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この世界には終止符のない恋があるんだ

しあわせなとき。

肌を流れる風はふんわりと柔らかく、
身体中が心地よい暖かさに包まれて、
ぽうっ、と心に灯りがともる。

そんな瞬間は人生に何回訪れるんだろう。

人はそんな幸せな時間を忘れることができない。
苦しみや悲しみを忘れることはできるのに、
しあわせな思い出だけは消えないんだ。
消せないんだ。

時には、
大切ななにかを守ろうとして、
自分自身を壊してしまう。

大切なものがなにかを見失いそうになって、
自分自身を理解できなくなる。

大切で大好きで幸せの詰まったものほど、
慎重に、丁寧に、残しておきたいのに。

でもだからこそ、
大切すぎてうまく守れなくて、
壊してしまいそうになって、
辛くて苦しくて大変なんだ。

ずっとずっと大好きで、
ずっとずっと特別で、
決して何にも代えられないから、

ずっとずっと苦しくて、
ずっとずっと消えなくて、
ずっとずっと止まらないんだ。

でもそんな苦しみや哀しみが
スゥーっと消えるときがある。

それはきっと
"すべてを受け入れられるようになった時"

自分の過ちや後悔や、
歓喜や情熱のすべてを
否定も肯定もせずに受け入れた時。

心が柔らかくほぐれて、
また同じように、
しあわせがぽうっと身体じゅうに入ってくる。

あの時の私に間違いはなくて、

今この瞬間に出会ったとしても
きっと恋に落ちてるんだろう。

あの時の後悔も涙も、
苦しみも嫉妬も嫌悪も。

ぜーんぶまるめて
特別は特別のままなんだろう。

全てをありのままに受け入れた時、
またこうして、しあわせに包まれる。

間違いなかった。大好きな人だった。
そしていまも大好きな人。

終止符のない恋ってあるんだね。
きっとずっと好きだよ。
揺らがない特別だよ。

それでも強がって、格好つけて、
もう好きじゃないよ、
なんて言いたくなってしまうね。

特別で、消えない人の香りが
鼻先をかすめていく。

時に間違った道を進んでしまっても、
また戻って笑い合えるときも来るんだ。

消えない熱が灯っていたら、
きっとこうしてまた出会えるんだ。

メルヘンに生きてもいいじゃない。
夢みたいな現実は本当にあるよ。

モヤモヤの霧が晴れ渡って、
とても穏やかな朝を迎えている。

消えることのない幸せの瞬間たちが
ホクホクと心をあたためてくれる。

そしてまたきっと、
わたしは前を向いて歩いてゆける。

#エッセイ  
#恋愛  
#終止符のない恋

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