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伊勢・志摩の旅①(ホンさんぽ#1)

 関西の大学に通うようになって3年。47都道府県制覇を目指すにあたって、地元の九州からでは中々不便な三重に行こうと思い立つ。というのも、世間に名高い「お伊勢参り」をしたくなったのだ。そして、なんと言っても動物園好きには「鳥羽水族館」は外せない。ジュゴンに会える世界で2つしかない施設の1つだ。

 思い立てば脚は軽い。そぞろ神に従って6月の金・土を使い旅に出た。

近鉄特急で鳥羽へ


 朝8時過ぎの京都駅から旅は始まる。普段からよく使うこの駅だが、八条口にはあまり寄ることもなかったので少し新鮮な気持ちだ。
 まず乗車するのは奈良の橿原神宮までの特急。明日香や畝傍など古代日本史が好きな方には堪らないであろう地名がちらほら見える地域だが、その直前の大和八木駅までの乗車だ。特急券使用で約50分。

大和八木駅周辺の様子

 大和八木駅周辺は想像していたよりも都会的であった。奈良盆地を東西に走る近鉄大阪線と南北に走る近鉄京都線の交わる地点ということもあり、こちらが南部の中心地なのかもしれない。 駅周辺には神武東征にまつわるモニュメントとともになにやら見覚えのある絵柄のボードがあった。

吹き飛ばされた写真を撮れます

 ファィ!! だよ。 
 ストリートファイターじゃん 完成度高けーな

 どうやら、カプコンの創業者がこの大和八木出身であったことから、カプコンゲームの代表ストリートファイターとのコラボを町ぐるみで行っているようだ。 
 意外なものを見つけて少し気持ちが高ぶったところで電車の時間が来た。ホームにあるベーカリーで幾つか惣菜パンを買って、電車に乗り込む。
 続いては志摩の賢島駅行きの特急に乗車。鳥羽駅へ向かう。

日本屈指のマンモス水族館、鳥羽水族館へ

ミジュマルとコラボしていた鳥羽駅。鳥羽のラッコ?

 約一時間半の乗車で鳥羽駅に到着した。駅には直結のフェリーターミナルがあり、ここから愛知県の渥美半島まで行くことが出来るらしい。ここから10分ほど歩き、第一の目的地、鳥羽水族館へ向かう。

鳥羽駅前のイルカのオブジェ

 駅前には周辺の人気施設の影響であろう、イルカのモニュメント(イルカ島)や真珠関連のお店(ミキモト真珠島)などがあった。 歴史好きであれば忘れず見ておきたいのが鳥羽城であろうか。鳥羽水族館へ向かう道の途中で少し見ることができるが、信長配下の水軍武将である九鬼氏の城である。かつてはこの鳥羽が志摩の中心地であり、周辺の入り組んだ海岸線は養殖の他にも軍船の停泊にも役立ったことだろう。

 さて、動物園や水族館を愛して止まない人々にとっては常識かもしれないが、この鳥羽駅から歩いて程近い鳥羽水族館は日本の水族館のメッカの1つだ。なんと飼育種数は日本一、ここにしか飼育されていない生物も数多い。沖縄美ら海水族館にも引けず劣らない人気の水族館だ。

水族館は真珠島の隣。もともとミキモト真珠の関連事業として始まった経緯がある。

 そんな水族館の外観が見えてきたが、まるでデパートである。何度もの改装・拡大を経た水族館は道に沿って横長く広がっており、カラフルな外観がワクワク感を掻き立てる。入館料2800円を支払い、いざ入館。

鳥羽水族館(外観)

 水族館の内部に関しては書きたいことが多すぎるため別途個別記事にて書きたいと考えるが、ライトな水族館ファンにも向けて3か所ほど見所を紹介していく。

①世界で2ヵ所しか会えないジュゴン
 まずはジュゴン。シドニーと鳥羽の2ヵ所でしか飼育されておらず、野生でも絶滅が心配される生物だ。

ジュゴンのセレナ。日本で唯一飼育される個体

 同じ海牛であるマナティーとの違いは尾ビレの形。マナティーが丸い形をしているのに対してジュゴンは三日月形をしている。この水族館ではマナティーも飼育されており、実際に違いを見比べることができるのも魅力。他にも違いは沢山あるのでぜひ実際に訪れて発見してきて欲しい。

②極地で暮らす生物たちの展示
 続いてラッコ、イロワケイルカ、クリオネ、バイカルアザラシの展示コーナー。珍しい海獣が勢揃いといった部屋である。特にラッコは全国に3頭(※執筆時)であり、パンダよりも少ない。

ラッコのメイ

 訪問時にはイロワケイルカにおめでたが来ていた様子。ただでさえ貴重な生物の貴重なシーンを見ることができるのは野生とは違った水族館の魅力だと感じる。

イロワケイルカ(妊娠中)

③珊瑚礁でのダイビングを擬似体験
 最後に「コーラル・リーフ・ダイビング」の紹介。こちらは鳥羽水族館における大水槽枠。入り口のホールからも見ることができる。他の水族館に比べサイズは控え目かもしれないが、この水槽の真髄は通路を渡って回り込んでみると味わうことができる。

水槽に飛び出した観覧ルーム。没入感が凄い

 正面だけでなく左右、上も水槽に囲まれた部屋である。この水槽は名前の通り、珊瑚礁でのダイビングを擬似体験するというコンセプトのもと設計されており、没入感が凄い。しばらく待っているとダイビングで会えたらラッキーなウミガメにも出会うことができる。

アオウミガメもいる

いよいよ「お伊勢参り」へ

 さて、電車で伊勢市内へと向かう。特急であれば15分程度であるが、普通電車でもそれほど変わらい。
 駅前は和風な旅籠と近代的なマンションや学習塾といった並び。鳥居が中央にあるので参道を探して迷い歩くことはなかった。親切設計。

伊勢市駅駅前の様子

 駅から伊勢神宮は約15分。といっても伊勢神宮には二つあり現在向かっているのは「外宮」と呼ばれる地域だ。メインの「内宮」へはさらに駅1つ分、バスで20分程度ほどの距離がある。なんでも「外宮」を参拝してから「内宮」へ向かうのが正しい参拝方法だそうで。TV等で紹介されるのは主に「内宮」であるため、こちらはあまり見覚えのない景色が広がっていた。

道中には旅籠もちらほら

 境内に入るとまず大きな池が見えた。「勾玉池」というらしい。空から見た形が勾玉に近いことからそう名付けられたとか。季節になれば菖蒲が一面に咲きそれは美しいそう。

勾玉池

 さて、ここから境内をさらに奥へと進む。流石は日本の神社の総本山ということもあり敷地は広大だ。境内は深い森のようになっており、周囲と比べ一段と暗く、物々しい雰囲気を感じる。

境内は森覆われている

 しばらく歩くと社殿群が見えてくる。他の神社でいう本殿にあたる正宮がそのなかでも一際大きな社殿だ。近くには御守などの受け渡しがされる施設もある。こちらの正宮に祀られているのは一般的に知られる天照大御神ではなく、豊受大御神と呼ばれる神様で、なんでも食料生産などに関する神様ということ(公式HPより)。天照皇大神が時の天皇の夢にて「飯に困らずに済むのは豊受大御神のお陰なのだから、そちらも祀りなさい」と語りかけたことでこちらの外宮の造営に繋がったそうだ。

伊勢神宮外宮正宮

 伊勢神宮を訪れる上で(というより神社全般で)注意したいことが、神の領域を侵さないことだ。こと伊勢神宮では正宮の鳥居門の内側にはゆめゆめ入らないように気を付けたい。また撮影もご神体が写らないように正面を避け、離れた場所から行うのが良いとかつて聞いたことがある。後者については又聞きに過ぎないが、宗教施設であるため訪問時のマナーには気を付けたいものだ。

 外宮にはいくつかの別宮(摂社)もある。「多賀宮」・「⼟宮」・「⾵宮」そして少し離れた場所にある「月夜見宮」である。せっかく訪問したのだからこちらも忘れずに参詣したい。
 先に述べた3つの別宮は正宮から橋を渡り、階段を上る道中に見つけることができる。

 一方、月夜見宮は一度外宮を出て駅前方面へ向かい、駅から北側へ少し歩いた場所にある。徒歩15分と言ったところであろうか。祀られているのは言わずと知れた月読尊。こちらも比較的アクセスは悪くないので訪問にはオススメだ。

 話を旅の記録に戻そう。別宮へ続く階段はかなり急なものであった。足腰に来る。もしも慣れていないならば少し気を付けた方が良さそうだ。
 境内から出る道の途中には馬小屋があり、ご神馬がいるようなのだが、この時間(夕方5時ごろ)には会うことが出来なかった。


そこそこ急な階段

 外宮を出てこの日の宿に向かう。ゲストハウスでの宿泊で約4000円程度。約15分ほどの散歩の後に到着した。一休みした後に夕食へ。この日は節約のためコンビニ弁当で済ませる。(故に宿泊以降あまり書くこともない)。
 夜10時過ぎには就寝。翌日は正宮方面へと向かう予定だ。そこそこ長くなったので翌日以降は別記事にて記載することにする。


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