Apple IIビデオ出力回路の再構築(12)
コンポジットビデオ出力の工作
記事(6)でいったん保留していたコンポジットビデオ出力端子にL7とC16を追加する工作について説明します.
じつのところこれまで紹介してきた再構築回路でも機能的には十分満足できるものでしたので,それでよしとしようと思っていました.ところが記事(6)の図2と図3のコンポジットビデオ出力回路をよく眺めてい,はたと閃きました.Rev4ではビデオレベルを調整する可変抵抗R11 からのラインがR10を経てストレートにコンポジットビデオ出力端子に繋がっています.いっぽうのRFIではR10を経てL7(フェライトコア)が直列につながり,コンポジットビデオ出力端子の手前で分岐してC16を経てGNDに落ちています.「出力端子にちょっと工作するだけでかっこよく仕上がる!」と思えばこそさっそく道具箱に手をのばしています.
その思いつき工作を写真1に示します.メインボードで"VIDEO"ラインは出力端子の内側の金属プレートにつながっており,基板近くでは細くなっています.なんとも都合よくフェライトコアの穴を通るほどの幅です.フェライトコアはストックの中に使えそうなものがありました.そこでメインボードの"VIDEO"のハンダを溶かし,シリンダ式吸引器で除去します.金属プレートをラジオペンチなどで慎重に持ち上げて端子を浮かせ,フェライトコアを通して元通りはんだ付けします.なおこのビデオ出力端子は40年ものですので劣化が著しいはずですので,くれぐれも破損しないよう注意が必要です.
つづいてC16はビデオ出力端子のシグナルとGNDのあいだをブリッジするだけで,写真1のように2ヶ所ではんだ付けして完成です.シンプルに仕上げることができました.
以上でApple IIビデオ出力回路の再構築は一段落です.
これからの記事について
ビデオ出力回路の再構築について12回に分けて書いてきました.
これらは,Facebookのグループ”Apple II Enthusiasts”でこの工作を紹介した投稿に対し詳しい記事を作成してほしいという要望があり,まとめていたものを書き改めたものです.2年まえに作成したその記事は先方の都合により未公開となっています.
もとになる原稿が手元にあるという事情もあり連続投稿ができましたが,記事を公開する経験は楽しいものでした.そこで今後も不定期ではありますがこのあとも記事を公開していこうと考えています.
記事のテーマとしては, Apple IIの周辺機器,
・ジョイスティック
・トラックパッド
・タッチスクリーン
があります.またレストア関連として,
・キーボードの再構築
もあります.これらを整理しつつまとめていきます.
その他,その時々に書きたい話題があれば,それらをはさんで記事を公開していく考えです.
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