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#Twitterトレンド大賞 2020 から今年を振り返る

マーケティングに携わる人すべてにとって「トレンドを知る」って大切なことです。

そもそもマーケティングって、「トレンドを読んで、成功につながる販売戦略を立てること」。ですから、自分に関係ないことは興味ない、とも言っていられなかったりします。

しかしトレンドを知るのって、年々大変になっているんじゃないでしょうか。
かつてのトレンドは「多くの人の間で一斉に流行する」ものでした。数年前はみんなガウチョパンツ履いてたじゃないですか。
それが、年代によって流行が異なっている!と言われ始め、今ではもっとトレンドは細分化しているのではないかと。

トレンドの細分化は、各SNSの普及に関係しています。
各SNSの、個人に最適化されたアルゴリズムは、「自分の興味をより深め」「嫌いなものには触れなくていい」という快適な状態を作り出しました。結果、個人の属性(年代・所属・収入・趣味・性別など)によって、細分化されたトレンドがたくさん生まれている。


ところで、おととい12月22日、#Twitterトレンド大賞 の発表がありました。

#Twitterトレンド大賞 は、今年最も話題となったTwitterトレンド20を明らかにしようというものです。

どうやって明らかにするかというと

①2020年に日本のTwitterでトレンド入りしたすべてのトレンドワードを集計
②下記を基にTwitter独自のアルゴリズムで分析
 ・通年でのツイート量
 ・トレンド入りしている間のリツイートやリプライ、いいねの数

どのようなアルゴリズムなのかは分かりませんが、実際の数字に基づいているので、ある程度信頼できる、確かにTwitterトレンドを反映したランキングではないかと思います。

「流行語大賞って、ほんとに流行ったの?」と言われるようになって久しい昨今ですが、Twitterトレンド大賞は忖度なし。かつ、普通にSNSを利用していると触れることがないかもしれない、他属性の人々におけるトレンドも反映しているのではないでしょうか。

Twitterトレンド大賞は20個ありますが、一つ一つを順にみていきたいと思います。

ランキング形式のうち、20位から順に掲載しています。下記のように表記します。

順位:トレンド入りしたワード(トレンド入りした日)

20位:ポケモン(9月29日)

ポケモンはもちろん知っています。(好きな作品はBWで、好きなポケモンはメッソンです)

が、9月29日にトレンド入りしたのはなぜなのか、早速分かりませんでした……。

どうやら、9月29日はポケットモンスターとBUMP OF CHICKENのコラボレーションMV「GOTCHA!」が公開された日だったようです。

このMV、めちゃくちゃエモいです。これまでどれか一つでも、ポケットモンスターの作品をプレイしたことがある人なら、「あっこれは!!!」と思う場面があると思います。

19位:#sailormoonredraw(5月17日)

これはハッシュタグを追いかけて見ていたので知ってます!!

5月、「セーラームーンアニメのある一コマを、自分の絵柄で書いてみよう!」という企画が流行しました。

ポイントなのは、「模写」ではなく、「自分絵」という点です。描く人によってかなり世界観が異なり、セーラームーンファンでなくても見ていて面白い。

あまり作品に詳しくない人も含め、たくさんの人がセーラームーンを描きました。有名な漫画家の方も参加しています。
(下のツイート、どなたの絵なのか一瞬で分かりますね)

ちなみにredrawに使われた1コマは、セーラームーンSの終盤のシーンですね。これは、とてもとてもつらい場面なんです……ああほたるちゃん………

18位:#東京都知事選挙(7月5日)

これは言うまでもなく、7月5日に行われた東京都知事選に関するトレンドです。

コロナ対策などをきっかけに、「政治は生活に直結している」「選挙に行こう」という呼びかけが行われ、Twitter上ではかなり盛り上がっていた印象です。#都知事選を史上最大の投票率にしよう というハッシュタグも生まれました。

実際の投票率は55%と、前回より少し下がりましたが、新型コロナウィルスの感染拡大下にあったことを考えると、悪くない数字だったのかも。

17位:#半沢直樹

半沢直樹はすごく盛り上がりましたよね……!
近年のドラマには珍しく、幅広い世代で見られていたのではないかと思います。

半沢直樹は、一人で見るよりもみんなで見たほうが、ずっと楽しめるドラマでした。

そこでTwitterです。ドラマを見ながらツイートする、ドラマ実況ツイートを大勢の人が行いました。

半沢直樹を見ながらツイート。そしてハッシュタグを押せば他の人の感想も見られる。実際の如何にかかわらず、Twitterを使えば、みんなでわいわいドラマを見ている感覚になれます。加えて、ドラマの合間のCMはちょっとTwitterするのにちょうどいいんですよね。

そんな感じで、ドラマ×Twitterはめちゃくちゃ相性良いな……!と思って書いたのが下記のnote記事でした。

放送前&放送中は実況ツイートで盛り上がりますが、放送終了後にも話題は続きます。毎話、"名言"が登場するからです。

しかも大和田常務を演じる香川照之さんはTwitterセンスも抜群で、何度も半沢直樹に関するツイートでバズを起こしています。
半沢直樹放送に併せて、Twitterアイコンを変えていたのも話題になりました。(今はカマキリアイコンに戻っています)

「#半沢直樹」は放送の度にトレンド入り。なんと全話連続で、Twitterトレンド世界1位を獲得する快挙を成し遂げたそうです!!

16位:ハイキュー(7月20日)

7月20日、ハイキュー!!の8年半にわたる連載が、ついに完結したそうです。

ハイキュー!!はタイトルくらいしか存じ上げなかったのですが、それほど長期にわたって連載されていた作品だったんですね。

8年半というと、中学生のころに見始めた人が、社会人になるくらいの期間です。それは感慨深いですよね……

ジャンプと言えばスポーツ漫画のイメージがありましたが、ハイキュー!!の完結をもって、ジャンプからスポーツ漫画がなくなるのだそうです。これは一大ニュースでは。半沢直樹以上に盛り上がるのも頷けます。

15位:いのちの輝き(8月25日)

「いのちの輝き」とは、2025年開催予定の、大阪万博ロゴマークのテーマです。

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明らかに万人受けはしませんね。インパクト強すぎ。

Twitter内ではこのロゴマークに対する様々な感想(気持ち悪い・可愛いなど)が飛び交いました。確かに、ひとこと言いたくなりますね。

イラスト、編み物、食べ物など、2次創作の作品が次々に生み出されて話題になりました。

企業公式アカウントからも、こんな投稿が。

確かに似ている……。

万博のロゴがキャラメルコーンのパッケージと似ているということで、「キャラメルコーン」も一時Twitterトレンド入りしていました!

14位:ツイステ(7月22日)

「ディズニー ツイステッドワンダーランド」というスマートフォンゲームです。今年リリースされ、一気に大人気となったようです。

流行っていると聞いて、一度試してみなきゃ……と思いつつプレイ出来ていません。そのため内容については何とも言えないのですが、「黒執事」の作者・枢やな氏が手掛けるイラストや、ダークな世界観などで人気のようです。

個人的にツイステ人気の高さを感じたのは、10月23日のTwitterトレンドに「KATEのCM」が入っていたのを見たときです。

KATEとは、カネボウが手掛ける化粧品ブランド。そのCMの話題がトレンド入りしていたのですが、その理由は「ツイステに登場する"ケイト"というキャラクターの声優が、KATEのCMでナレーションをしている」からだったのです。さすがに狙ってますよね?

正式にコラボすればいいのに!といった声もあるようですが、声優さんのイメージをCMに利用しているという点ですごいなあと思います。購買層のトレンドをしっかりキャッチアップして仕掛けてくる……さすがです。

13位:フリート(11月11日)

11月にリリースされた、Twitterの新機能のことです。自動車保険を10台以上まとめて契約する「フリート契約」のことではありません。

フリートは、Instagramの「ストーリー」機能を思わせる……というか、ほぼそのまんまの機能です。

ツイートは、一度投稿したらずっと残り続けるので、うかつなツイートはできない。そこで、もっと気楽にTwitterを楽しんでほしいとして、フリートがリリースされたそうです。

私自身は、PCブラウザからTwitterしがちなのもあって、なかなか使いこなせていません……

閲覧した人が分かるのが良いところ。Instagramでは、企業アカウントもストーリーの活用必須ですが、フリートはどうなのかな?また調べてみよう。

12位:#手越会見(6月23日)

ジャニーズ事務所を退所した手越祐也さんが開いた会見に対し、多くの反響があったようです。

会見中の手越さんらしい言動が話題になったそうです。#半沢直樹 よりも話題になっていたとは、大きな反響ですね!

Twitterで、ハッシュタグ付きツイートで質問を募集したそうです。それも話題拡大に貢献したのでしょうか。

11位:マスク2枚(4月1日)

マスク不足への対策として、全世帯に布マスクを2枚ずつ配布する政策が行われ話題となりました。

全世帯に、ということでほぼ全員が当事者になる話題。多くの人が賛否など自らの意見や感想をツイートしました。

わが家にも届きましたが、そういえば一度も使っていないです。いっそ記念品としてとっておこうかな。

10位:安倍総理(8月28日)

安倍首相が、自身の健康状態を理由に辞任。7年8か月にわたる長期政権が終了しました。少し前から安倍氏の健康状態は話題になっていましたが、辞任表明のニュースには驚きましたね。

9位:センター試験(1月18日)

2020年1月で「センター試験」は最後となりました。31年間に渡って行われたセンター試験、当時を思い返す人が多くいたようです。

2021年からは「大学入学共通テスト」がスタートします。

来月、第一回のテストを受ける受験生たちは対策に苦労していることと思います。どうかつつがなく開催されますように。

8位:トランプ大統領(11月3日)

2020年11月には、アメリカ大統領選挙が行われました。

選挙に関連して、Twitterでは誤情報の拡散を防ぐために
・リツイートの前に引用ツイート(コメント付きリツイート)を促す
・フォロワーが「いいね」したツイートをタイムラインに載せない
といった措置を取りました。

また、立候補者のアカウントにはラベルを付けるなどの施策も行われました。Twitterは今回の米国大統領選に際してかなり配慮していたようです。

Twitterは「『今起きている出来事をリアルタイムに知る』ための、ニュースのプラットフォーム。」であろうとしています。Google Playストアでも、Twitterはニュースカテゴリです。

しかし実際には、Twitterで発信された情報が、誤情報にも関わらず多くの人を信頼させ、拡散されてしまう事態もしばしば発生しています。前回の大統領選をめぐる

7位:ブルーインパルス(5月29日)

医療従事者へ感謝の気持ちを示すとして、東京都心で航空自衛隊によるブルーインパルスのアクロバット飛行が行われました。

都内各地で飛行の様子を見たとの報告があったり、企画に対する賛成の声、批判の声があったりと、話題に。

正直、局所的なトレンドだったのかなと思っていたので、これほどの上位に入ったことに驚きました。東京以外の地方に住んでいる人にとっても、大きな話題だったのでしょうか。

6位:どうぶつの森(3月20日)

3月20日に発売されたゲームソフト「あつまれどうぶつの森」は記録的な大ヒットとなりました。

シリーズ自体大人気なのですが、今年はそれに加えて、「外出がままならない時勢」が影響して話題になりました。

「どうぶつの森」シリーズは、のんびりした日常感を楽しむゲームです。ゲームクリアなどの終わりはなく、何をして過ごすのも自由。

どうぶつの森のなかの日常では、好きなだけ密になって遊べるし、結婚式だって気にせずできるし、デモ活動もできる。そしてゲーム内に流れる、穏やかで自由な空気が支持されたのかと思います。

加えて、関連UGCが増えやすい仕組みが整っていたことも、話題になった一つの要因でしょう。あつ森では「写真を撮る」ことが推奨されており、ゲームから直接Twitterに投稿できる機能もありました。自動的にハッシュタグが付くので、ライトユーザーも積極的にTwitterに投稿しやすくなっていたのです。

5位:鬼滅の刃(10月16日)

今年ものすごくヒットした作品でした。

漫画・ドラマ・音楽などのエンタメは、どうしてもファンの属性が偏りがち。10代男性の間で流行っても、30代女性の間では全然流行ってない…ということが普通なのですが、鬼滅は全世代で周知されているのがすごい!

主人公が、挫折を味わいながら強くなり、敵と戦っていくという点では"王道のジャンプ漫画"だと思います。でも主人公である炭治郎が人の気持ちを慮る優しい少年だったり、敵である"鬼"の過去が描かれたり、といった点で、とても現代らしい。みんな大好き王道展開を、罪悪感なく楽しめる作品だと思います。

トレンド入りした10月16日は、劇場版の公開日でした。私も観に行ったのですが、原作漫画を読んで展開を知っていたにもかかわらず、序盤からぼろぼろ泣いてしまいました。炭治郎が本当に家族を愛しているのが分かって、切なかったです。

4位:100日後に死ぬワニ(3月20日)

100日間、毎日更新される4コマ漫画です。

毎日更新される中で徐々に関心が集まり、100日目のツイートは今年最もリツイートされ、かつ最もいいねされたツイートでした。

4コマ漫画はTwitterに向いていて、途中からでも参入しやすいのも人気が高まった理由かと思います。作品自体も良いのですが、「みんなで楽しんでいる」感じがブームを作りました。

みんなで楽しんでいたからこそ、商業的な発表のタイミングが難しかったのかもしれません。ワニが死んでから間もなく、「いきものがかり」とのコラボムービーが公開、さらには映画化やグッズ販売、ポップアップストアのオープン…と矢継ぎ早にに発表されたことで反感を買いました。

Twitterで最も話題化する100日目に間に合わせよう」という意図があったのでしょう。ただ単に話題化といっても実態はどんなものなのか?をもう少し精査する必要があったかもしれません。例えばこれが「ワニの結婚」とか「ワニの卒業」とかををテーマにした作品なら、商業化に対する反感は少なかったのかなと思います。

3位:緊急事態宣言(4月7日)

今年の4月7日、特に感染が拡大しているいくつかの地域に緊急事態宣言が発令され、4月16日には全国に範囲が拡大されました。

緊急事態宣言の発令は、全国民に対する強力な注意喚起のメッセージとして受け止められました。すべての人に対して影響することですから、ツイート数が多くなるのも必然です。

2位:#検察庁法改正案 に抗議します(5月10日)

Twitterデモがなんと2位に!

検察官の定年延長を可能にする法案が、国家公務員法改正案とともに国会に提出されました。

これを受けて、改正案にたいする抗議の声が上がり、多くが同じハッシュタグを付けてツイートされました。

最初の投稿は今月8日夜にされましたが、9日になって多くの俳優やミュージシャンなどの著名人が賛意を示し始めると増加し、10日午前4時の時点で抗議の投稿はリツイートも含めて100万件を突破しました。
そして、10日午前10時には200万件を突破し、ツイッターのトレンドでは「母の日」を抑え、長時間トップになりました。
NHKニュース『検察庁法改正案 日弁連が臨時会見「法案成立急ぐ理由は皆無」』より


#Twitterトレンド大賞 2020 には、3位「緊急事態宣言」、8位「トランプ大統領」、10位「安倍総理」、18位「#東京都知事選挙」のように、政治に関連するワードが複数ランクインしています。

つい最近までは、「政治的発言をするのは良くない」という風潮がありました。しかし今年は逆に「自分はどう思うのか考えるべきだ」「意見を表明すべきだ」という気風が、Twitter内では高まっているようです。

1位:コロナ(新型コロナ)(2月27日)

今年の生活に一番大きな影響を及ぼしたキーワード。予想通りです。

企業にとっても、新たな社会的責任として、「感染対策」が求められるようになりました。働き方を変えたり、売り方を変えたりしたところも多いのではないでしょうか。

人との距離を取らなければならない社会において、SNSはインフラのような存在として機能しました。人とコミュニケーションを取るのにも、自分の意見を発信するのにも、おうち時間の過ごし方アイディアを得るのにも、SNSが大活躍します。

ツイートの中には、コロナ禍を乗り切るためのアイディアや、乗り切っていこう!という前向きな声が多くあったそうです。

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大変な時こそ、支えあっていきたい気持ちが高まります。Twitterはネガティブなイメージで語られることもよくありますが、実は困難に前向きに立ち向かおうという人々の気持ちが反映されている場所でもあったのですね。

まとめ

Twitterトレンドを見返してみると、一年全体を思い返すことができますね。

流行語大賞に対して、Twitterトレンドは「データ」だけに基づくので、より正直な結果が出たのではないかと感じました。

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Twitterは「リアルタイム」が反映されている場所です。何か事件が起こったとき、嬉しい知らせがあったとき、面白いものがあったとき、多くの人が一斉に反応します。知らない人の声を聞くことで、いらだつこともありますが、新たな出会いもあります。


私自身も今年の9月、Twitterのアカウントを作成しました。仕事上の興味を広げ、自分の発信もしたいと思ったのがきっかけです。

元々別のアカウントで、趣味について発信&情報収集はしていました。しかし自分の名前を出してちゃんとTwitterに取り組むと、Twitterはまったく違う場所のように感じました。

趣味用アカウントではTwitterは「情報収集ツール」、いっぽう名前を出している今のアカウント(@miz_mek)では、Twitterは「コミュニケーションツール」だと感じています。

2021年がどんな年になるかは未知数ですが、個人的には、新しい生活の良いところは継承しつつ、健康に過ごせる一年にしていけたらいいなと思います。

来年度も、どうぞよろしくお願いいたします。

よいお年をお迎えください。

スマートシェア 水谷萌子







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