療育現場からのつぶやき(8)
先日のこと、最後の療育日の終わりがけにトイレに行きたいという6年生のG君の帰りを待っていたところ、トイレの中からぼそぼそと話し声が聞こえてきました。
物事の理解が少しゆっくりなG君。
何かトラブルでもあったかな?と、心配になってドアの手前から耳をそばだててみると…。
「便器さん、今日でお別れです。今までありがとう」
「壁さん、ありがとう」
「床さん、ありがとう」
と、トイレの中のいろいろなものに感謝の気持ちを伝えてくれていました😊
出てきてから私にその言動を誇ることもない、ただただ自分のためのピュアで尊い行動です。
その後、療育の個室に戻り、
「先生、今までありがとう」
「教室さん、今までありがとう」
と言って、お父さんと一緒に笑顔で帰っていきました。
こんなに素直で心の美しい彼が生きにくさを感じる社会なんて、やっぱりおかしい。
彼の将来の夢は
「めいりん先生みたいな、デイの先生になること」だそうで😊
その夢がきっと叶って、子どもたちの心に寄り添える先生として活躍してくれることを願っています。
早くそんな優しい社会になってほしい。
そのために微力ながらも、誤解されやすい彼らと社会との橋渡しになれればな、と思っています。