文学しかありませんでした!
若い時色々やってみたのですが、外国語がすこぶる苦手で結局ものには成りませんでした。文学だけは字が読めればできるので、それだけしかありませんでした。楽譜が読めたり絵心があるわけではないのでクリエイティブなことと言っても文字を綴るしかできなかったのです。
とは言うものの長い文章は苦手で詩のそれも漢詩というマニアックな世界だけ何とかなりました。色々試行錯誤の末今のようなスタイルに落ち着きました。全く無駄にはならなかったと思いますが、若いころもがき苦しんだ末の結果ですかね。人間は弱いようでいて強く、強いようでいて脆い存在であると気付きました。でもあの頃は苦しかった。
高い評価を得た芸術と言うのは価値ある、皆が価値あると思うことを賛美する事に貫かれているように思います。理念と言うか、信念というかを支える確固とした自信なしには高い評価を得る作品は書けない気がします。良い意味で頑固である必要があります。そして其れこそが美であり感動を伴うのでは無いでしょうか?
文学は所詮記号の塊の羅列です。美をいかにして文字だけで構築するかの世界です。クリエイティブな事は人の心を虜にします。迷ったらいかにしてそこから脱出したか、いかにして其処を乗り越えたかを作品にするのも確かに芸術かもしれません。物事に単純はなく様々な因果が絡み合っています。その全てを解きほぐすのは誰にもできないかもしれません。苦しいことではありますが創造することは辞められません。美を求めるのは人間の本能であると言う人もいます。高尚な人間だけが持つ機能であるとも私は思います。魂は美を求めてやまないのです。人間性の開放は最後には勝利を得ると信じたいのです。