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イエスが18世紀の日本にいたら、七味唐辛子は絶滅していたのではという気づき。

お酒を買うついでにと、一杯のカップラーメンを買った。
基本的にカップラーメンには、味や栄養の点において期待していないのだが、私は一つだけとても好きな銘柄があるのだ。
それは、ヤマダイ株式会社から発売されている、信州味噌ラーメンだ。

初めての出会いは、旅行で訪れた軽井沢だった。
旅館で夕飯を取ろうとしたのだが、1日を観光に使いたかった私は、旅館の夕食を取らずに、カップラーメンで済ませることにしたのだ。
そこで、ご当地スーパーから選び取ったのが、この信州味噌ラーメンだった。

客室につき、速攻で全ての荷物を片付けた私は、いの一番に夕食をとった。
お酒が入っていたためか、ひどく美味しく感じられたのを覚えている。

単純接触効果とでもいうのか。
近所の酒屋でも、同じカップラーメンが陳列されていたことに気づいたのは、旅行をしたのと同じ月だった。
それ以来、酒屋に行くたびに、酒瓶を保護するための緩衝材として、トートバッグの空いた部分を埋めてくれている。
今日もまた、一つ買ってしまったのだった。

つい5分ほど前の話である。
お湯を沸かし、注ごうと蓋をめくると、蓋の裏に小話が書いてあることに気がついた。
頻繁に食べる物でもないし、今まで気がついていなかったのだ。
おそらく、毎回お酒が結構入っていたからだろう。
どうせなら。
私は読んでやることにした。

書かれていた内容は、とっても薄っぺらな物だった。
信州味噌ラーメンの特徴として強調されている七味唐辛子だが、それにまつわる起源の話が書かれていた。
なんでも、八幡屋礒五郎(やわたやいそごろう)という18世紀を生きた男が、善光寺の境内で売り出したことが、七味唐辛子の起源だそうだ。
あまりに薄っぺらな内容に、辟易した。
知ったところで、なにになるのか。
5分間ののちに、ゴミ箱にすてるために蓋を捲り取った。

お酒、よくない。
私は、己が思考の鈍重さに辟易した。
蓋の裏の小話。
聞き覚えのある話だったではないか。
礒五郎が生きた1700年ほど前にも、似たようなことがあったではないか。
部屋に一人でいるというのに、なんだか恥ずかしさが込み上げて来、ごまかすようにお茶を一気飲みした。
この話、イエスと繋げたら面白みが増すではないか。

時は起源何十年。
エルサレム神殿に辿り着いたイエス一行。
イエスは激怒した。
必ず、かの卑しい商人どもを境内から除かねばならぬと決意した。
イエスにとって、神殿とは父の家だったのだ。
つまり、
「親父の家で商売なんかすんじゃねぇ!!!!」
とキレ散らかし、文字通り金品や家畜どもを辺り一面に散らかした。
もしも、イエスが18世紀の日本にいたら。。。

なんと、気がついたら20分くらいの時が過ぎているではないか。
麺が、私の麺からコシが消え失せている。。。
面白い物を見つけたが最後だったのだ。
記事のうまさに気を配っている間、生地は刻々とうまくなくなってしまっていたのだ。

私は激怒した。


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