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【DXリアルと予測】#04:面倒なマイナ保険証・・・マイナ診察券のはなし

こんにちは!目利き医ノ助の松岡です。

目利き医ノ助の運営を通して全国のドクター方から様々なDX化、業務効率化の相談をいただいている立場から、クリニックにおけるDXのリアルな現状と、私なりの今後の予測をざっくりラフに書いていき、クリニックに関わる方々に少しでもお役に立てればと思いシリーズモノでお伝えしていこうと思います。
#04として、《マイナ診察券》ついて書いてみようと思います

はじめに

クリニックを運営されているみなさんはすでに、『オンライン資格確認』『電子処方箋』と対応を進められていると思います。
普及状況を厚生労働省の集計から見ると

■オンライン資格確認■
 ・病院:99.8%  ・医科診療所:92.0%  ・歯科診療所:88.5%
■電子処方箋■
 ・病院:3.8%    ・医科診療所:9.6%    ・歯科診療所:1.6%

となっており、ベースとなるオンライン資格確認がようやく導入が済んできたといったところですね。

抜粋:(厚生労働省)オンライン資格確認の都道府県別導入状況について
2024年12月22日時点
抜粋:(デジタル庁)電子処方箋の導入状況に関するダッシュボード

そこからさらに細かく見ていくと、
・医療扶助対応:生活保護患者のオンライン資格確認
・PMH対応:自治体公費情報のオンライン資格確認
と追加対応にも追われ、おそらくマイナスな意見も多いのではないでしょうか。
『入れたはいいがトラブル多い』『手続き面倒くさい』『患者がマイナカード持ってこない』などよく耳にする意見ですよね。。。

患者も戸惑う面倒くささ。。。

上に書いた導入に関する面倒くささに加え、現場では患者も受付スタッフも困る大きな問題と言えるのが、受付時の『保険証確認と診察券提示の二度手間』ではないでしょうか?
せっかくマイナ保険証を使って患者自身で保険情報確認ができるようにしているのに、結局窓口に診察券を提示しないといけない。。。

さらに混乱を招くのが、予約や順番管理システムでの『チェックイン』を行っているクリニック。
●来院した際に『診察券』をチェックイン用カードリーダーに「ピッ」
●マイナカードリーダーにマイナ保険証を「ピッ」
これが慣れていない患者や高齢の患者だと、カードリーダーが2つあり、どっちにどっちのカードを通せばよいのかわからず対応が必要になる。。。

また、上述の生保や自治体公費のオンライン資格確認に未対応であれば、「受給券はこっちに出してください」となる。

マイナ保険証データがを核とするデジタル化(全国医療情報ネットワーク)は絶対に必要なことだとは思いますが、ちょっと混乱しますよね。。。

マイナ診察券で改善する!?

こういった混乱も、医療扶助対応、PMH対応と進んでいけば少しずつ改善していくとは思います。そこで注目したいのが『マイナ診察券』です。
予約や順番管理の受付システム(チェックイン)の有無にかかわらず、マイナ保険証が診察券を兼ねられれば患者もスタッフも手間が減るのでは?と思います。

抜粋:(デジタル庁)診察券・医療費助成の受給者証とマイナンバーカードの一体化に係る医療機関・薬局システム事業者向け説明会
抜粋:(デジタル庁)診察券・医療費助成の受給者証とマイナンバーカードの一体化に係る医療機関・薬局システム事業者向け説明会

ただ、上図をよく見てみるとカードが1枚になっただけで『再来受付機』と『保険証確認ようカードリーダー』を通す2度手間は解消されていません。

これからに期待すること

現在一部では『再来受付機』と『保険証確認用カードリーダー』を一体化したシステム構築を進めており、1台のカードリーダーを通すことで、
・来院確認(チェックイン)
・予約確認
・保険証確認
の手続きが完了し、電子カルテ(レセコン)と予約システムを始め会計システムなど接続する様々な機器とリアルタイムにデータ共有、患者ステータスの共有が早くできるようになってほしいですね。

さいごに

上に書いた用に様々なシステム間、施設間でデータ共有が行えるようにして、現場効率、負担を削減しようという流れが『医療DX令和ビジョン2030』を骨子とした、『全国医療情報ネットワーク』であり、2025年には標準型電子カルテがリリース予定、2030年には電子カルテ普及率100%を目指すとなっています。
私もこれは必要なインフラだとは思いますが、システム的にも、進め方もちょっと残念な部分が多いとかなと思います。
現場に即した施策をお願いしたいと説に願います。

【執筆者プロフィール】

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