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白駒池の伝説 —— 【やゑのタビタビ散歩】第6号完全版
明治温泉スタッフ、ヤヱです。
秋分を超えて、清々しい空気が流れてきましたね。
また秋のシーズンが近づく中、わたしは去年働いていた白駒池の紅葉を思い返していました。明治温泉からさらに八ヶ岳をあがっていったところにある白駒池は日本で一番高いところにある湖(標高2000m以上で最大)であり、女神と白い馬の住んでいる場所だと言われています。
今日ご紹介するのは、この白駒池の民話について。なんとそれも温泉にまつわるお話です。
昔々、病気の長者とその娘が、八ヶ岳の中山峠に暮らしていました。ある日、女神から使わされた白い馬が尋ねてきて、わたしの背に乗り黄色い花を探せば父の病気は治るだろうと言います。ただし、場所を教えるかわりに決して元の家へ帰ってはいけない。父親と同じように病気で苦しむ人を救ってあげなさい――。
娘は言われた通り八ヶ岳じゅうを探しましたが、それらしいものはなく帰ろうとしたその時、現れたのは黄色い湯の花だったのです。
温泉に浸かるうちに父の病気はすっかりよくなり、よその病人も連れてきて生活していましたが、ここでの暮らしはあまりに厳しく、つい悪いと思いながらも元の家へ引き上げてしまいました。
そしてある日の夜明け、表の戸をドンドン叩く者がおり開けてみると、いつかの白駒が立っていました。娘は、すうっと、ひとりでに馬の背中に乗せられ山の頂へかけていきます。そうしてひらけたところにあったのは、しーんと静まり返った一つの池。白駒は山中にしみこむように鋭くいなないたかと思うと、娘を乗せたまま、サブンと池の中へ消えてしまいました。
少し悲しいお話ですが、わたしはこの話に強く惹きつけるられるものがあると思いました。今思うと、明治温泉で働き始めたのもこの民話が一つのきっかけだったような気もします。
温泉という地から湧き出るエネルギーがあるのなら、地へと映り、潜り込んでいく存在がある。白駒池の伝説には二種類あり、今回紹介したのは諏訪に伝わっている話ですが、八ヶ岳の反対側、柵で伝わってる話もとても面白いです。ぜひ調べてみてください。
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みんなの明治温泉 2024年9月
長野県茅野市の奥蓼科温泉郷にある明治温泉のスタッフが、温泉や地域の魅力などを語ります!
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