、当然同じ曲が複数人によって選出されることもあるのですが、選者によって異なるコメントを見ながら聴くと曲への印象が変わったりするのも楽しいです。
これはせっかくの特長なんですが、Kiite World内のコメントは見にくいんですよね~
というわけで拡大表示するツールを作成したので、ぜひ使ってください。欲を言えば公式でこうなってほしいです。
Twitter依存度が高い
これはデメリットなのかなーとも思いますが、コミュニティのTwitter依存度が高いです。Kiite Cafeと比べると、Kiite World自体にはコメントをするUIがないため、参加者が曲の感想を言う場は外部に頼る必要があります。まあ自分はTwitterが大好きなので、Twitterでわいわい盛り上がるのが楽しいのですが、Cafeよりは一段参入障壁が高いのかなあという気がします。
また、おそらく外部ツールをLINEのオープンチャットに頼っているコミュニティもあるはずですが、筆者がそこに所属していないため詳しくは書けません。
イベントの再現が容易
複数のリアルイベントが重なったり、1つのイベントでもどの会場に行くかで頭を抱えたりした経験がある方は多いでしょう。おかげさまでKiite Worldも2つのイベントが同時開催されることもあるほど盛況なのですが、そのような状況でもイベントの後追いが容易であることはメリットであると思います。Twitterでの盛り上がり等は再現出来ませんが、曲の再生やコメントの表示は完全に再現ができます。言い方は悪いですが、単に同じプレイリストを同時再生しているだけなので、逃してもあまり惜しくない、良く言えば気軽です。
また、リアルイベントと比較した際の特徴としては、隣のツアーで何が流れているかがわかるという点が挙げられると思います。この点を踏まえて、めのさんと筆者の共催で、文脈的に繋がりのある2つのツアーを同時に開催するという試みをしました。2024年9月28日開催の「光のツアー」「闇のツアー」です。
2つのツアーの長さを揃えたり、同時に同じPの曲が流れるように調整したりしつつ、それぞれ独自の流れで繋ぐツアーでした。実際にやってみたところ、ツアー間の移動が容易であるため、全体通して片方のツアーに参加していたリスナーがほぼ居なかったというのが誤算でした。このように二次元に文脈を繋ぐプレイリストを作る機会はなかなかないと思うので、他の方にもぜひ開催してほしいところです。
Kiite Worldへの期待
2年目を迎えるKiite World
Kiite Worldが公開されたのは2023年7月19日なので、今は2年目の途中です。そのため、日付に合わせて開催されるイベントも2年目を迎えます。同じテーマで2回以上イベントを開催するとなると、当然ネタ被りを意識する必要が出てきますから、それを各イベントがどう回避していくのか(あるいは飽きられていくのか、コミュニティに所属する人が変わっていくのか……)が気になっています。
すでに2回目を迎えたハロウィンツアーは、1年目は1人による主催でしたが、2年目は12人による共催という異なる形での開催となりました。それ以外のイベントでも、皆さんのアイデアに期待したいところです。
コミュニティの多様化
Kiite Worldはツールでしかないため、それを使うコミュニティがいくつもあっても良いと思います。1年目のKiite Worldは、ある意味ツールがコミュニティを醸成するような形で、Kiite Worldに集ったメンバーが1つのコミュニティを形成していたと思います。象徴的なのはKiite Worldツアー予定カレンダーで、これを用いてツアー企画の時間帯が被らないような調整が図られています。しかし、Kiite Worldを使うコミュニティが複数あるのであれば、2つのイベントの時間帯が被ることは避ける必要のあることではありません。
前述のオープンチャットのコミュニティがあったり、おそらく他にも筆者の狭い視野からは見えていないコミュニティがあったりして、すでに多様化はある程度進んでいると思うのですが、これがさらに進んで幅広いコミュニティの方々が使うツールになれば面白いなと思います。
ついでにこの場を借りて、開催されているイベントに参加できない/していないことは何ら気がひけることではないよということは宣言しておきたいです。毎日開かれるイベントに全参加していれば私生活やイベント外での曲漁りに影響が出るのは確実ですし、コミュニティの多様化が進んでいけば比較的に興味の薄いイベントが出てくるのは当然のことです。「最近あまりツアーに行けてなくて……」のようなツイートを見かけることがありますが、毎日気軽に開催/参加できるのが特長のツールなのですから、引け目を感じるよりはたまに気が向いたときに顔を出してみるくらいの付き合い方が健全だと思います。
2年目を迎えるボカロ年10選 Advent Calendar
これまでの話を踏まえて、2年目を迎えたボカロ年10選Advent Calendarには、Kiite World上に複数あるコミュニティ間の交流を促すという役割を期待しています。年10選の文化はボカロ界隈共通してあるものですし、幸い現在Kiite World上で企画されているイベントでも最も幅広い層の方々が参加してくれるイベントになっているので、そのような役割を期待できると思っています。また、どこまでも年10選の文化にただ乗りする形にはなりますが、それだけにこの文化へのリスペクトは忘れないようにしたいです(と言いながら初日に年10選タグを汚染してしまって大変申し訳ないのですが、幸い12月1日時点で年10選を提出している異常者は居なかったので耐えました)
と、小難しいことを言いましたが、ボカロ年10選 Advent Calendarの素朴で一番大事なきっかけは「毎年たくさんの人が年10選を提出しているのに、そんなに聴かれていない気がするし、聴いたとしても感想を言い合える機会がないのって勿体ない!!」という点です。筆者は他の人がTwitterに貼っている年10選のプレイリストをそれなりに聴いていたのですが、聴いたはいいけど感想まで呟くのってなかなかハードルが高くて……という頃があったことを思えば、今の環境は最高に楽しいです。みなさんも興味があればぜひご参加お願いします!
最後の最後に自イベントの宣伝で失礼しました!!
ボカロリスナー presents Advent Calender 2024もボカロ年10選 Advent Calendar 2024も盛り上がっていきましょう!!!ありがとうございました!!!!