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知られざる(?)「科捜研」の仕事|【理系×公務員】キャリア支援イベント参加レポート(2024/11/26)

大学では、日々いろいろなイベントが行われています。
ある日、大学内のお知らせを見ていると、気になるイベントを発見しました。

就職キャリア支援センターが主催する行事の一覧表。

お気づきになりましたか?

そう、テレビドラマでお馴染みの「科捜研(科学捜査研究所)」のセミナーがあるのです!
知られざる(?)科捜研の裏側・・・公務員志望ならずとも気になります。
 
秋風吹きすさぶ11月、生田キャンパスまで取材に向かいました。




「科捜研って本当にあったんですね!」

今回セミナーを担当していただいたのは、明治大学(農学部・生命科学科)出身の科捜研職員Aさんです。
火曜日の昼休み、生田キャンパスの1室でセミナーは始まります。

「名刺交換すると “科捜研って本当にあったんですね!” と言われることが多いです。私は “科捜研の男です” と名乗ってます(笑)」

警察関係者なので、てっきり怖い人かなと思っていましたが、軽妙な語り口の明るいお兄さんでした。
20名以上集まった学生たちも、熱心に耳を傾けています。 

警視庁警察庁の違いはご存知ですか? 警視庁は東京都の捜査機関、警察庁は国の機関です。科捜研は各都道府県の警察本部に設置されています。」

Aさんの所属は警視庁の科捜研です。東京都なので人数規模は大きいですが、それでも毎年採用があるとは限らないそうです。科捜研に入りたくて、全国各地の科捜研の採用試験を受けたり、大学院に進学して求人が出るのを待ったりする方もいるのだとか。


ミッションは「犯罪事実の科学的立証」

科捜研職員採用には、専門区分が5つあります。

Aさんが所属するのは「法医」分野。体液の分析などを扱うそうです。

「法医」→ 体液検査・DNA鑑定
「化学」→ 違法薬物・工業製品
「物理」→ 画像鑑定・機械事故・鈍器鑑定
「文書」→ 偽造文書
「心理」→ ポリグラフ検査

採用にあたっては、「法医」ならば生物系の学部、「化学」ならば化学系の学部・・・という具合に、出身学部が指定されます。
ただし、「文書」分野に関しては、人文科学系の学部出身者も含まれるなど、幅広いバックグラウンドの方が採用されているそうです。

「科捜研の責務は “犯罪事実の科学的立証”、この10文字に尽きます。」

今回のお話で知ったのですが、刑事ドラマで事件現場から証拠を採取するのは「鑑識」さんであって、科捜研ではないそうです。(全く知りませんでした・・・。)
 
科捜研の仕事は、鑑識が採取した証拠資料を分析・検証し、「鑑定書」を交付することです。

たとえば、現場から「血痕」が採取され、科捜研に鑑定依頼があったとします。
 
科捜研は「これは本当に血痕か?」「ヒトの血液か?」「血液型は?」「DNA型は?」等々について分析・検証を行い、鑑定結果を鑑定書として交付します。

鑑定書は裁判の証拠書類にもなります。場合によっては、鑑定を担当した科捜研職員が、裁判で証言することもあるようです。
 
女性も働きやすい仕事なので、生物系の法医科では男女比は半々くらいだそうです。


「研究開発」も大事な仕事

テレビドラマでは、科捜研の職員が事件解決に向けて大活躍する姿が描かれます。
実際の科捜研も事件解決に大きく貢献していますが、ドラマで描かれない部分も大切なようです。

「科捜研の仕事は “鑑定業務” と “研究開発” に分けられます。鑑定業務はドラマで描かれますが、研究開発はドラマでは描かれません。しかし、犯罪の巧妙化や、客観的証拠の重要性が増してきているので、こちらも重要な仕事です。」

Aさんは、科捜研から大学に派遣されて、覚醒剤取り締まりのための技術研究に取り組みました。医学博士の学位を取得しています。

「捜査技術が進歩すると “この技術があると、犯罪をしたら捕まる” という認識が社会に広まります。この認識が犯罪抑止に繋がるので、技術の開発が大切なのです。」

Aさんは、科学技術分野における専門知識・能力を認定する国家資格「技術士」も取得しています。


科捜研を目指すには

科捜研の職員の身分は、各都道府県警察に採用される技術職員(地方公務員)です。
したがって、技術系公務員の採用試験を受験します。
 
受験資格は、基本的に地方公務員と同じです。ただし、募集される専門分野によって出身学部が指定されます。

「法医」・・・医学部・薬学部・獣医学部・理学部・理工学部・農学部 等
「化学」・・・薬学部・理学部・理工学部・農学部 等
「物理」・・・理工学部・工学部 等
「文書」・・・理系全般・人文科学
「心理」・・・心理学部・文学部・教育学部 等

採用試験の内容は、基本的に「教養試験」と「専門試験」ですが、別途「小論文」が課されることも。
 
Aさんは高校生の頃から科捜研に興味を持っていました。高校の先生の勧めもあって、明治大学農学部の生命科学科に進学したそうです。

毎年採用があるとは限らない科捜研。Aさんが就職活動をする時には、幸運にも東京都(警視庁)で募集がありました。その他の公務員試験も受けつつ、Aさんは見事に科捜研の内定を勝ち取りました。
 
科捜研職員に採用されると、最初の1カ月は警察学校に入ります。
その後、科捜研で継続的に研修を受け、入職5年目くらいで一通りの研修が終了し、“一人前” になるイメージだそうです。
 
研修期間は長いですが、それだけ深い専門性が必要で、社会的責任も重い仕事なのだと思いました。

「最後に・・・皆さんの “” は何ですか? 科捜研に入ってからの私の夢は、早く “一人前”になることでした。その後は、大学院に行くことが夢でした。博士号を取ることが、技術士になることが夢でした。今の夢は、JICAの技術専門家として、海外で活躍することです。夢は、どんどん口に出してください。口に出すと、情報が入ってきます。周りが助けてくれます。」

後輩たちへの激励のメッセージで、セミナーは終了しました。


大学のキャリア支援を徹底活用!

明治大学は、就職・キャリアに関する支援が充実している大学として、全国的にも最高レベルの評価を得ています。

今回のセミナーは、明治大学就職キャリア支援センターの膨大な取り組みの中の1つです。
同時期には、こんなイベントも開催していました。(ごく一部です。)

●「留学×就活」成功の秘訣を聞こう!留学経験者による内定者座談会
● グループディスカッション実践会《協力:アクセンチュア》
● 明治大学×農林水産省 OBOGとの座談会《協力:農林水産省》
● デジタルカーが作るスバルの未来 ~NHKのプロジェクトXに出演した本学卒業生が登壇~

外部のイベントに出かけなくても、大学のキャンパス内で、多彩なイベントに参加することができます。お昼休み等の短い時間を有効活用できるのもメリット。業界・職種に関する生きた情報を効率的に得られます。

明治大学の卒業生(校友)が登壇するイベントも多いので、大学での過ごし方や就職活動のノウハウなどもイメージしやすいはずです。
 
このほかにも、キャリアコンサルタントとの個別面談や、企業・自治体の課題に取り組む実践型プログラム、難関国家試験を目指す方向けのサポート機関など、明治大学では手厚いキャリアサポートを提供しています。


イベントやコンテンツの新規情報は、随時Webサイト(明治大学入試総合サイト)やSNSでお知らせしています。
今後も定期的に、受験生や保護者の皆さんの役に立つ情報を発信していきます。
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