若い選手に伝えたいお金のこと
社会人になって後悔していることがある。
というか、いまの社会人に伝えたいことがある。
それは【投資を始めろ】ということだ。
社会人はじめのころ
社会人になったばかりのころ(2008年)は
リーマンショックが起きて、世界中が大変なことになっていた。
トヨタ車体に入社したが、トヨタ車体がどんな車を作っているのかすら知らず、
ましてや経済のことなんて一つも理解していなかった。
入社時の面接では「僕が現役をやる10年間だけお世話になります。この会社に残るつもりはありません」とはっきりと言って、「よくそれで通ったね」と言われるほど、ハンドボールをするためだけにトヨタ車体に入った。
株式投資など「ギャンブル性が高く、人生が終わる」というイメージがあった。
周りに株式投資について明るい人もおらず、
そもそも、日々の過酷な、尋常ではない、狂っている、狂気の沙汰のようなトヨタ車体のトレーニングについていくだけで精いっぱいで、会社の仕事を覚えるのが精一杯で、経済のことなんて全く関心の外だった。
いまは競技に打ち込むことができる人生においても貴重な時間だ。
そんな時に、経済のことを考えるよりも、少しでも自分のパフォーマンスを上げることを考えた方がいい。
YouTube配信を見るよりも、自分のパフォーマンスを上げること、選手としての価値を高めることに時間を割いた方がいい。
プロ選手は個人事業主になるので、金融知識は自ずとつけていくかもしれないが、
現役選手の多くが企業勤めで、なかなか税金や投資に関して考えることはないと思う。
僕自身がそうだったからというのもあるが、多くは関心の外にあるから。
ましてや土日も削って練習をしたり遊びに行くのも我慢したり、試合だったり。
使う場面もなかなか限られてくる。お金を使うタイミングもあまりなく、口座に貯まっていくのを楽しみにするだけかもしれない。
銀行に預けてもお金の価値は減る
だからこそ、投資を始めてもらいたい。
一度設定してしまえばあとはほったらかしておいていい。
いまは銀行の金利は0.01%程度。
100万円預けても100円の金利しかつかない。
その100円に約20%の税金がかかるので、
100万円を一年間預けても80円程度しか増えない。
ましてや、この物価高(インフレ)だ。
いま100万円で買えるものが、一年後に100万円では買えない。
ということは、インフレが起きると、お金の価値は減る。
昔、買っていたお菓子は値上げされていて同じ金額では買えないし、
一見変わらないように見えて、内容量やサイズも減らしている(ステルス値上げ)。
例えばの話
いま、筋トレをして貯めた筋肉が100あるとする。
しかし、それを放っておくと、どんどん筋肉がおちていく。
持てたものも持てなくなる。
価値が目減りするのだ。
だから、現時点で使わないお金を銀行口座やタンス預金としてお金を置いておくのは、もったいない。
増えないし、どんどん価値が下がっていくから。
じゃあ、どうするのか?
それはお金に働いてもらう。ことになる。
お金を動かしてお金を増やしてもらうこと。
それが投資ということになる。
トップ選手なら誰もが実感している複利効果
なぜ投資を進めるのかというと【複利】を考えなければならないからだ。
複利というのはトレーニングに似ている。
例えば、いま1の力を持っている人がいたとする。
1の人が同じくらいがんばった。でも1だ。
明日も同じくらい1をがんばった。
1の人が1をがんばった。
1×1になる。
その人がその次の日も1がんばった。
1×1×1になる。
それを一年間365日毎日続けた。
単純計算で1を365回かけても、結果は1だ。
同じことを同じだけやっていても、単純な足し算にはならない。
ここで1%の原則を考えてみる。
今日のトレーニングで1%能力が高まって1.01の力に上がった!!
明日の自分は100ではなくて101からのスタートになる。
101の力の人が1%努力した場合、102になるのではなく、
101×1.01になるので=102.01になる。
翌日もそれを続けると、101×1.01×1.01で103.03になる。
パワーアップした人が、その力を使ってさらにパワーアップしていく。
これが一年間365日続くと、、、なんとおよそ38になる。
自分を高める1%の取り組みが、1年間という長い時間をかければとんでもない数字になるのだ。
これが複利の力だ。
アインシュタインは「複利こそ最高の発明だ」と言っている。
スポーツの世界では小さなことをコツコツと積み重ねることが大事。
ということは誰もが口にして、誰もが実感していることだと思う。
毎日のたゆまぬ積み重ねと時間こそがパフォーマンスアップのカギだ。
早く始めて長く続けること
筋トレと投資は似ている。
【正しい方法で】【早く始めて】【長く続ける】と、ほぼ勝てる。
冒頭で後悔していると言ったのは、早く始めなかったことだ。
複利の力を活かすには時間が必要だ。
だからこそ、少しずつでも早く始めることが大事。
2008年の頃はまったくもって関心がなかった。
いまのようにネットで情報を得ることもなかったし、
YouTubeで株のことを進めている人がいようものなら、間違いなく怪しい人扱いされていただろう。
だけど時代が進んで、ネット証券会社ができて、ネット銀行ができて、来年度からは新NISAがはじまる。そして昨今の日経平均株価の推移。
経済は何が起こるかわからない。直近だと誰も予想できない。
だけど、世界の経済は右肩上がりになっていくことが予想される。
なぜならば、人口が増えるからだ。
人口が増えると、
食べ物が必要。インフラが必要。サービスが必要。娯楽が必要。
それらを支えるイノベーションが必要。
というわけで、人口が増え続けると予想されるこの地球で、全世界の経済が落ち込むことは考えにくいのだ。
短期的に見れば戦争が起こるかもしれないし、バブル崩壊が起こるかもしれない。
ただ、長期的に見れば(15年以上)おそらく経済は右肩上がりに成長していく。
ということを考えれば、今すぐに初めて、コツコツ継続させて、あとは放置。
現役の時にしかできない熱量を伴った取り組みをしていけばいい。
投資に関してというより、お金のことに関して興味を持ったと言うか勉強しだしたのは2018年だ。海外での選手生活を終えて、日本に帰ってきたときに、確定申告等の準備をするためにYouTubeで学んだ。
その時に痛烈に思ったのが、「なんでもっと早く気づかなかったんだ」ということ。
2008年の時に投資を始めていたら、、、
当時、社員寮でお金も使わず、酒もたばこも吸わず、10年銀行に寝かせていただけのお金がもったいない。非常にもったいない。
あの頃にこの知識があったら、、、どれだけになっていただろうか(笑)
数年前に老後2000万円問題が出てきたが、
20代のうちに資産形成と資産運用の知識を持っていて、取り組み始めていたら、老後2000万円問題なんてないに等しい。
逆に言えば、20代のうちに投資を始めていたら、それだけで勝ち組になれる。
まずは知ること。
もちろん、リスクもある。
ただ、怪我をするのが怖いから練習しません。
という選手が伸びるはずもない。
正しい方法を学んで、正しい取り組みをすれば怪我は防げる。
もちろん、突発的な怪我もあるのだが、それはプレイする人間にとっては避けては通れない。
リスクを承知でプレイする人間だけが自分を伸ばすことができる。
いま現役選手として活動している人。
大学生。社会人の人。特に20代30代の人。
ぜひとも少しだけ興味関心を向けてほしい。
これからは自分がしてきた資産形成の方法を少しでもお伝えできるようにシリーズ化して行きたいと思う。