渡西阿備忘録 #1 飛行機に乗れない。
午前8時に家を出た。
空港まで見送りに来てくれるのは、母親だけだったから
父親には、「死ぬなよ!」とだけ言って家を出た。
伊丹空港のチェックインカウンターに着いた。
こんな時期に海外に行く人なんていないので、
国際便であることを告げるだけで、CAさんは特別使いをしてくれた。
飛行機は、
伊丹空港→羽田空港→成田空港→タイ→エチオピア→トーゴ
の予定だった。
カウンターで予約表を見せると、中の方がザワザワ…
((国際便だからかな?))
((新人さんなのかな?))
気になることは
数日前に届いた、タイからの飛行機が欠航になり、1日後の便に変更になったこと。
ドキドキしながら待っているけれど、奥からどんどん上司が呼ばれてくる。
どう見ても、あまり良い状況とは言えなさそう。
なにが問題かを聞いてみると、
どうやらタイに24時間以上滞在する場合は、一度入国する必要があるようで
それには、陰性証明書・入国許可証・保険加入証明書など
きっと2週間目から準備をしないといけないであろう書類が必要だというのだ。
((ん、???))
え、だって、変更のメールきたの、3日前とかだったけど。
もし、それが必要になることを知ってたとしても、準備できないじゃん。
ここから約1時間くらいCAさんに、現地でどうにか頑張るから、
どうにか飛行機に来せてくれ。と押し問答を繰り返したことも、
予約サイトのカスタマーセンターのカタコトな日本語の話すお姉さんと
ほぼ喧嘩のようなキャンセル料の交渉をしたことも
その98%を割愛すると、、。
とりあえず、東京までの飛行機には乗せてくれることになった。
羽田から、成田まで行って、成田空港でどうにかするから。と、
CAさんと、母親を押し切った。
(私を含め、全員が“どうにかする”とは???と思っていた。)
でもだって、この日の為に、この数ヶ月準備をして
たくさんの人に、『いってらっしゃい』と言ってもらったのに、
その日のうちに飛行機に乗れなくて帰るなんて、そんなにみっともないことはなかった。
チェックインが済み、CAさんに心配の目線を送られながら、
手荷物検査の前で母親と別れた。
不安で胸がいっぱいで、なんとも後も後味が悪いバイバイだったけど、
お母さんも、あんなに心配しながら娘を見送ったことは無かっただろう。
とにかく旅が始まった。
アフリカへ行く予定なのに、東京までしか確定していない。
前途多難すぎる、旅が始まった。
※写真は空港のカウウンターに貼ってあった、これからの数週間の主食になるであろうヤムイモ
ナツをもっとアカルくするエネルギーになります!