お茶の水JAZZ祭~半崎美子様インタビュー編~
はじめに
今回で第13回目を迎える『お茶の水JAZZ祭』。二度の延期を経て、オンラインでの開催となりました。例年、明大町づくり道場は『お茶の水JAZZ祭』にて、お客様のご案内や当日のアナウンスなどに携わらせていただいております。
今年はオンラインでの開催となるため、皆さまに『お茶の水JAZZ祭』の魅力をより知っていただけるような取り組みの一つとして、道場生による「『お茶の水JAZZ祭』出演アーティスト様インタビュー」記事を定期的に更新していきます!ぜひ、今後ともよろしくお願いいたします。
第3弾として今回は、『半崎美子氏編』です。
半﨑美子氏とは
・北海道の大学在学中に音楽に目覚め、大学を中退し単身上京、パン屋に住み込みで働きながら曲を書き続けた。
・歌うと会場のどこかで必ず涙を流す人がいる。そんな個性豊かな歌声とメッセージ性に富んだ歌詞、そして生き方そのものに共感する人が全国から集まり、17年間どこにも所属することなく、個人で東京・赤坂BLITZの単独公演を3年連続開催、ソールドアウトさせた。
・人の心に寄り添いながら作る歌は、全国のショッピングモールを回り歌い続け、出会った人々の人生に触れ、涙に触れて、生まれた。
「ショッピングモールの歌姫」として数々のメディアでも取り上げられ話題となり、17年の下積みを経て、2017年4月にメジャーデビュー。
・NHKみんなのうた4-5月の新曲に半﨑美子が書き下ろした「お弁当ばこのうた~あなたへのお手紙」や、「サクラ~卒業できなかった君へ~」など全8品を収録したメジャー1stミニアルバム「うた弁」はロングヒットとなる。同年「第50回日本有線大賞新人賞」を受賞。
・2018年3月、MBS/TBS「情熱大陸」では半﨑美子の生き方や学校訪問の様子が放送され反響を呼ぶ。
11月には東京国際フォーラムホールAでの集大成コンサートを大成功させた。
・2019年5月、「明日への序奏」が教育芸術社より発売の中学生の音楽教材に掲載される。
天童よしみさんへの楽曲提供で話題となった曲「大阪恋時雨」は、2019年、第70回NHK紅白歌合戦でも歌われた。
・自分の歌が自分自身よりも長生きすることを願い、歌が教科書に載ることが一つの夢である。
(JAZZ祭HPより抜粋して引用)
<TOP | 【第13回 お茶の水JAZZ祭 オンライン】 (jazzsai.com)>
人の心を震わせる歌声で、音楽の最前線で活躍されている方です!
今回『お茶の水JAZZ祭』では、One Night Jam Session Band、扇谷研人氏(Key)、齋藤たかし氏(Dr)、宮本將行氏(Ba)、外園一馬氏(Gt)、庵原良司氏(Sax & Key)に参加していただいております。
この度は半崎美子様にご協力いただき、道場生がインタビューさせていただきました!
インタビュー内容
今回のインタビューには、道場生下竹・福壽・田中が担当いたしました。半崎様は2021年度『第13回お茶の水JAZZ祭』に初めてご出演いただいております。
下竹)本日はよろしくお願い致します。
半﨑氏)よろしくお願いします。
~お茶の水JAZZ祭について~
下竹)今回の開催で第13回目となるお茶の水JAZZ祭ですが、改めてJAZZ祭に対する思いをお聞かせください。
半﨑氏)私自身13回目にして初参加させていただきましたが、今回そのお話を頂いて初めてこのJAZZ祭についていろいろ調べていくと、宇崎さんのインタビューなど色々出てきて、「町おこし」っていう要素だけじゃなくて地域や学生さんもしくはその商店街の方と音楽を通して盛り上げていく、今まさに必要なイベントだと感じました。
普段はシンガーソングライターとして曲を書いたり歌っていますが、私からしてもすごくなんかこうジャズって敷居が高くて難しいイメージがありました。けれど宇崎さんが、垣根のないどんなジャンルにもとらわれてないJAZZ祭とお話されていて、JAZZはもちろんですけれど音楽そのものをより身近に感じるイベントであるというのを含めて、参加させていただくことが決まってすごく楽しみでした。
今回は実際にその地域の方と触れ合い、お客様と対峙して歌を届けることはできなかったですけれども、オンラインならではの繋がり方が出来るなっていう楽しみもありました。
下竹)私自身オンラインお茶の水JAZZ祭に半﨑美子様が出演されると聞き、YouTubeなどで拝見させていただきましたが、本当に感動する歌声で、思い出すだけで心が震えました… (泣)
半﨑氏)嬉しいです!!ありがとうございます!
下竹)今回初めてお茶の水JAZZ祭に参加されたと伺っておりますが、参加しようと思ったきっかけを教えてください。
半﨑氏)「サンデー毎日」という雑誌の阿木燿子さんの連載取材で一緒に対談をさせていただいたのですけれども、その時初めていろいろとお話しさせて頂いて、そこで阿木さんからJAZZ祭のお話を聞いていて、いつか参加できたらいいなー!と思っていましたね。その後その対談が終わってからご連絡をいただきまして、是非出演したいです!ということで今回参加させていただきました。
下竹)お茶の水JAZZ祭は我々明大町づくり道場が発足したきっかけとなるイベントですので、半﨑様がJAZZ祭のことを聞き、出演したいと考えてくれて嬉しいです!
~オンラインでの収録について~
福壽)今年度はオンライン開催となりましたが、その中で感じたことや思いがあれば教えていただきたいです。
半﨑氏)これまでのJAZZ祭をオンライン以外で参加させていただいたことがないので分からない部分が多いですけども、やっぱり町おこしということを考えても皆さんが集える場所で、生の音楽を共有することや、分かち合うことが醍醐味だと思いますし、このイベントの核となる部分なので、対面で出来なかったということはすごく残念なことだったと思います。
だからといって、じゃあもう今年はやめようということではなく、こういうオンラインの形でも続けるということにすごく意味合いの深さを感じます。これまで現地に足を運ぶことが出来なかった人などが、オンラインであれば参加できるということも十分にあると思うので、そういう部分としては、第13回目として私は今回初めて出演しますが、一つまた新たな続け方というものが構築されていくのは今後にとっても素敵なことだなという風に思いました。
福壽)コロナ禍で、オンライン開催の音楽イベントやコンサートが増えたことで、今までとは大きく変化したことや、大変になったことはございますか。
半﨑氏)私自身でいうと、お客様の反応や空気感が掴めないということがあったり、一曲一曲が終わった後に普通だったら拍手を頂いてその間合いがあって次の曲にいくという流れがちょっと掴みにくいことがあったりします。ですがそれ以上に観ていただく方たちもすごく大変だと思うんですよね。多分お若い方はZoomなどオンラインに関することは簡単に出来ると思いますけど、私はそういったものにすごく疎いですし、オンラインでログインなどの作業がすごく苦手なんですよね。だから多分お客様も私と同じくらいの年齢の人や、私以上の年代の方たちは、チケットの購入だとか、観るだけでもすごく難しいと思います。
そういう意味では、観ていただく方たちにとってハードルを感じてしまいます。私自身も自分のコンサートはもちろん、他のオンラインのコンサートや、このONLINEお茶の水JAZZ祭のチケットをどのように購入したら観られるかなとトライしましたが難しいです。最初はすごく大変だなと思いました。
福壽)私自身も昨年から、オンラインでアーティストのコンサートをたくさん観るようになったのですが、それでも未だに難しいと感じる時もたくさんあるので、今の半﨑様のお話にすごく共感しました。
半﨑氏)えー!そうなんですね!他の皆さんはどうですか?
田中)僕は以前までは結構コンサートとか行っていましたが、今ではそういうのも無くなって、昨年唯一参加したのがオンラインでのコンサートで、そこでいつもと違った空気感を感じました。
半﨑氏)北海道に住んでいる私の母にも、オンラインライブの説明に苦戦したので、いかに届ける側がシンプルに誘導できるか、シンプルにチケットを購入してもらうかとういことをしっかりと考えなければならないと思いますね。
福壽)反対にオンラインで音楽イベントやコンサートが増えたことにより、良かったと思われることはございますか。
半﨑氏)私のコンサートにも言えることですけど、これまで私自身はショッピングモールや、コンサート会場、学校、病院などで、直接歌を届けに行くということをとても大事にしていたので、直接対話ができないということの歯がゆさをかんじることがありました。
しかし逆にこれまでなかなかコンサートに足を運べなかった方、それは仕事の都合だったり、金銭的なものだったり、お住いの場所であったりとか、あとは小さいお子様を連れている方だったり、他には病室で観ていましたという方もいらっしゃったりということで、そういう意味でどの場所でも時間帯を含めて自由に観ていただけるということで、やっと私のライブを観ることができましたという声もいただいたんですよね。だからこそ、すごくやって良かったなと思いますし、それまではオンラインというものに対して私自身も距離を置いていて、直接届けることが大事というポリシーがあったんですけど、オンラインですることは、妥協案のようなものではなくて、新たな可能性を感じました。今後、直接届けられる形になっても両軸でやっていけたら、普段届けられない人達にも届けることができるのではないかと思います。また実際に、台湾やカンボジアから観てくださる方もいて、それもこれまでにはないことだったので、そういう意味では、プラスに働いているなと思います。
福壽)オンラインになったことで、マイナスになってしまったこともある一方で、アーティストである半﨑様から、一視聴者ある私たちとはまた異なる視点からプラスになったことをお聞きすることができ、すごく興味深く感じることができました。
半﨑氏)このJAZZ祭は一か月アーカイブがあるので、この日予定がある方でもいつでも好きな時に何度でも観られるメリットがありますよね。
福壽)収録の際に、思い出深いエピソードなどございましたら教えていただきたいです。
半﨑氏)私の収録日の前日に出演者の小野リサさんの収録があり、私は我慢できずに観に行ったんですけど、客席で小野リサさんのライブを堪能でき、スペシャルな時間を過ごさせていただきました。その素晴らしいライブを体感しながら、自分自身も翌日の収録のイメージトレーニングをしました。そこですごく良い経験をさせていただきました。
また自分のステージも、無観客と思っていたんですけど、宇崎竜童さんがずっと最初から最後まで客席で観てくださっていたんですよね。それが本当にありがたくて光栄ですし、本来であれば感じる客席のエネルギーを宇崎さんお1人が届けてくれました。普段でしたら、カメラの向こう側の人達を思い描いながら収録するんですけど、既に受け取ってくれる方がいて、それがこれまでずっとJAZZ祭を築いてきた宇崎さんだったので、ある意味緊張感はあったんですけど、安心感の中で収録させていただくことが出来ました。
~自粛期間について~
下竹)現在コロナ禍という状況ですが、自粛期間中の活動、また新たに始めたことなどお聞かせください。
半﨑氏)今学校公演とか大事にしているショッピングモールの公演がなかなか再開できなくて、コンサートに関しては2月末からストップしていたものが昨年9月から大体再開し始めました。
それまでっていうのは、例えば時間ができたので私のファンクラブの方に、これまではなかなか時間をかけて何かすることができなかったので、この機会にと思ってお葉書を一人一人に宛名を書いてお送りしたり…
下竹)ファンの方全員に!(驚)
半﨑氏)はいそうです!(笑)
下竹)それはすごいですね!
半﨑氏)最初やってみようと思ったら結構時間かかりました。(笑)
10日間くらい朝から晩まで書き続けました。お一人お一人、例えば福井県のここにお住まいの方がいるだとか、実は鳥取県にこんなにファンの方がいてくれたとか、一人で勝手に地名とかわからない漢字とか調べてすごくいい時間でした。
原点に立ち返るというかなんか、コンサートが開催できないっていうことだけで言うとマイナスな要素として考えられるんですけど、今多少コンサートがストップしたとしてもコンサートの再開を心待ちにしてくれていたり、私の歌で支えられていると言ってくれる人がいるっていうそのありがたさを改めて感じましたね。
私が歌手になりたくて北海道から上京した20年前、その頃は私の歌を必要としてくれる人はいなかったですし、まして歌える場所もなかったので、誰かに歌を聴いてほしくて仕方ない!と歌える場所を探し回っていました。
直接的に触れることはできなくても音楽や歌は心に触れることはできるので、そういう意味で音楽をあらためて見つめ直しました。
下竹)とても素晴らしい活動をなさっていますね!葉書もらった人は本当に嬉しいと思います!
半﨑氏)ありがとうございます! お部屋に飾っています!など、お返事もたくさんきました。
下竹)オンライン開催にはプラスの面とマイナスの面があると仰ってましたが、オンライン活動を余儀なくされている中、これから音楽活動はどのように変化していくものとお考えでしょうか。
半﨑氏)そうですね...今こういう状況でより「リアル」の価値っていうのが高まると思ってはいるんですよね。今ってその歓声とか熱狂とかが奪われて、みんなで汗をかいてもみくちゃになって音楽に没頭するとか、そういう時間っていうのが今ない状態で、近くで音を感じるような時間の価値が高まっていくと思います。
ただやっぱりオンラインの便利さっていうのに慣れていっても、リアルにつながることを最終的に求めると思うんですよね。
そういう意味ではコロナが落ち着いて自由にこれまでと同じようになっていたとしたら、よりその重要性というか、自分たちが大切にしてきたものとか何に支えられてきたかっていうのに今私たちが気づいている状態だとしたら、なんかよりこう繋がりが深くなるんじゃないかなと思います。
私自身がやっていることは、例えば卒業式に歌いに行くっていう企画だったり学校に卒業式以外もなんですけど歌を届ける活動をずっとしてたんですけど、今年はそれが出来なくて、去年の卒業式はちょうど2月3月ぐらいだったので8校行く予定だったのが3校行ってストップになっちゃったんですよね
今年はもう一校も行ってないんですけど、そんな中でもできることがないかなと探していました。
昨年のコロナ禍で、北海道の小学6年生のももかちゃんという子が、先生にサプライズで私の曲「明日への序奏」の替え歌で先生の名前とか入れてみんなで作っただけどそれが届けることができなくなってしまったっていうメッセージをくれて、そのももかちゃんに電話して、何かできないかなと思ってその私がその替え歌を録音してそれをお送りしたら、実際にそれを卒業式でサプライズで放送してプレゼントしたっていうお話があったんですよね。
すごく喜んでくれたので、直接歌いに行けなくてもこういうことで私が役に立てる事ってあるんだなと思って、今年の卒業式のシーズンはそのあなたのメッセージを歌にしますと言うことでその先生や生徒さん達が想いを綴って、それを私が歌にしてプレゼントしますという形にしました。それを卒業式で流したり送りたい先生へサプライズプレゼントしてくれたようです。六校分の歌を作ってお送りしました。
歌いに行けない分、違う形でお手伝いできたらと思っていましたが、お陰で私も家でピアノや歌を録音して送れるシステムを作れました(笑)
下竹)みんなのメッセージを歌にするというのは、とても新しい取り組みですね。
半﨑氏)私も初めての取り組みでした!
自分の歌詞にメロディーをつけることしか経験がなかったのですごく面白かったです。
~その他~
田中)気分転換で行く場所などありますか。
半﨑氏)歩くのが好きなので緑のあるところ、川沿いや近所を散歩することが多いですね。家の鉢植でも、土や自然に触れることは心のリラックスにつながります。
田中)御茶ノ水での思い出のエピソードがありましたら教えてください。
半﨑氏)御茶ノ水は、ギターを買いました!
いつだったかな、結構前なんですけど、私は曲作りに関して言うと一応ピアノで書いてるんですけど、ピアノだとすぐにどこかへ行って歌うということが難しくて、でもギターだと持ち歩けるし、いつかギターで曲を書いてみたいなと思っていたんですよね。楽器といえば御茶ノ水なので御茶ノ水のお店色々回っていました。ただ何にもギターの知識もなければ、全く弾けないし、その特性なども分からなかったので、ギターのお店の店員さん頼みで話を聞きながらいくつかお店を回って買ったんですけど、かわいくて小ぶりのギターを進めてくださったんですね。お金もなかったのでその中でも価格の安いギターを購入しました。うまくなったら高いのを買いに来ますと宣言しつつ行ってないんですけど(笑)
福壽)どこのお店なんですか?
半﨑氏)色々回ってちょっと思い出せないんですけど、今度御茶ノ水を歩いて思い出して見ようと思います(笑)
田中)御茶ノ水という街について、エピソードだったりはありますか。
半﨑氏)あの町は日常的に音楽があるというのを、降り立った時からすぐに感じるのですごく好きなんです。楽器店をまわって見ているだけでも楽しいですよね。大学がある街ってすごく活気があるし地域との関わりが深いというイメージがあるんですよね。文化的な側面もあって私も明治大学に行きたいなって思いました。
実は明大前に住んでたんですよ!
下竹)明治大学文系は1、2年時には明大前の和泉キャンパスに行くので、私たちにとっても馴染みのある街ですね!
半﨑氏)そうなんですね!
明大前は学生さんが多くて活気のある町でしたね!
田中)最後に今回のお茶の水JAZZ祭の見どころを教えてください。
半﨑氏)私自身はもともとjazzの知識もなかったですが、宇崎さんがジャズというものはジャンルにとらわれないフリーなものである、すべてがジャズだということを言ってくださって、有り難く出演させていただいたんです。ユッコ・ミラーさんのようなバリバリのジャズの方でとてもキュートで演奏がすごく刺激的な方もいらっしゃって、私のようなジャズってわけでもないですけど、でも精神はジャズみたいな感じで自分自身の歌をジャズテイストでアレンジしながらも半崎美子らしい形のジャズセッションバンドとお届けするようなライブがあったり、加えて小野リサさんのような独特な声、あの声は本音に心が震えますし、オンラインで聞いても変わらず感動します。いろんなバリエーションの中でじっくり楽しめるジャズ祭だと私は思っていますし、価格的にも気軽に見ることができるとっても素敵なイベントで様々な方たちが交われる一つの場だと思います。
14回はさらにパワーアップしていると思うので、現地でグルーヴを感じられたらと思います。
終わりに
いかがでしたでしょうか。こちらのインタビュー記事を見て、半崎様の新たな魅力やJAZZ祭の魅力を発見して頂けるような記事とすることができていたなら幸いでございます。
JAZZ祭はご購入先のチケット会社様によっては、期間中繰り返し視聴して頂くことが可能ですので、一度ご覧になられた方でも、何度でも新たな感動をお届けできるような記事作成を目指していきます!
次回のインタビュー記事は宇崎竜童様後編です。
是非ご覧下さい。
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