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ベース太郎機材レビュー02~t.m.p カスタムOPB~

■隠れた名ギター工房、t.m.pのオリジナルOPBタイプ

どうも!ベース太郎です!
今日は自分が使ってるメインのベースの一本を紹介しようと思います!

前置きはなしにとりあえず本体の写真をドン

t.m.p カスタムOPB

うぉお~
渋い!渋いぞ!
とてもじゃないが、初心者である僕とは不釣り合いな風貌!いいですねぇ。

こちらt.m.pという工房のオリジナルのOPBタイプのベースなのですが、ビルダーの松下さんが実験的に作ったものみたいで、同スペックのプレベは他になさそうなんですよね。姉妹機のジャズベが存在してそうなのですが、見たことはない。
たまたま中古で見つけて、弾いてみたらもうね。気がついたら買っちゃってました。
後ほど改めて音も紹介したいのですが、良い悪いで語るのが難しいんですけど、すごいかっこいい音がするんですよ!
かっこいいというか、渋い?イケオジみたいな音がするwww
ファジーな感触も強く感じるベースですが、弾けば楽しい気分になること間違いなしです!!


さて、音の細かい話をする前に、ベース本体のスペックとかを解説していきたいのですが
みなさんはt.m.pという工房をそもそもご存知でしょうか?
周りに話を聞くと、結構知らない人が多く、もしかしたら少しマイナーな工房なのかもしれません。
ただ、個人的には素晴らしい楽器を作る工房だと思うので、少々t.m.pさんの紹介もさせてください!

t.m.pは松下達也さんという方が設立した個人工房です。
松下さんは1970年代のESPに所属していた技術者で、その後初期頃のムーンの技術責任者をつとめたりしていたそうです。あと、ベスタスクやヤマハにもいた時期があるそうな。
1980年代には燻煙加工(ちょっと前に流行ったローステッドメイプルみたいなやつ)やサークルフレッティングシステムをやってたらしいので、いろいろ研究熱心な方だったみたいです。
その後なんやかんやあり2000年あたりにt.m.pを設立したそうな。
エレキ楽器だけでなく古典楽器などのリペアもやられていたそうな。

t.m.pのブログより抜粋

こんな感じで、確かな経歴と実績、それに見合う腕前を持った、結構すごい工房なんです。

そんなt.m.pが実験的に作ったこのOPB、何が特殊かというと、材の組み合わせが結構特殊なんです。
というのも、これ、中古で26万くらい、新品時はどうやら40万くらいするベースだったようなんですが、ボディのバック材がバスウッドなんですよ。
トップ材にはゼブラが使用されているようです。

バスウッドと言われると、あまり良い印象を持たない方も多いのではないでしょうか?
僕もそのうちの一人でした。なんたって、バスウッドのイメージと言えば安い代替材という印象。
安いグレードのモデルで、アルダーが使用できないから代わりに使われるくらいの印象で、だいたいそういうベースを弾くと「まぁやっぱりアルダーのちゃんとしたやつの方がいいよね」って思っちゃいますよね。
なんかローが物足りないとか、ボディバランスがよくないとか、めっちゃ思いましたよほんと。

でも、こいつを弾いて、そんな世界は一夜にして崩壊しました。
僕は今まで材の名前というくだらないものに縛られた考え方で、視界が狭くなっていたのかもしれない。
そう思うくらい、衝撃の良さでした。

もちろん、バスウッドらしい特性は出ているんです。まずボディが死ぬほど軽いです。このベース、プレベのくせにたしか3.8kgくらいしかありません。バカ軽いです。
なので、音も比較的軽やかですし、バスウッドらしいローもハイも控えめでミッドに寄った、でもミッドも派手さはない地味な特性が出ています。

それだけ聞くと全然良くなさそうじゃないですか。
これが、そうじゃないんですよ。設計の妙ってほんとにあるんですね。驚きます。

僕はプレベの無駄に広がりすぎるローや、変なとこのハイだけ出てトーン上げたままだと謎のカリカリ感が出たりするところとか、結構苦手だったんです。扱いも難しいですしね。
このベースはそれらが絶妙に解消されていて、スッキリした音で十分なローだけを残し、プレベにしては早めなレスポンスで軽やかな演奏ができるようになってます。
また、制作者の松下さんのこだわりだそうなんですが、弦のテンション感が本当に絶妙です。
間違いなく持ってるベースの中で最良の弦のテンション感です。硬すぎず、とても自然に弾くことができます。

トップにはゼブラの大きい木目が
ボディの大部分はバスウッド

ボディが普通のOPBより薄く取られているのも印象的で、ヘッドとのバランスを考えたらバスウッドな時点でかなり軽いですし、薄くしてまで軽量化が必要になるほど重いとは思いません。
そうなると、おそらく狙った音に対してのアプローチなのだと思うのですが、バスウッドを真面目に使うとこんなに素晴らしい楽器になるんだ!と、ほんとに僕はバスウッド再評価が止まりませんでした。バスウッド最高。軽いしね!!

結構薄いネック
驚きの真っ直ぐさなヘッド

こいつはネックも結構薄めで握りやすく、左手の感覚は本当に素晴らしいです。
指板のアールもちょうどよく、プレベあるあるなネックが太く感じる問題(実際太いんだけど)が全くありません。なんて使い勝手の良いプレベなのでしょうか。

指板はローズウッド
ナットは水牛の角

また、松下さんは大のナットこだわり職人だそうで、日々ナット材やマウントの仕方を研究しているそうです。
このベースではナットは水牛の角が使用されていました。
個人的に、ナットはすごい音に影響を与えるパーツだと思っているので、そこにこだわりが深いのはとても信用度が上がってしまいますよね!
指板は王道にローズウッドなんですが、これもいい色ですねぇ。ベーシストはローズ、みんな大好きですよね!


ピックアップはディバイザーのMojotone

ピックアップは、調べたところディバイザーのMojotoneのClassic P-BASSピックアップが採用されているようです。

ヘッドはテレキャスタイプ
なんか書いてある
ブリッジは二本タイプのやつ
ここの角度が整ってるのが好きやねんな

ブリッジサドルは、OPBでよくある二個タイプのやつなんですが、なんかちょっとゴツい。
このタイプ、オクターブ調整とかちょっとめんどくさいので、正直ここはあまり好きじゃないですwww
あと、ネックの調整がボディ側の方でやるタイプなので、ネックはずさないとロッドを回せないのもネック。ネックだけにね。このへんは今度改造でもしようかしら。
ちなみにペグは逆巻きペグになってます。ヴィンテージとか詳しい人にはおなじみだと思いますが、古いタイプの形式ですね!
ただ、意外と逆巻き巻きやすいんだよなぁって、最近思ったりしてますw

ノブはかわいい

最後の紹介ポイントはここ。ノブが木製でかわいいwww
コントロールは普通にボリュームとトーンです。
OPBタイプは細かいトーンコントロールを頑張らないとなかなか使える音にならないですが、こいつはまぁ見た目OPBだけどほぼプレベだし、トーンマックスで全然いい感じ!
アンプで鳴らした音が最高だなぁてベースですね!

■ちょっとだけ音サンプル

さすがに音出さないで終わるのもあれなので、少しだけ音のサンプルを。
普段使ってるエフェクターなどは使わず、バイアスFXのアプリ版で録ったやつにアンシミュだけ乗っかってる感じ。EQはフラットで、なるべく原音のままに。

こういう、軽やかでちょっとバズ感があるような、ファジーさを感じる音なんです。
若々しいモダンでシャキッとした感じとか、パワフルな太さとかとは違うんですが、もし擬人化するならナイスミドルなイケオジなんじゃないかと、そんなフィーリングのベースなんです。

これがアンプから出すと最高なんですよねぇ。

長々と読んでくださった方、ありがとうございます!
また意味もなく初心者のお気持ち長文を投稿してしまいました。
ぜひ生暖かい目で見てください。

いやぁもうね。僕はベースというものがだいぶ好きになってしまって。ライブも音楽も実はさして関心があるわけではないんですが、ベースとベースの音にね、魅了されてしまったんですよ。

だからこれからも、ベースの話が世に少しでも増えればいいなと思いながら、時々こうやってレビューしたりしていこうと思います!

あまねく世界にベースの光を。

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