![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/36591140/rectangle_large_type_2_23213e1ecf50e89b63d8f9c237c6654c.jpg?width=1200)
【MTG】令和の死の影、最近話題の噂の悪魔 解説編【スカイクレイブの災い魔】
どうもお久しぶりです。道楽です。
ここ数回、デュエプレに関する記事を書き続けていますが、今回もカードゲームに関する記事です。もし映画感想や漫画感想からフォローしてくださった方がいたら、申し訳ないなとも思いつつ、気分で記事を書く人間なので、そこら辺はご了承ください。
さて、今回は最近一部界隈で話題になったこのカードに関する記事。
スカイクレイブの災い魔です。
マジック:ザ ギャザリングの新エキスパンションゼンディカーの夜明けのプレビューに颯爽と顔を出したこのカードは、とあるカードの愛好家達の間で早速話題に上がり、一部プレイヤー間では、このようなあだ名で呼ばれるようになりました。
令和の死の影と。
死の影愛好家の末端に位置している僕にとっても、このカードは無視できない存在でした。新エキスパンションが出るたびに死の影の新イラスト寄越せと呟いていたら、ウィザーズオブザコーストはこんな予想もしなかった形で僕の願望を叶えてくれるとは。
さて今回は僕にとっても夢であった5枚目以降の死の影、スカイクレイブの災い魔をデッキに入れて回して気付いたことを備忘録として色々まとめていく記事となります。
いち素人の備忘録となるため、至らぬ点やお見苦しい点があるとは思いますが、生暖かい目で読んでいただけると幸いです。
・災い魔のスペックについて
まずは肝心の災い魔のスペックについて
(1)(黒) クリーチャー — デーモン
キッカー(4)(黒)
あなたがこの呪文を唱えたとき、これがキッカーされていた場合、各プレイヤーは自分のライフの端数を切り上げた半分を失う。
スカイクレイブの災い魔のパワーとタフネスはそれぞれ、20からすべてのプレイヤーの中で最も多いライフ総量を引いた値に等しい。 */ *
初見で分かりづらいのが、この「スカイクレイブの災い魔のパワーとタフネスはそれぞれ、20からすべてのプレイヤーの中で最も多いライフ総量を引いた値に等しい。」の一文。これを説明していきます。
例えば、自身のライフが19、対戦相手のライフが18だった場合、このカードのパワータフネスは20-19の1/1になります。逆に自身のライフが13で、対戦相手のライフが15の場合は20-15となり、パワータフネスは5/5となります。
また、このパワータフネスはお互いのライフが変動した場合には変化します。なので、どちらかのライフが20を超えた場合、災い魔はタフネスの値が0以下になるため、墓地に落とされてしまうことになります。
この能力こそが災い魔が令和の死の影と呼ばれる所以であり、また自身のライフのみがパワータフネスに影響する死の影とは明確に違う点でもあります。
また、キッカー能力の「各プレイヤーは自分のライフの端数を切り上げた半分を失う。」この能力と、上述のパワータフネスを決める能力によって、災い魔はゲーム後半で引いてきた場合でも、そのスペックを十二分に発揮できるというわけです。
キッカーコストは(4)(黒)と若干重いものの、自身のマナコストが(1)(黒)と軽量なため、長期戦を見越したゲームプランを組むデッキであれば、現実的なマナコストであると言えるでしょう。
スピードのあるデッキ、どっしり構えるデッキ、どちらでも柔軟な働きのできるクリーチャー。それがこのスカイクレイブの災い魔です。
・死の影との比較
さて上述した通り、このカードは死の影とは似て非なるカードとしてデザインされています。では、死の影と比較した場合、どのようなメリットデメリットがあるのでしょうか。
僕が主にモダン環境で遊んでいるプレイヤーなので、モダン環境で利用する目線で見ていきたいと思います。
マナコスト
死の影は(黒)、スカイクレイブの災い魔は(1)(黒)です。死の影はその能力の都合上、1T目に戦場に着地できることは稀なため、戦場に出る速度に左程影響はありません。
2T目以降を想定した場合、1マナのハンデス・妨害・除去呪文を唱える余裕を残しながら戦場に着地できるか否かは大きな違いになるので、この点では死の影が勝っているといえるでしょう。
ただ、類似する能力をもったマナコストが違う生物が死の影デッキに採用されることによって、死の影の天敵ともいえる「仕組まれた爆薬」「爆発域」「虚空の杯」といったマナコストを参照する除去、妨害を回避できるようになったのは、死の影デッキにとって明確な強化といえます。
種族
死の影はアバター、スカイクレイブの災い魔はデーモンです。種族のサポートに関してはデーモンの方が充実しているのですが、モダンというゲームにおいて、デーモンをサポートする有用な種族呪文は2020年10月11日現在は存在しません。そのため、種族の優位性において、この2枚にあまり差はありません。
キッカー能力
スカイクレイブの災い魔にのみあるキッカー能力について。上述した通り、この能力のおかげで、災い魔は柔軟な動きが出来るようになります。デメリットになる能力ではないため、これは死の影と比較して明確に強化された点であると言えます。
ライフによるパワータフネスの変動について
さて、死の影と比較しなければいけないのがこの能力。この挙動の差が死の影と災い魔を明確に分ける点でもあり、色々語るべき点でもあります。
では、まず死の影の能力について
死の影は-X/-Xの修整を受ける。Xはあなたのライフの総量である。 13/13
死の影のパワーとタフネスは自身のライフの影響を受けます。そのため、各種フェッチランドやショックランド、ファイレクシアマナを有する呪文、果ては稲妻を自分に撃つといった手段で自分のライフを高速で削ることによって、戦場に出すことが可能になります。
その最大値はテキストにもある通り、12です。マナコストが1で12/12という値は、かの有名なファイレクシアンドレッドノートにも匹敵するマナレシオです。
ですが、そのパワータフネスになった際のライフは1であり、稲妻どころかラノワールのエルフから攻撃を受けただけで自身の敗北が決まってしまうため、このパワータフネスの値になるまで自分のライフを削ることは稀です。
相手のデッキにもよりますが、稲妻を2回受けても敗北しないライフ7で一旦自傷を止めるプレイヤーは多いのではないでしょうか。
また、その能力の関係上、自身のライフゲインにも弱いのが特徴です。
特にこの「糾弾」を使われた場合、自分のライフはどうやっても13になるため、ライブラリーに戻った死の影を再度出しづらくなる、横並びに死の影を展開していた場合、その余波で残りの死の影は全て墓地に落ちるといった大損害を被ってしまいます。
あまりモダン環境に顔を出すカードではありませんが、死の影が隆盛した時期にサイドに数枚積まれていたのをよく見かけました。今後使われる機会が増えるカードかもしれません。
というわけで、死の影の能力については以下の通り。
・自身のライフにのみ影響を受ける能力
・パワータフネスの上限は12
では次にスカイクレイブの災い魔の能力について。
スカイクレイブの災い魔のパワーとタフネスはそれぞれ、20からすべてのプレイヤーの中で最も多いライフ総量を引いた値に等しい。 */ *
上でも説明した通り、災い魔の能力は自身と相手双方のライフに影響を受けます。
その為、糾弾だけではなく、相手のライフゲインでも戦場から離れてしまう危険性があります。特に生物が出る度にライフを回復する「魂の管理人」「魂の従者」「オーリオックのチャンピオン」を有するソウルシスターズ、無限ライフゲインを備えたヘリオッドカンパニーなどは死の影以上に相性の悪いデッキと言っていいでしょう。
ただ、死の影と比較して強化された点もあります。それはパワータフネスの上限が実質ないことです。
死の影の場合、自身のライフが12以下にならなければ動くことは出来ませんでしたが、災い魔はお互いのライフの最大値が19以下であれば戦場に出すことが出来ます。モダン環境はその性質上、多色デッキが多いこともあり、1ターン目にフェッチランドやショックランドなど、ライフを払って土地を出すことも珍しくはありません。これによって、展開次第では死の影よりも早く戦場に着地することが出来ます。
更にその能力の都合上、二段攻撃との相性は非常に良く、特に死の影デッキで使われている「ティムールの激闘」との相性は抜群です。
例えば、相手のライフが15、こちらのライフが10以下の時に災い魔を対象にティムールの激闘を唱えた場合、相手から何も妨害がなければライフをそのまま0にできます。
この点からもわかるように、災い魔は死の影以上にライフ管理には気をつかう必要がありますが、その爆発力は死の影以上なのがスカイクレイブの災い魔の能力となります。
ただこのパワータフネスの上限が実質存在しないのは同時に弱点にもなり得ます。それは能力を失った際、ただの0/0生物となり墓地に落ちてしまうことです。
レアケースかもしれませんが、マーフォークデッキが有する「マーフォークのペテン師」であればそれを可能にします。
その為、マーフォークを相手にする際は、ハンドや盤面を今まで以上に意識する必要があるでしょう。
話が少し逸れましたが、スカイクレイブの災い魔の能力は
・自身と相手双方のライフに影響を受ける能力。
・パワータフネスの上限はない
・二段攻撃との相性が非常に良い
となります。
このように比較してみると、災い魔は死の影の上位互換とも下位互換とも一概には言えない性能であることはわかっていただけたでしょうか。
個人的には、スカイクレイブの災い魔はとても面白い形でのリメイクカードだと思っています。長所とも短所とも取れる能力を持ち、プレイヤーがうまくゲームプランを構築してあげないと戦えない為、プレイヤーの力量が問われるカードだと言っていいでしょう。
・結論:一緒に使う
この記事の始めに、僕は災い魔は五枚目の死の影といいました。
カードゲームでは似たような性能のカードは多ければ多い方がよいといわれます。ドローによるランダム性はカードゲームではどうしても避けられるものではなく、欲しいカードが手札にくる確率を引き上げること=そのデッキにとって強い動きが出来る確率があがる、であるといえます。
それはMTGでも同じことであり、僕の結論としてはモダンでのスカイクレイブの災い魔は死の影と一緒に使うのがベストです。というか、実際にそれで結果を残しているデッキがゼンディカーの夜明け発売以降、幾つか出てきています。
先日晴れる屋で行われた、第17期モダン神決定戦でも、挑戦者の宮下翔太選手がラクドス死の影でモダン神のヘリオッドカンパニーに対して、高速で3勝を決め、新モダン神の座を勝ち取りました。また、他の大会でもラクドス死の影だけではなく、マルドゥ、グリクシス、ジャンドといった3色デッキでも結果を残しています。
さて、僕は以前の記事でも話した通り、今はグリクシスシャドウをメインデッキとして使用しています。
その為、当然ながら災い魔をグリクシスシャドウに採用することにしたのですが、実際に使ってみてわかったことは「災い魔はグリクシスシャドウの革命児である」ということでした。
次の記事では、グリクシスシャドウで使うスカイクレイブの災い魔と、その相棒について書いていこうと思います。
ではまた。
…書いていたら予想以上に記事が長くなってしまったため、次回に引き延ばすという形にすることにしました。好きなカードについて語ると必要以上に長くなってしまいますね。
BOOTHやってます。オリジナルのトークンカード等通販していますので、是非一度覗いてみてください。