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Obsidian Advanced Canvasプラグイン:高度なキャンバス

Advanced CanvasはObsidianの公式機能「キャンバス」を拡張し、より豊富な形状・スタイル・カスタマイズ性を提供するプラグインです。ビジュアル思考やアイデア整理、フローチャートやマインドマップ、さらにはプレゼンテーションまで、多岐にわたる用途で活躍します。

インストール方法

  1. Obsidianを開き、左サイドバーの設定(歯車アイコン)をクリックします。

  2. コミュニティプラグイン」を選択し、「プラグインを閲覧」をクリック。

  3. 検索バーで「Advanced Canvas」と入力。

  4. 表示されたプラグインをインストールし、有効化します。



基本機能の使い方

ノードの追加と編集

  • ノードの追加

    • キャンバス上でダブルクリックするか、右クリックメニューから「New Node」を選ぶことでノードを追加できます。

    • Obsidian内のノートファイル(Markdown)や画像ファイルをドラッグ&ドロップすることでも、そのファイルへのリンクノードや画像ノードを作成可能です。

  • ノードの内容編集

    • テキストノードの場合はダブルクリックすることで直接編集ができます。

    • リンクノードの場合はクリックすると対応するObsidianノートが開きます。

    • ノードの大きさや位置はドラッグで調整できます。

ノードスタイルの変更

Advanced Canvasでは、ノードの形状や色、境界線などをより細かくカスタマイズ可能です。

  • 形状を変更: 右クリックメニューまたはプロパティパネルから下記の形状が選べます。

    • 四角形(プロセス)

    • 菱形(決定)

    • 楕円形(端末)

    • 円柱(データベース)

    • 波形下部(書類)

    • 六角形、八角形、星形 など(追加形状が含まれる場合も)

  • 境界線スタイル:

    • 実線 / 点線 / 破線 / 非表示

    • ノードの角を丸めたり、太さを変更したりできます。

  • 塗りつぶし:

    • カラーピッカーやパレットから背景色を設定

    • 透過度の調整

  • テキスト装飾:

    • フォントサイズ・色・太字・斜体など

    • ノード内のテキストにMarkdown表記を反映することも可能(例:太字、斜体 など)

高度な図式表現

ノードスタイルの変更で説明したように、Advanced CanvasではMermaid記法で使用されるような図式表現を使用することができます。


エッジ(矢印)カスタマイズ

ノード同士をつなぐエッジ(矢印線)も多彩なオプションを備えています。

  • 矢印タイプ

    • 三角形 / ダイヤモンド / 円形 / 二重矢印 / ハーフ矢印 など、先端部分の形状を変更可能。

  • パススタイル

    • 直線: シンプルにノードをつなぐ。

    • 階段状: フローチャートなどに適した角ばったパス。

    • 曲線: スムーズな湾曲を描くパス。

  • 線の種類

    • 実線 / 点線 / 破線 / 太さ調整 / カラー変更

  • ラベル追加

    • エッジ上にテキストラベルを挿入(例:「Yes」「No」などの条件分岐)

    • ラベルのフォント・色・背景をカスタマイズ



高度な機能活用術

プレゼンテーションモード

キャンバスをそのままスライドのように表示できる機能です。

  1. ノードを矢印でシーケンシャルにつなぎ、プレゼン資料を構成。

  2. コマンドパレットで「Start presentation」を選択。

  3. キーボードの矢印キー(← →)やスペースキーでノードを順に移動。

  4. ESCキーでプレゼンテーションモードを終了。

特徴:

  • スライド番号順に自動でフォーカスが移動するため、発表や説明に便利。

  • 拡大・縮小も自由にでき、細かい図表を見せたい場合にも対応。

  • ノードを大きく表示して注目点を強調できる。


ポータル機能

ポータル(Portal)は、別のキャンバスやファイルをノードとして埋め込む高度な機能です。

  1. キャンバスファイルをドラッグ&ドロップしてノードを作成。

  2. ノードの右上にあるドアアイコンをクリックすると、別のキャンバスがサブウィンドウとして表示されます。

  3. 埋め込み表示状態のまま、他のノードとも矢印やリンクでつなぐことが可能。

これにより、複数のキャンバスを横断的に参照でき、巨大なプロジェクトを複数キャンバスで分割しながら、1つのマスターマップで管理するような使い方ができます。


折りたたみグループ

複数のノードをまとめてグループ化し、必要に応じて折りたたんだり展開したりできる機能です。

  1. 複数ノードを選択。

  2. 右クリックメニューから「グループ作成」を選択。

  3. 新しくできたグループのタイトル横にある矢印をクリックすると展開/折りたたみ。

ポイント:

  • グループ化したノードはまとめて移動できるので、レイアウト調整が楽になります。

  • 階層構造を視覚的に表現できるため、大規模なダイアグラムでも管理しやすい。


フォーカスモード

特定のノードやグループに視点を固定し、他を薄暗くすることで、集中して作業したい時に便利です。

  • 使い方

    • ノードを右クリックし、「Focus mode」を選択するかコマンドパレットから呼び出す。

    • 選択したノード(またはグループ)以外が暗くなり、視覚的ノイズを減らせる。

  • 終了方法

    • ESCキーまたは「Exit focus mode」コマンドで解除。


自動ノードのサイズ変更

テキストコンテンツが変更されると、ノードを自動的にサイズ変更します。更新されたポップアップメニューを使用して、この機能をノードごとに切り替えます。設定で機能をオンにすると使えます。


ノードの自動リサイズ
ノードの高さをコンテンツに合わせて自動的に調整します。

デフォルトで自動リサイズを有効化
有効にすると、すべてのノードで自動リサイズ機能がデフォルトで有効になります。

最大高さ
自動リサイズ時のノードの最大高さ(-1 は無制限を意味します)。

グリッドにスナップ
有効にすると、ノードの高さがグリッドにスナップします。


選択範囲をカプセル化する

現在の選択を新しいキャンバスに移動し、現在のキャンバスにリンクを作成します.

使用法

  • カプセル化するノードを選択します

  • コンテキストメニュー(右クリック)を使用して、選択をカプセル化する

  • またはコマンドパレットを使用します (Advanced Canvas: Encapsulate selection)

カプセル化はCanvasのwikiリンクみたいなもので、現在のキャンバスから別のキャンバスに移動する事ができます。


フリップエッジ


繋いでいる有向な線の方向を逆にする。



便利なコマンド一覧


カスタマイズ方法

カラーパレット拡張

プラグインのスタイルに連動する形で、より豊富なカラーバリエーションを利用できます。
もしあなたが独自のカラーパレットを設定したい場合、ObsidianのCSSスニペット機能を使って下記のように追記します。

:root {
    --canvas-color-7: 255, 200, 0; /* オレンジ色の定義例 */
    --canvas-color-custom: 100, 150, 200; /* 好みのRGBで追加 */
}

これにより、Advanced Canvasのノード背景色や境界線を新たな色に切り替え可能です。

カスタムスタイルの設定

より複雑なカスタムスタイルを組み込みたい場合、プラグイン設定内の`data.json`ファイルを編集して独自の属性を追加できます。

"customNodeStyleAttributes": [{
    "datasetKey": "mystyle",
    "label": "オリジナルスタイル",
    "options": [{
        "icon": "star",
        "label": "星マーク",
        "value": "star"
    }]
}]
  1. 追加したカスタム属性は右クリックメニューなどから選択し、すぐに反映されます。

  2. ノードアイコンだけでなく、背景色やフォントスタイルを拡張することも可能です。


ショートカットのカスタマイズ

  1. Obsidianの「設定 → ショートカット」に移動します。

  2. 「Advanced Canvas」セクションにある各コマンドの行をクリック。

  3. お好みのキーを割り当てて保存します。

ショートカットを活用すると、ノード追加やグループ化、プレゼンテーションの開始などが格段にスピードアップします。


ユースケース紹介

アイデア整理・マインドマップ

テキストベースで雑多なアイデアを書き出した後、Advanced Canvasでノードを可視化することで、思考を階層化・関連付けしやすくなります。折りたたみグループやフォーカスモードを使えば、大きなマインドマップでもスムーズに管理が可能です。

プロセスフローチャート

ビジネスプロセスや開発ワークフローなど、段階的な流れを示すフローチャートを簡単に作成できます。直線・階段状・曲線といったエッジスタイルや、菱形ノードでの条件分岐などが役立ちます。

プロジェクト管理・タスク管理

大まかなプロジェクト計画をキャンバスで俯瞰し、個々のタスクをノードとして設定し、期限やステータスをテキストで書き込むといった使い方も。ノードをドラッグして順序を変更したり、完了したタスクを折りたたみグループにまとめるなど、視覚的なタスクトラッキングが可能です。


トラブルシューティング

Q1. 「右クリックメニューが表示されない」

  • プラグインが有効になっているか、Obsidianのコミュニティプラグイン設定を再確認。

  • 使用しているテーマやCSSスニペットによってメニュー表示が干渉されていないかチェック。

Q2. 「カスタムスタイルが反映されない」

  • CSSスニペットや`data.json`ファイルを編集した場合は、一度Obsidianを再起動。

  • スニペットが有効化されていない可能性があるため、設定画面の「外観 → CSSスニペット」も確認。

Q3. 「プレゼンテーションモードで表示がずれる」

  • ノードの位置やサイズが極端に離れていないか、または拡大率が高すぎないか確認。

  • 一度「Zoom to fit」や「Zoom to selection」を試してから再度プレゼンモードを開始する。

Q4. 「ポータル内のキャンバスが編集できない」

  • ポータル先のキャンバスが読み取り専用になっていないかチェック。

  • ポータル先のファイルパスが正しいか(Vault内に存在しているか)を再確認。


ObsidianにAdvanced Canvasを導入することで、ノート間の関連をビジュアルで整理し、大規模なプロジェクトや学習ノート、発想整理などに役立てることができます。シンプルな手書きのスケッチから本格的なプレゼンテーションまで、あなたの作業を強力にサポートしてくれるでしょう。ぜひ様々な機能を試して、自分流にカスタマイズしたキャンバスを楽しんでください。

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