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メカコロッケのこれまで〜とりでをまもるよ!〜

お、おはコロッケ…
…おはようございます。メカコロッケと申します。

今回はそのボカコレ2023春ルーキー参加作品、「とりでをまもるよ!」という曲の話を少し語りたいと思います。

これ、翼竜です…

とりでをまもるよ!

とりでをまもるよ!とは

まずはとりでをまもるよ!とはなんぞやということなのですが、遊戯王という漫画原作のカードゲームはご存知でしょうか?

最も売れたカードゲームとしてギネスブックにも載ったこのカードゲームですが、その初期カードに「砦を守る翼竜」というカードが存在するのです。

先日手に入れたうちの翼竜、かわいいですね

このカード、ちょっと強そうなデフォルメの効いたドラゴンが、「やるぞー!」という表情で粋がっているのが特徴のかわいいカードなんですが、

なにかとネタにされていて初期遊戯王のまだルールが定まっていない頃、後に実装されなかった能力が漫画で描写されたり、

遊戯が宣告した時に本人である翼竜自身が自分も知らなかった能力に面食らっている(ようにみえる)シーンが有名ですね。

「ワイにそんな能力あったんすか!」と驚く翼竜。かわいいですね

そしてこの遊戯王のゲームボーイ版のゲームが発売され、この翼竜も晴れて実装されるわけなのですが…

とても健気に見えます

とりでをまもるよ

そうなのです。表示できる文字数の都合で「くりゅう」がカットされ、「とりでをまもるよ」になってしまったのです。

他のモンスターも「ブルーアイズ・ホ」や、「ブラック・マジシ」になったりと憂き目に遭っているのですが、翼竜に至っては、見た目の愛らしさと相まって「ぼくがとりでをまもるよ!」とでも言っているような健気さが感じ取れてたちまち人気になってしまったわけです。
(「インド人を右に!」みたいなもんですね)

こうして、「とりでをまもるよ」は知る人ぞ知る、人気の思い出ワードとなり、現代においては当時を知るもののネットミームとなったのです。

なぜそれを歌にしたか

はい、本題です。
上記の話はおさらいでしたのでここからがボカコレ曲「とりでをまもるよ!」についてのエピソードです。

実は、ボカロ活動を始める前から砦を守る翼竜をネタにした曲はいつか作りたいなと薄ぼんやりとは思っていました。

元々そういったネットミームを形にすることに興味があって、身内感で楽しんではいたのですが、ただネタに終わるというのもつまらなくて、エモの要素は入れたいもののアイデアがなかったため、一旦温めておくことにしました。

そんな中2022年7月、大変残念なことに「遊戯王」の原作者高橋和希先生が事故でお亡くなりになりました。

ファンが悼む中で高橋先生がかつてコミックスの作者コメントに書かれていたメッセージが話題になりました。

「もし『遊戯王』という共通の目的で、君に一人でも多くの友達ができたなら、オレはこの漫画を描いて本当によかったなと思います。それが1番、嬉しいです」

僕はこの上なく胸を打たれました。

作品のテーマがそもそも「友情」を強く描いたものであり、作中でも主人公達がゲームを通して、仲間達と困難を乗り越えて絆を深めていくストーリーが多くの読者を感動させました。

そして「遊戯王」を通して友達ができたという体験した人がたくさんいて、そういう友達が大人になっても苦楽を共にする仲でいられるというのもよく聞きます。

もちろん遊戯王に限らずミニ四駆でもビーダマンでも起きてきたことですが、なんにしても尊いのです。

そういうものの尊さを「とりでをまもるよ」で表現できたらいいなと思い、いつか曲にしようと虎視眈々と機会を狙っておりました。

そんな中、ボカコレという大舞台を知り、「ここならたくさんの人に聴いてもらえるかも知れない」と思い、ボカコレに出すことにしたのでした。

製作にあたって

やるぞ、となってからは早かったですね。
お迎えしたばかりのSynthesizerV夏色花梨先輩をボーカルに起用、サビメロは「とりでをまもるよ〜」にしようとしてからはそこから繋がるように組み立てて、とにかく健気な翼竜を表現しようと着地点を見出すのにさほど時間を要しませんでした。

ちなみにこの曲は一応翼竜目線です。
子供の頃、翼竜を使ってカードゲームで遊んだ少年を、大人になっても見守っているという目線ですね。

2番で翼竜がキーホルダーになってるのは「自宅(砦)をまもるよ!」という表現なんですが伝わりましたかね?
もっというとあのキーホルダーほんとにあるらしくて(作ったときは知らなかった)メルカリで3000円くらいで売られていてだいぶ欲しかったけど我慢しましたw

イラストは「きみのおとなりで」で組んでいただいた水菓志先生

なんの脈絡もなく「砦を守る翼竜っぽい翼竜ってかけます?」とオファーを出したら3日くらいでラフをくれましたのでトントン拍子に進みました

反響

これが自分には勿体無いくらい反応いただいて、つよつよPさんからキャッチーさを褒めていただいたり、ネタ曲投稿祭でブッ刺さりまくったPさんからは、「ボカロ界のバッグクロージャー専門商社」という称号をいただき、特にこの二点は今でも誇りに思って曲を作っています

正直遊戯王ブランド借りてるのずるくないかとも思いましたが、自分が作りたかったのはこういう曲なので、次から気をつけるから今回は勘弁してね、という図太さでボカコレってましたww

コメントに遊戯王の思い出とかも書いてくれる人達もいて、懐かしさを喜んでくれる人もいて、知らなかったけど可愛くて気に入ってくれた人もいて、本当にこの曲を作ってよかったと思いました。

動画内の「高橋先生も喜ぶと思うよ」というコメントは見た時号泣しました…
(書いてくれた方ありがとうございます。見てるかな…)

深夜のランキングにも顔出してたみたいで、サムネの翼竜が「マジすか!俺ランキングに顔出してるンスか!」って驚いてるように見えてジワりましたw

ちなみに最終結果は圏外ですが、自分にとっては勿体無いくらい上出来だと思ってます
深夜のランキングは少しの再生でいきなりランキングに顔を出すことがあるとは聴いていたので、まぁ記念といいますか、そのくらいでとらえております

なんと恐れ多い絵面…

ランキングよりもこの「とりでをまもるよ!」を通じてたくさんの方と繋がれたことを嬉しく思います

…って書いてて思いましたがこれってつまり僕にも「遊戯王という共通の目的で友達ができた」ってことですよね
本当に嬉しいなぁ
最後は水菓志先生と繋がってくれた皆さん、そして高橋先生に感謝を捧げ、締めとしたいと思います

次回は「僕のファービー」のお話をします

皆様本当にありがとうございました!

ではノシ

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