会計DXの全体像、クラウド会計ソフトの選定について
だいぶ遅くなりましたが、今回から具体的な業務改善DXについて記事を書いていきます。
トップバッターは、一番重要な会計DXになります。
数字を支配する事が、経営改善のセオリーなので、どのようにDX化を進めていくべきかまとめてみました!
長くなりますが、最後まで読んで頂けると幸いです。
①会計DXの順序
会計DXは、「請求・支払業務」、「経理業務」、「経営管理」という3段階に分かれております。重要な点は、「3段階全てが繋がっている」という事です。
全ての業務を一気通貫でDX化するから効率化が実現されるわけで、どれか一つでも欠けると実現できなくなります。その為、最初にやる事は「請求・支払業務」の効率化から手をつけるのではなく、全体像を整理する所が出発点になります。
全体像の整理が終わってから、①請求・支払業務の効率化、②経理業務の効率化、③経営管理体制の構築という順番で、会計DXを進めます。
②全体像の整理
最初に業務の全体像を整理していきます。
「経営管理」→「経理業務」→「請求・支払業務」という順で業務フローを図式化し、どういったSaaSを使って構築するのがベストか検討します。
そしてSaaS選びにおいて、最初に決めないといけないのは、「会計ソフト」になります。
③会計ソフトの選定
会計ソフトをなぜ最初に決める必要があるのか。
それは、「経営上の数字が全て集まる」唯一のソフトであり、会計ソフトが会社の経営データ基盤になるからです。
ソフトが決定される要因は、主に以下3点になります。
(1)集まった数字の使い道
・部門やチーム単位で損益を把握したいか?
・予算実績管理を細かく行いたいか?
(2)予算
・会計ソフトのみで月額1万円以上払えるか?
・月額3,000円程度で済ませたいか?
(3)税理士の対応可否
・どのクラウド会計ソフトなら対応可能か?
(前回noteにも書きましたが、ここが一番ネックになりやすいので、最初に確認されることをお勧めします)
これらを総合的に勘案して、数あるクラウド会計ソフトの中から導入を決定します。
とはいえ、中小企業からすると、「低予算で、抜本的に業務効率化を実現できるクラウド会計ソフト」は、freeeとマネーフォワードクラウド会計しかありません。
【他のクラウド会計ソフトが選択肢から外れる理由】
・PCAと勘定奉行クラウド
業務効率化が期待できるソフトですが、月額10,000円と高い点がネック。
PCAはAPI連携も多く、データ連携がしやすいのですが、価格的に企業規模が大きくないと導入が難しいです。
・弥生会計
税理士が好んで使用するソフトなだけで、業務効率化に寄与せず、利用する意味がない。税理士が譲らなかった時のみ、使わざるを得ない。
では、freeeとマネーフォワードクラウド会計どちらを選ぶべきか。
④freee vs マネーフォワードクラウド会計
「freeeとマネーフォワードクラウド会計、どちらが優れているか?」
会計DXに興味のある方は、この話題をよく耳にされるのではないでしょうか。私個人の結論としては、「データ活用へのこだわり」・「予算」で決まると考えてます。
一つ目が、データ活用へのこだわりです。
会計ソフトに入っているデータをなるべく活用したいと考える場合、freeeに軍配が上がります。
何が良いかと言うと、freeeはオープンAPIを採用しており、「freeeへのデータ入力」、「freeeの中にあるデータの取り出し」を自由に行う事ができます。これにより他のSaaSとの連携がしやすく、データを自動で連携できる仕組みを整える事ができます。赤枠で囲った部分はfreeeでしか実現できないデータ連携になります。
また、「freeeの中にあるデータの取り出し」を自由に行えるので、予算実績管理をスプレッドシート上で行う事が可能になります。
今後、noteで紹介しようと思いますが、予算実績管理のSaaSは利用料金が非常に高額で、マネーフォワードクラウド会計はManage Board(月額3万円)のサービスでしか自動連携ができません。
「予算実績管理は行いたいけど、月3万円を払うのはちょっと・・・」という方は、freeeをお勧めします。
二つ目の論点は、予算です。
SaaSを沢山使っていくので、月々の支払が発生します。
運用コストを1円でも安く済ませたいと考えるなら、マネーフォワードクラウド会計をお勧めします。支払業務・労務管理などのあらゆる業務をカバーしたオールインワンのSaaSになっており、月額3,000円で導入することができます。
【まとめ】
・データ利活用を優先したい場合→freee
・とにかく安く運用したい場合→マネーフォワードクラウド会計
⑤会計ソフトが決まったら
会計ソフトを中心に据えた状態で、②の業務フロー図で整理していくと、利用するSaaSが決まってきます。
以下は一例ですが、合計で12個のSaaSを導入して業務効率化を図っております。効率性を求めると、多くのSaaSが必要になってきます。複雑になってくるので、しっかりと業務フロー図を作られる事をお勧めします。
各業務フローに対するSaaSの決め方は、今後の記事にて紹介します。
重要な点は、「業種・効率化の目標・会社の経営方針によって大きく異なる」という事です。
長くなりましたが、次回は受注業務についてのSaaSを紹介致します。
事例も幾つか交えて書きますので、ご期待下さい!
中小企業様の成功事例について、本や現地インタビューで事例を収集しております。無料で展開していきますので、運営ご協力賜れますと幸甚です!