【もっとさいはての中国】広東省農村のマッドマックス
械闘とは、明清時代以降(14世紀〜)の中国において発生した、集団同士が武器を持って殴り合う私闘を指す。「械」とは、「道具」もしくは転じて「武器」を意味する漢字だ。どうやら、もともとは「持械而闘」(武器を持って戦う)と言っていたのが、省略されて「械闘」になったらしい。
場合によってはヤクザや秘密結社・政治勢力などの抗争についても、この単語が用いられることがある。たとえば2019年6月から起きた香港デモでは、デモ隊と警官隊・反デモ派市民との暴力衝突を「械闘(械鬥、械斗)」と書く報道が存在している。たとえば下記の画像は同年8月11日付けの現地紙『香港01』記事の見出しだ。
とはいえ、ほぼ中国に特有のユニークな特徴は、清代中期(18世紀〜)以降の農村部で「宗族」と呼ばれる血族集団同士の械闘が繰り返された点だ。特に中国の南部では、ひとつの宗族がひとつの村を形成している例も少なくないので、宗族の械闘はすなわち「村と村の戦争」に近いものになる。
しかも驚くべきことに、この「村と村の戦争」は、なんと21世紀の現在でも発生することがあるのだ。
私は『もっとさいはての中国』(小学館新書)4章で、この械闘をおこなった広東省東部の村に突撃した記事を掲載している。本記事のヘッダー画像に掲載した、ヤリを持った赤ヘル軍団がいた村である。
出版社の許可を得たうえで、noteで一部を公開することにしたい。
広東省東部の「イケてない」地域
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