【明治大学編入学体験記】文学部心理社会学科(社会学系)
1,編入受験を決める以前の事(大学1年4月~9月)
現役時代の受験は不本意な結果に終わりました。そのため、浪人や仮面浪人をしようと何度も考えましたが、当時の私には浪人する勇気はなく、合格をもらえた大学に入学しました。入学後もやはり心残りは消えずに、前在籍大学で学ぶ中で、環境を変えたいと思う気持ちは強まっていきました。学歴はもちろんのこと、自分の本当に学びたいことを専門的に学べる環境に身を置きたいと改めて考えるようになったのです。それが入学から1ヶ月ほど経った5月のことです。その頃に初めて「編入学」という道があることを知りました。受験形式的にも自分に合っていると感じ、本格的に編入学受験を目指すことを決意しました。
2,編入受験を決めたきっかけ
もちろん学歴コンプレックスの解消も、編入学の1つのきっかけと言えます。しかし、それ以上にジェンダー・セクシュアリティに強い興味を持つようになったことが大きなきっかけです。前在籍大学では、商学系を専攻にしていたのですが、一般教養科目で履修した「文化人類学」の授業にとても惹かれました。そこでは、自分が全く知らなかった世界の多様な婚姻形態を学びました。自分が当たり前と考えていた婚姻の在り方は絶対的でないことに気づかされたと同時に、ジェンダーの視点を学ぶ機会になりました。当たり前を疑う社会学的なものの見方、そのなかでもとくにジェンダーの視点に興味をもち、より専門的に学びたいと考えました。このことが編入受験の1番の契機だと感じています。
3,受験生活
受験を決意してから(5~7月)は、英語を中心に勉強を始めました。その一方で、面接や小論文などの勉強は独学では厳しいと感じ、後回しになっていました。本気で編入学を考えていたので、自分にプレッシャーをかける意味でも予備校に入ることを決めました。予備校は7月の夏期講習から通い始めました。予備校は想像以上に高額で、夏期講習から受験までの間に40万円ほどかかりました。親に誠意を見せるために、その半額をアルバイトで稼ぎながら支払いました。
思い返すと辛いことも多くありました。「大学に通学しつつ、終わり次第アルバイトに向かい、夜は予備校に向かう。」といった生活を約半年続けました。(直前期は編入学に力を入れてアルバイトは控えめでしたが…週一でも気分転換をかねて続けていました。)正直体力的にも、精神的にも追い込まれているなと自分で感じたこともあります。とくに大学のテスト期間と出願期間がどちらも1月頃と被っていたため、その期間の参っていた記憶は強く残っています。それでも諦めず続けられたのは「学びたい」という気持ちが強く、受験勉強自体が苦でなかったことが大きいと考えています。
4,入試当日
試験が始まるまでは、緊張と不安でずっと落ち着きませんでした。どうにか落ち着こうと、試験直前まで自分が作った社会学の「ネタ帳」(「ネタ帳」に関しては、6,勉強法<基礎学力試験>にて詳しく後述する。)を必死に見ていました。それによって緊張がすべて解消されたといえば嘘になるが、「ネタ帳」のおかげで、自分は十分に準備をしてきたという自信を持つことができたように思います。実際試験が始まってからは、落ち着きを取り戻し、問題に集中できました。想定外の問題はなく「いつも通り」取り組むことができたと思います。
5,合格発表
合格発表はインターネットで見ました。自信が全くなかったわけではないですが、やはり見る瞬間は緊張で本当におかしくなりそうでした。(笑)発表を見たい気持ちと見たくない気持ちが葛藤しながらも、予定されていた時間ぴったりにサイトを開きました。自分の番号があったのを見たときは、嬉しいよりもほっとした気持ちのほうが大きかったです。自分の番号があるスクリーンショットを家族や親しい友人に報告する中で少しずつ実感が湧いてきたことを覚えています。それまでに様々な苦労はありましたが、合格を実感してからは「やってよかった!」と心から思えました。
6,勉強法<基礎学力試験>
社会学系統の受験だったので、社会学に関する知識、専門用語を中心に学んでいきました。予備校の授業で登場した知識や用語を、自分なりにノートにまとめ「ネタ帳」を作成しました。その「ネタ帳」をまとめる時間と、隙間時間に見返しながら覚えていくことで、知識のインプットが効率的にできました。インプットと同時に、アウトプットとしてその知識を小論文の中で活用することも忘れてはなりません。(以下、筆者のネタ帳の一部です)
インプットは得意でも、アウトプットである「小論文を書く」という作業を敬遠する人は多いのではないでしょうか。私自身も最初は「自分で800字書き上げるなんて無理だ…」と思っていましたし、勉強し始めた当時は書けていませんでした。それでも、基本的に1日に1本は小論文を書くようにしていました。それは、1から書き上げるだけでなく、一度添削を受けたものを書き直す、あるいは模範の文を書き写すというのも含んでいます。特に勉強し始めの夏ごろは、お手本になる文章をひたすら書き写していました。「ただ書き写すだけ?」と思った人もいるかもしれないですが、これも十分力になることなのです。インプットと並行してアウトプットを前述のようにスモールステップで進めたため、継続できたのだと思っています。
7,勉強法<英語>
英語に関しては、内容として現役時代と大きく変わらない勉強を続けました。具体的には『明治大の英語 (難関校過去問シリーズ)』を中心に、一般入試レベルの問題をコンスタントにこなしていました。文法や単語に関しては、問題を解くというアウトプットだけでは対応できないので、インプットの時間を意識的に設けました。教材としては現役時代から使用していた『英単語ターゲット1900』『英熟語ターゲット 1000』『英文法・語法 Vintage』を引き続き使用しました。また、編入学試験では和訳問題も重要であるので、長文や文法、単語に加えて力を入れました。和訳に関しては、予備校で得られる様々な大学の編入学試験の和訳問題を活用しました。
8,面接対策
面接に関しては、1人で取り組むのが難しいと感じたので、予備校を積極的に活用しました。面接対策を始めたのは12月頃でした。それまでは基礎学力試験や英語の勉強、志望理由書の作成に専念していました。というのも、基礎的な知識や志望理由が固まっていない中では、面接練習をしても形にならないのです。反対に、それらの準備が入念に行われていれば面接はそう難しくないと言えます。
9,試験問題について
基礎学力試験については、自分の研究テーマについて深く考察ができていれば、難しくはないと感じました。英語は和訳や熟語の問題などに少し不安はあったものの、過去問とレベルはさして変わらなかったと思う。大学一般入試(MARCH)レベルの問題で8割程度をコンスタントにとることができていれば、おおむね合格ラインには乗ると思います。
10,合格の決め手
受験に使う社会学に興味を持って、楽しみながら学べたことが大きいと思います。大学に通いながら、アルバイトをしながら…となるとやはり編入学の勉強に何かしらのメリットが感じられないと継続することは難しいです。私は研究テーマに関しても、自分の興味のあるジャニーズとアカデミックな問題を関連させたことで、志望理由書や面接対策も苦になりませんでした。
11,受験生に向けてのメッセージ
ここまで、編入学に関することを自身の体験を交えつつ書いてきました。これはあくまで一人の編入学経験者の意見なので、編入学をしたいと考える方すべてに役立つものではないと思います。そのなかで、少しでも役立った、参考になったと感じていただけていれば幸いです。
最後に…。正しい努力を続ければ、編入学試験は合格できます。情報が少ない分、不安や心配は大きいと思います。その不安を小さくするのは正しい努力の積み重ねです。「そんなことわかっている、それが難しいんだ」と思った方もいらっしゃるでしょう。たしかに、1人で取り組むのは難しいかもしれません。しかし、仲間やサポートしてくれる人が周囲にいたらどうでしょうか。私たちがそのサポートをします。一緒に頑張ってみませんか。