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武器軟膏と進化への道筋
最近歴史系の動画をよく見ているのですがその中で最近特に面白いものがありました。
皆さんは
武器軟膏(ぶきなんこう)
という言葉をご存知でしょうか?
これは16世紀くらいにあった医療法であり
剣で人を切った後にはその剣に軟膏を塗ることで切られた傷が治る
とする治療法です。
は?と思うかもしれませんが書き間違いではありません。
傷口ではなく剣に薬を塗るのです。武器の方に軟膏を塗るので武器軟膏と名付けられたわけですね。
わけが分かりませんが実はこの武器軟膏一定の効果があったとされています。
というのも当時は医療技術が発達しておらず軟膏というものが不清潔なものであったらしいのです。
そのため
「武器に軟膏を塗るチーム」と「傷口に軟膏を塗るチーム」で傷の経過を比較したところ余計な雑菌を体に入れない武器軟膏チームの方が自然治癒により傷の治りが早かったため研究の結果、武器軟膏治療は効果があるとされていたわけです。
面白いですね。
そもそもどういう原理で治っていると考えられていたのかというと
「同種のものは共感作用によりお互いに影響を与え合う」
という考え方に基づいていたらしいです。
人を切った剣はその人の血が付いています。その血液は元々切られた人のものであり同じ人間の一部であると。そのためその血の付いた武器に軟膏を塗れば血と傷が共感し合って傷が治っていくぞということらしいです。
※共感の内容に関して細かい理論もあるですが長くなるので興味がある人はウィキペディアに「武器軟膏」のページがあるのでそちらを読んでみてください。
ここまででかなり面白いのですが武器軟膏の「共感作用により互いに影響を与え合う」という概念がさらに熱い展開を引き起こしていくので話を続けます。
その後時代が進むと当然「そんなことないやろ」という勢力が出てきます。そして当然そんなことないのでこの武器軟膏治療というのは廃れていきます。
代わりに
物体が他の物体に力を及ぼすのは互いが接触しているときに限られるのであって離れた物体の間に力ははたらかない
という
機械論
というものをベースにした考えが広まり始めます。
しかしその中で離れた物の間ではたらく力である共感の考えを捨てなかった人物がいます。それはかの有名な
アイザック・ニュートンです
ニュートンは離れた物の間ではたらく力である「万有引力」を発見します。
これメチャクチャ熱くないですか?
一時は時代を席巻した誤った技法。その概念が間違いだと分かって廃れていくがその中にあったいくばくかの真理を信じて探求しつづけた人物が新たな真実にたどり着く。
熱すぎるでしょ。
ちなみにニュートンの万有引力も武器軟膏と同じように「離れた物の間ではたらく力は存在しない」という理由で最初は相当叩かれたそうです。
でね。麻雀も同じような考え方が出来ると思うんですよ。
昭和の時代の麻雀ではいわゆる「流れ論」というものが麻雀界を席巻していました。
その中で麻雀を数学的アプローチで解決しようとするのは異端とされていたんですよね。
麻雀は算数じゃねぇ!!と言う感じで。
それでも麻雀は数字のゲームなので数学的アプローチを突き詰めていくべきという人たちはいてそういう人たちのおかげで現代の麻雀技術論という物があるわけです。
これは武器軟膏と言うオカルトを機械論というデジタルが徐々に押しかえしていく流れに似ているなと思います。
ただ武器軟膏も麻雀流れ論もどちらも「当時の人たちザッコwwww」というわけではなくこれらはどちらも時代ですよね。
それらがあって今があるわけで決して無駄ではない。
人間が四足歩行から自由に使える部分を増やすために二足歩行に進化していった過程を見て「四足歩行無駄すぎて草」と言う人はいないでしょう。
それと同じように武器軟膏も流れ論もどちらも医療・麻雀の進化に置いて必要であったとものだと思います。
そして現代麻雀は数学的アプローチで向き合うべきという考えが強大な勢力を保っています。おそらく正解であるため勢力を保っていてもいいんですがそれでも数学的アプローチでない部分を見ないでいいというわけではないんですよ。
仮に大枠が間違っていたとしてもその中に一つの真実が合ってそこから新しい理論が見つかるかもしれないのです。
機械論が主流になった中でそれに準じてないない万有引力を発見したニュートンのようにね。
だから数学的麻雀の現代でもオカルト的な打ち方を否定したりする必要はないかなと。
最近は数学的アプローチが進歩してそれにそぐわない打ち方は否定されやすい傾向にありますがそういうところから新しい進化が生まれたりすることも十分あると歴史が証明してくれてるわけですし自分と違う打牌でも好意的な目で見る方がより麻雀を進化させることが出来るんじゃないかなと思います。
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