【社員に恥を着せた状態で外回りをさせる鬼畜企業を見つけた話】4月の500円
24年4月の支援日記
社会があれば、そこには制服がある。
制服とは、ただ着用しているだけであるのに勝手に第三者にTPOが伝わるという優れものだ。
それも、自身のTPOを相手に理解させる時、相手の思考に一切の負荷をかけないという凄みがある。
加えて、着用者にも集団への帰属意識を与えている。
制服とは、ただ体を覆っているだけの布の集まりではないのだ。
昨今、私服勤務やオフィスカジュアルなどといった方式を採用している企業が増えている。
従業員に制服の着用を強要しないという姿勢は、私としては良い傾向だと考えているが、世間では意見が割れているようだ。
幼少からの馴染みの表れなのだろうか。
どうでもいい話だが。
私は最近まで、社会人の制服とはおよそ二極化されるだろう、と考えていた。
襟の色、つまり機能をとるか外見をとるかという意味だ。
しかし、最近になって思い違いをしていたことが判明した。
制服に明確な区分けなどなく、グラデーションなのだと。
今回焦点を当てるのは、機能と外見が両立された制服だ。
その制服とは、外回り用の作業着だ。
先日、私の職場に老齢の紳士が入ってきた。
左胸に見慣れないロゴが赤く刺繍された作業着を纏っており、やや動作が慌ただしい。
一瞥をやった私は、この来客と自分の間に関係がないことがわかると、自分の仕事に戻ることに決めた。
椅子を右に半回転させ、少量ながら積まれた残件に視線を戻す。
私の先輩や上司は紳士と顔馴染みのようで、すぐさま紳士を空いた席に誘導し椅子を薦め歓迎する様が、私のパソコンの奥にある透明なパーテンションに反射していた。
そんな情景は日常的なものである。
私は特になんらの意識もしていなかった。
しかし、突如込み上げてきた強烈な違和感が、PDFをスライドしている指を止めた。
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