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【英国で知ったENGLISH その2】toilet, イギリスではbathroomやrestroomは使われない?

英国語学留学で知った英語、印象に残ったフレーズ第二弾

toilet


意味はそのまんまトイレである。用を足すあの場所。
便所、厠、ご不浄、雪隠のことである。

ちょっとでも英語をかじった方であれば、英語でtoiletという表現は直接的で下品、もしくは便器そのものを示すにあたるため、bathroomrestroom、を使うべきだと習い、そう認識している方も多いのではないだろうか。

僕も渡英する前はそうだと思っていた。
高校生の頃、2週間だけ交換留学でアメリカを訪れたことがあり、アメリカ人からそのように習ったことがあるぐらいである。

アメリカ人と比べて婉曲的で丁寧な表現を好む英国紳士淑女であれば尚更そうだろう。

何の疑問もなく、そう思っていった。

しかし僕が出会った英国人は皆一様にトイレのことをtoiletと呼称する。

Would you mind if I used the restroom?

と丁寧に質問すると

Absolutely, Not! THE TOILET is over there.

と回答されて、困惑したものだ。

英国人にとって、トイレは普通にtoiletなのである。それ以上でもそれ以下でもない。
ちなみに発音は日本語のカタカナ英語のトイレで普通に通じる。レは日本人にとって鬼門のlの発音だが、特に気をつけず日本語のラ行のレでも全然問題なかった。

トイレ”ット”、と語尾のトをはっきり発音しない。子音のtで終わるが別に無理にtを発音する必要もない。

彼らも普通に日本人なら誰でも区別がつく、聞き取れる感じでトイレと普通に発音していた。

もちろん、英国人にrestroomやbathroomと言っても普通に彼らは理解できるが、前述の通りこちらが問いかけても普通にtoiletと返答される。

なお、restroomという単語は、日本人にとって鬼門のrの発音が入っているため、発音が悪いと判断され通じない場合がある、
("guestroom?"と聞き返されたことがある。絶対わかっていたとは思うが

bathroomも、これまた日本人にとって鬼門であるthの発音が含まれるため、単純に発音面で英国人には理解されない可能性がある
("Bus room"と聞こえたようで、bus stationはここから遠いよ、と返答されたことがある。絶対わかっていたとは思うが)

何かと回りくどい言い方を好むイギリス人がトイレのことをtoiletと普通に呼ぶことに違和感がなく、ストレートな物言いを好むアメリカ人がtoiletと直接呼ぶことを憚られるのはちょっとおもしろい。

イギリスで仲良くなった数少ない地元の友人に質問した所

toiletはtoilet以外の何物でもないんだから、わざわざ他の呼称で言う必要がないよ。アメリカ人はわざわざrestroomなんぞ使うくらいなら、大袈裟な表現をやめたり、日常的にswear words(下品な言葉、fuckやshitなど)を連呼するのを改めるべきだよ。

とのこと。かなりバイアスがかかっている気はするが、面白い感覚である。

なお、勿論イギリスにもトイレに関する別の呼称はあるようで、有名なのは"the loo"(ルー)というものらしい。イギリス英語の教育を標榜しているシェーン英会話でも紹介されている。女性的で婉曲な表現らしい。

ただ残念ながら僕の半年の滞在では殆ど聞かれなかった。
語学学校ではネイティブ英国人と一緒になる機会があまりなかった、というのもあるのかもしれない。

学校の先生に質問した所、「the looは口語的表現(colloquialism)だから、外国人の君は普通にtoiletと使うべき。toiletはinformalな単語ではない、English Englishである」という返答があった。

そしてこの単語も日本人にとって鬼門であるlの発音が含まれており、且つ短すぎる言葉なので、生半可な英語の発音能力では殆ど伝わないのではないか、と僕は思う。
少なくとも英語が不慣れな外国人が調子にのって話すには敷居が高い単語ではない、と彼らは認識している。俗語なのに敷居が高いとは奇妙な話だが。

結局僕は渡英中に一度も使わなかった、いや使う自信がなかった。


なお”lavatory”という単語もトイレを意味する英単語として日本人の間でも知られていると思う。

飛行機のトイレには大抵lavatoryと書いてあり、勿論この単語も列記としたEnglishなので普通に彼らにも通じるが、あまり日常的に使うような単語ではない、とのこと。飛行機や列車で使われたり、新聞や公的な書類の書き言葉で使われるが、日常的には使われることはないらしい。

そして何よりこのlavatoryという単語には日本人にとって鬼門のlとvという発音が2つも入っているという悪魔のような単語なので使う必然性は殆どないと言ってよいだろう。

先生にも友人にも僕のlavatoryという発音が全く通じず、結局スペルを見せてやっと伝わったレベルであった。それだけ馴染みのない単語なのだろう。
いや、僕の発音能力が酷いというだけかもしれないが。

なお、一部日本語で書かれた英語学習系サイトで、lavatoryは王室が使うような超フォーマルな単語、と書かれていたため、フォーマルで丁寧な単語なのか、と学校の先生とネイティブの友人に聞いたが「別に特別フォーマルでポライトという印象はない」とのこと。

念の為webの英英辞書で調べたが定義は以下の通りであった。

a toilet

https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/learner-english/lavatory

身も蓋もない説明だな!

ちなみに王室の人たちはそもそもトイレを意味する単語ではなくwash my handsなど婉曲表現(euphemisms)を使うのではないか、というのが現地の友人の談。

だが別にトイレはtoiletなんだから、クイーンだろうとチャールズだろうと普通にtoiletと使っていると思うよ、知らんけど。 という何ともな追伸もあった。

イギリス人にとってはトイレの呼称というのは別に取り立てて話題に上げる必要もない、どうでも良い事柄なのかもしれない。

これは人によって当然差異はあるのだろうが、僕が出会った語学学校の教師たち、ホストファミリー、数少ない現地の友人は皆toiletと普通に使っていたことだけは事実。

イギリスではトイレをtoiletと呼んでも何ら問題はないし、そう使うべき。

何よりもトイレという発音は、どんな場所でも誰であってもイギリスでは100%通じるし相手に不快感を与えない、最強の単語なのである。

堂々と使おう! May I use the toilet? と
bathroomやrestroomではなくね。


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