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Obsidianの検索は「Omnisearch」が便利だよねという話
日々たくさんのノートやファイルを管理していると、「必要な情報がどこにあるのか分からない」「探すのに時間がかかってしまう」という悩みは多くの方が経験するところではないでしょうか。そんなときに頼りになるのが、Obsidian用プラグイン「Omnisearch for Obsidian」です。先端的な検索アルゴリズムを採用しており、Obsidian内のあらゆるファイルを高速で検索できるのが最大の特長です。ちょっとしたキーワード入力ですぐにファイルがヒットし、ノート管理をより効率的に行えるようになります。
Omnisearchとは?
Obsidianを使いこなすうえで欠かせないのが検索機能です。標準機能として「Quick Switcher」がありますが、Omnisearchはさらに一歩進んだ検索体験をもたらします。たとえば「PDFや画像内の文字まで検索したい」「類義語やあいまいな表現にも対応してほしい」といった場面で大いに活躍します。
内部ではMiniSearchというライブラリが採用されており、特に「BM25アルゴリズム」と呼ばれる自動スコアリング機能が注目ポイントです。検索キーワードが文書内のどこに、どのように含まれているかを総合的に判断し、関連性の高い結果を優先的に表示してくれます。
主な機能
1. 高速・高精度な検索
PDFや画像の文字情報も検索対象
論文やプレゼン資料、画像に含まれるテキストも抽出して一括検索できます。類義語やあいまいな表現にも対応
BM25アルゴリズムによる優れたスコアリングで、的確なファイルを瞬時にリストアップします。
2. 高度なインデックス機能
事前のファイル整理で検索を高速化
Vault内のファイル情報をあらかじめインデックス化しているので、大量のファイルがあっても結果を素早く返せます。細やかなスコアリング
タイトルや見出しを高スコアに、本文や末尾のキーワードをやや低スコアに振り分けるなど、よりニーズに合った検索結果を上位に表示します。
3. キーボード中心の操作性
ショートカット設定が豊富
検索バーの呼び出しや候補移動など、キーボードだけで操作可能。Vimユーザーにも嬉しい設計です。誤操作が少なくなる
マウス操作を減らすことで、効率的かつミスの少ないノート参照が可能になります。
4. 柔軟な検索オプション
引用符検索や除外キーワード
"キーワード" や -除外 といった高度な指定が行えます。Vault全体・ノート内検索の切り替え
必要に応じて検索範囲を広げたり絞ったりできるので、効率よく情報にたどり着けます。
5. 外部連携オプション
ローカルHTTPサーバー機能
別アプリからOmnisearchにクエリを投げることで、スムーズにノートを呼び出すことができます。ブラウザ拡張やユーザースクリプト
Webブラウザで開いている情報と自分のノートをダイレクトに結びつけることが可能で、作業効率をさらに高められます。
具体的な使い方の例
PDFを含む大量の資料を瞬時に検索
現代では、レポートや論文、マニュアル、契約書、プレゼン資料などをPDF形式で保管することが一般的です。ファイルが増えると「どの資料に重要な情報が書いてあるのか分からない」状態になりがちですが、Omnisearchなら PDFの本文まで検索対象にできる ため、必要な情報をすばやく探し出せます。
参考文献や論文を検索
「この前読んだ論文に書いてあったキーワードはどこ?」といったときも、PDF本文から直接ヒットします。業務資料を探す
「会議資料や契約書、どこに保存した?」と焦ることも、キーワードを入れれば該当ページが瞬時に表示されます。プレゼン資料やマニュアルを検索
「◯◯の設定方法は?」というようなときも、PDFスライドや説明文を含めて見つけられるので、資料を一つひとつ開く手間を省けます。
ノートと関連資料をまとめて検索
Omnisearchは PDFや画像、Word文書なども横断検索 できるため、ノートと関連するファイルを一括で探せます。
プロジェクトの進捗メモと関連PDFを同時に検索
学習ノートと教科書PDFをセットで探す
打ち合わせメモと契約書・仕様書を一括検索
結果として、必要な情報に瞬時にアクセスでき、作業効率が格段にアップします。
インデックス設定のポイント
Omnisearchが高速検索を実現できるのは、ファイルを インデックス化 しているからです。以下のような設定項目を理解しておくと、さらに快適に使えます。
PDFs content indexing
PDFの内容を検索対象に含めるかどうか。基本的には「有効」にしておくと便利です。Images OCR indexing
スクリーンショットなどの画像内文字を検索したい場合、OCR機能を「有効」にします。ただし「Text Extractor」プラグインが必要です。Documents content indexing
WordやExcelファイルも検索対象にする場合、こちらを有効に。Images AI indexing
AIで画像内容を解析したい場合のみ有効に。負荷がかかるので通常はオフでも構いません。その他の設定
未対応ファイルの扱いやFrontmatterのタイトル指定、追加のテキストファイル拡張子など、多彩なオプションが用意されています。
設定を変更するとインデックスデータがリセットされるため、再度データが作り直されます。変更後はObsidianの再起動をお忘れなく。
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自身はPDFのみ追加しました。
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PDF検索のための準備
OmnisearchでPDF検索を活用するには、obsidian-text-extractor というプラグインの導入が必要です。
こちらもコミュニティプラグインからインストールできます。日本語のOCRを使いたい場合は、Text Extractorの設定画面で日本語(jpn)を追加しておきましょう。その後、OmnisearchのIndexing設定にて「PDFs content indexing」を有効にすれば準備完了です。
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インストールとドキュメンテーション
インストール手順
Obsidianを開き、設定画面(Settings)を表示。
左メニューの「Community plugins」を選択し、「Browse」または「Community plugin browser」をクリック。
検索欄で「Omnisearch」を入力し、表示されたら「Install(インストール)」を実行。
インストール後、「Enable(有効化)」を忘れずに。
ベータ版の利用
「BRAT」というテスター向けプラグインを使用すると、開発中の最新機能を含むベータ版をインストールできます。ただし、不安定な動作が起こる可能性があるため、重要なデータを扱う場合は注意が必要です。定期的なバックアップを取りましょう。
ドキュメンテーション
Omnisearchの公式ドキュメンテーションでは、詳細な機能や設定例、トラブルシューティングなどが丁寧にまとめられています。CHANGELOGも更新のたびに確認すれば、どのバージョンでどんな改善が行われたのかを把握できます。
最後に
Obsidianはノートやファイルをどんどん蓄積できる反面、「目的の情報をすぐに探し出したい」という課題に直面しやすいツールでもあります。そこでOmnisearchを導入すれば、必要なデータを瞬時に取り出せるため、大幅な時間短縮と作業効率の向上が期待できます。
PDFや画像の中身まで検索できる柔軟性は、資料を一元管理したいユーザーにとって大きなメリットです。初心者でも設定しやすく、上級者にはさらなるカスタマイズが用意されているのも魅力的です。
もしまだOmnisearchを導入していない方は、ぜひ一度試してみてください。日々のタスク管理や学習が一段とスムーズになり、Obsidianでの情報整理がより楽しくなるはずです。Omnisearchの今後のアップデートやコミュニティの盛り上がりにも注目しつつ、あなたのVaultをさらにパワーアップさせましょう。