『ガラスの動物園』感想
SNSに載せるようなことではないのですが、なんとなく記録しておきたかったので。生意気に的はずれなこと書いてるかもしれませんが、怒らないで。興味のない方はスルーしちゃってください。
イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出『ガラスの動物園』新国立劇場
2022年10月2日(日)13時
アマンダと喧嘩した夜、トムがローラを抱っこしながらマジックの話をするシーン、トム、寂しいんだな…と感じてなんだか泣けてしまった。ああいうの、いいなぁ。そしたら最後のモノローグでも同じ構図が出てきて、姉の思い出を抱えて生きていったことがよくわかる演出だった。
ホーヴェさんの演出は女性がいつも現代的。『オセロー』のデスデモーナしかり、ローラしかり。ローラがフツーのワガママな女の子に見えて面白かった。障がいのせいで消極的になったのに加えて、ママの期待が大きくて、ママには過剰に引っ込み思案に見えてしまっている。ちょっと引きこもりたくて何年もニートしてる大人子どもなんてたくさんいるもの。
イザベル・ユポールさん「こんなママいやだ!」をユーモラスに、でも力強く演じていて素敵だった。最後、そんなに泣くの?と笑ってしまうけど、それだけ不安で悔しいんだな、と感じた。
『ガラスの動物園』って、「なんて惨めなボクたち!」ってセンチメンタルなイメージしかなかったけど、今回の作品はそれでも希望がある気がした。ママは泣き止んだら、再びローラに新しい夫を探し出しそうだったし、ローラもどっかで「見返してやる!」って外に出ていけるんじゃないか、そんな風に感じた。
大体ジムよ、いいムード作ってキスしてきて、挙句「僕フィアンセいるけど、僕のアドバイス忘れないでね」って何様ですか。オメーのアドバイスなんかクソ喰らえだよ!!!(でも自信はもてたよ、ありがとう)って思っちゃった。
だからこそ、思い出の中にいないで、「ローラ、ロウソクの火を消せよ」ってことなのかなぁ、なんて。
コミカルだったり、パワフルだったり、そしてもちろん繊細で泣けて。面白かったです。
序盤がサクサク進んで、テキレジの鮮やかさもカッコよかったな。後半のみんなのこころの動きがよく見えてくる。テンポってそうやって作るのね…
劇場内には『アイーダ』や『くるみ割り人形』のセットや衣装が展示されていて、施設内を歩くだけで楽しかったな。