偽神インペラトルの正体②黒潮と宗教戦争
注意事項
このページでは鳴潮2.0リナシータ編の重大なネタバレを含みます。
また今後の展開予想も含まれるためご注意ください。
(リーク情報は含まれません、全て作中情報による考察です)
はじめに
本記事は前回に上げた偽神インペラトル考察記事の続きです。
本記事からはゲーム内ではまだ直接言及されていないリナシータの過去の内容が増えてきます。そのためゲーム内テキストやPV映像などから根拠を取り切れないことも多く、マップやフィールドの情報からの推理も重要なソースとして取り入れていきます。
ただそういった情報は明示的でないため、分かりやすくするために「私はこういう風に情報を整理しているよ」という点から解説をはじめたいと思います。
リナシータの歴史区分
リナシータを考察する上では歴史区分が欠かせません。というのもリナシータでは壊滅と再生が何度か起きていて、そのたびに文化や政治体制がリセットされ、切り替わるという現象が起きているからです。
私はリナシータの歴史区分を4つに分ける形で認識しています。
各時代ごとの出来事を簡単に説明します。
古代リナシータ
1.千島文明が悲鳴により崩壊して方舟の先住民が避難開始
2.天外の音と灯台に導かれ方舟船団がリナシータに到着
3.リナシータ建国
4.フィサリアファミリーがソーンクラウンタワーを建設
5.何らかの要因でインペラトルが姿を消す
6.最初の黒潮でラグーナ城が半壊し霞立つ水境になる
中世リナシータ(前期)
1.ラグーナ内で信仰が二つに分かれる
2.二つのインペラトル(馬と魚)の発生
3.宗教戦争の勃発
4.2回目の黒潮が発生
中世リナシータ(後期)
1.ナポリ2世が馬のインペラトルに謁見する
2.ランタンデバイスにより黒潮を制御し公共音骸を成立させる
3.現ラグーナに移住し、隠海教団による統治が開始される
4.エグラの街やポリュペーモス・ウインドミルスが建設される
5.カルテジアが誕生
6.月桂冠を受けカルテジアが聖女フルールドリスに
7.聖女統治時代(短い期間)
8.3回目の黒潮が発生
9.聖女フルールドリスと侍祭フェンリコが高天の座に向かう
10.馬と魚のインペラトルの融合、カルテジアによる封印
11.フェンリコだけが帰還し主座となる
現代リナシータ
1.主座フェンリコによる弾圧政治の開始
2.教団に反発する騎士団や愚者が粛清される
3.10年前のカルネヴァーレの悲劇
4.モンテリファミリーとフィサリアファミリーの抗争
5.今回のカルネヴァーレの開催
6.漂泊者来訪(ver2.0ストーリー)
7.(おそらく今後)鳴式レビヤタンが復活し、最後の波が起こる
まとめ
私の考察シリーズを見ていただいている方だと分かりやすいかもしれませんが、私が「こうじゃないかな~」と思っている時系列は上記のようになります。そして前回までの考察では主に「現代リナシータ」と「中世リナシータ(後期)」がメインでした。今回の考察から「中世リナシータ(前期)」に入っていきます。そこに馬と魚のルーツがあるからです。
また時代区分を見ていただくと分かるように、リナシータの歴史は黒潮により区切られています。黒潮により壊滅し、形を変えて再生する。リナシータ(Rinascita)とは再生という意味であり、壊滅と再生の繰り返しがリナシータの歴史ということになります。
そのため「黒潮がどこでどのように起こった」かが考察する上で重要になってきます。
そして全ての情報を整理した上で、最後に残るのが古代リナシータの秘密になります。漂泊者がリナシータに来た目的は歳主インペラトルであり、その秘密は古代にまで遡らないと見えないため、現代から過去へと向かっていく、そして真実を知り、最後に本当の未来が拓ける、というのがリナシータのストーリーの構造なのではないかと考えています。
黒潮の疑問点
1.説明の矛盾
ではこの重要な黒潮とはいったいどんなものでしょうか。
まずは万物図鑑を見てみましょう。
このTIPSを読んだ時に???が頭に浮かんだ人はストーリーをちゃんと読んでいる人です。というのも主座フェンリコの説明と全く異なることが書かれているからです。
ではどちらかが嘘を吐いているのでしょうか?
私はそうではないと考えています。
しかし前回の考察でも触れましたが「~であるという」というように伝聞調で書いてあったり「教団の記録では~」というような表記の場合は事実ではないことが書いてあると思います。
よって万物図鑑ですと黄色い部分は事実だが、赤い部分は伝承なので虚偽である可能性が高いです。
では万物図鑑と主座フェンリコの説明を合わせるとどのようなるのでしょうか。これはつまり「かつて上空でインペラトルが負傷した(或いは現在進行形で負傷している)」ということです。
2.黒潮の発生場所に関する疑問
では黒潮はどこで起こっているのでしょうか?
万物図鑑では黒潮が起こった場所には無音区が出来ると書いています。
おお、これで場所がしぼれますね!早速見てみましょう!
ストランド、そしてラストブレスショアですね!
はい?????
そんな地名はじめて話に出てきたんですけど?
万物図鑑でも各種テキストでも「黒潮は現ラグーナ城近辺で起こった」「黒潮で旧ラグーナ城(ノクターンガーデン)が壊滅した」という話は聞けますが、そちらには無音区はありません。
一方、ストランドとラストブレスショアで黒潮が発生したなんていう話は1ミリもありませんが、無音区があり、何やら壊滅した様相を呈しているわけです。
万物図鑑の説明によると無音区の発生は黒潮が原因です。つまりここで黒潮が起こったことは間違いありません。しかしそうなると先ほどのテキストの赤い部分は明確に嘘であるということになりますね。
何故なら最低でも3回の黒潮が確認できるからです。
・旧ラグーナ城(ノクターンガーデン)を壊滅させた黒潮
・カルテジアの時代の黒潮
・ストランドとラストブレスショアを壊滅させた黒潮
TIPSを伝聞調で書くことでミスリードを誘ってくるこの仕掛けを突破出来ないとリナシータの考察は先に進めないというわけです。中々巧妙ですね。
黒潮の内訳
さて、そういうわけで一度整理が必要ですが、この黒潮はリナシータ最大の秘密にも関わるため非常に煩雑です。なので結論から先に書いていくスタイルを取りたいと思います。
1回目の黒潮
最古の黒潮は旧ラグーナ城(ノクターンガーデン)で起こっていると考えられます。時間軸としては古代に分類される時期です。何故なら旧ラグーナ城周辺の建築様式が最も古いものだからです。
しかし注意していただきたいのは、この最古の黒潮(古代)はナポリ2世の時代の黒潮(中世)とは別です。何故なら以下のような表記があるからです。
水位が上昇するということは、元から雲海が存在したということです。よってノクターンガーデン周辺の黒潮被害は計2回あることになります。
これはノクターンガーデンの歴史を見ても明らかです。
1.最初は旧ラグーナ城でフィサリアの居城だった
2.いつの頃からか神学校に変わった
3.現在はノクターンガーデンとして人が住めない土地に
このように変化していった背景に2度の黒潮被害があるというわけです。
そしてこのような叙述トリックを使用して巧妙に隠蔽している最古の黒潮は、古代リナシータの秘密に迫る鍵のひとつです。しかしそれの詳細は別の機会にしたいと思います。
1回目の黒潮の無音区は?
しかしそうなると疑問が出てきます。
霞立つ水境のいったいどこに無音区はあるのでしょうか?
黒潮跡地であれば無音区がなければなりません。
ところで今回の無音区がソノラ形式なのは皆様お気づきでしょうか。
一方、霞立つ水境にはこのような説明があります。
つまり実は「霞立つ水境全体が無音区」なのではないでしょうか。あの水は海触現象そのものであり、無音区空間そのものであるということです。よってローレライが鎮めたり、私の考えではもう一つ制御機構がありそうですが、そういったもので抑えないと途端に残像が這い出す危険なエリアになるということです。
これほど大規模に無音区を展開出来るのは最早鳴式じゃないかという感じですが、詳細は別の考察記事に回したいと思います。
2回目の黒潮
2回目の黒潮は先ほど新しく登場したストランドとラストブレスショアで発生した黒潮であると考えられます。
私はここで起こった黒潮こそが、例の馬と魚の宗教戦争の際に起こった黒潮であると考えています。
理由は無音区が二つあるからです。
先ほどの黒潮の図を思い出してください。
この図の通りに黒潮が発生するとすると、神血を垂れ流すインペラトルがもし1人だったら無音区も1個しか発生しないはずです。しかし実際には土地を跨ぐ形でストランドとラストブレスショアそれぞれに無音区があります。
ということは神の出血はそれぞれ別の場所で、別の個体によって起こったことになります。
魚のインペラトル→ストランド
馬のインペラトル→ラストブレスショア
こう考えるのが自然でしょう。
ではストランドやラストブレスショアが中世(前期)である根拠はあるでしょうか。建築様式にその答えがあります。
これはラストブレスショアの建物ですが、土台部分と上の部分で建築様式が異なります。土台部分はノクターンガーデン周辺の古い建築様式に近いものです。一方、上の増築部分はレンガと木製で粗悪になっています。
これは技術力が落ちた後世に上の階が増築されたことを示す根拠になります。つまり古代より後の時代(中世)の都市であることが分かるわけです。
ナポリ2世が対処した黒潮
でもそれだとナポリ2世がノクターンガーデンで対処した黒潮はどうなるの?矛盾しない?と思いますよね。ナポリ2世がノクターンガーデンで黒潮を払ったのなら、宗教戦争や黒潮もノクターンガーデンで起こったと考えるのが自然です。
ただ霞立つ水境の説明ではそこまで切羽詰まってないんですよね。
もしノクターンガーデンで宗教戦争が起こり黒潮が発生したなら、悲鳴にも匹敵する大惨事なので、水位が上昇したから移転せざるを得なかったわーというのん気な書き方になるのはやや不自然です。沈む前に死にそうじゃないですか?黒潮が真上で発生していたなら。
隠し書籍の孤独のソラにも水位上昇の件は記載があります。
一方、ストランドとラストブレスショアはさながら地獄そのものです。どちらが黒潮跡地かと言われたら圧倒的にこっちです。
霞立つ水境(ノクターンガーデン周辺)は海水面より低い位置になっています。
そのため、ラストブレスショア側で発生した黒潮が流れ込んでくる可能性はあります。
それによって黒潮の被害がノクターンガーデンにまで多少は到達した、ということであれば、被害度の差なども理解できるような気がします。また黒潮が拡散しやすい海流ということになるので、ラストブレスショアがストランドに比べ比較的明るい理由も分かりますね。
逆にストランド周辺は海流が吹き溜まっていることが示唆されています。
なので未だに黒潮の影響も色濃く、巡礼船もこの海流に巻き込まれると逃げられずにストランドに漂着してしまう、と考えられます。愚者の劇団の隠れ家はストランドからはペニテン島を挟んだ真反対の位置にあるので、黒潮の影響を受けづらく安全なのでしょう。地理的にも合理的な設計がされていることが分かります。
3回目の黒潮
最後の黒潮は、カルテジアの時代に現ラグーナ城が直面した黒潮です。しかしちょうどこれを書いている時にver2.1の予告番組が発表されました。
背景をよく見ると見知った山があります。
これは白い月の森遺跡の北にある山とよく似ています。
場所は大体このあたりです。
クリストフォロが書いた脚本では、ラグーナ城を襲った黒潮は北から来ていると書かれています。
つまりver2.1実装エリアは黒潮の発生源と同じ方角になるということです。でもその割に綺麗じゃないですか?
ただ黒潮は雲の上で発生してどば~っと降ってくるというものらしいので、この2.1で追加される島は全然3回目の黒潮と関係ないということも考えられます。その場合はどこかに悪さをしている雲が別にいるということになりますが…。
これについても機会があればいずれ触れたいと思います。
今回のまとめ
今回はリナシータの歴史区分と黒潮の考察から、馬と魚の宗教戦争の位置を大まかに割り出したものとなります。どこに彼らの国があって、どこに信徒がいたのか分かれば、今度はそのエリアを深堀りしていけば答えに辿り着ける可能性が上がるからです。
実際、ストランドとラストブレスショアには怪しげなものが沢山あります。
次回は馬と魚のインペラトルがどのように発生して宗教戦争に至ったか推理したいと思います。このあたりは現状テキストがほぼゼロなので世界ふしぎ発見みたいになりそうですが、単語やアイテムテキストを細かく拾っていきたいと思います。
さて、毎度のことですが、当考察は現状ある情報を整理して推理しただけのものであり、アップデートによる追加情報などによって解釈が変わったり、私の推理が間違えている可能性もあります。その点はご注意下さい。2.1の情報でどんでん返しがあるかもしれないですし。
長文お読みいただきありがとうございました。