【漫画原作アイデア】『終極のメシア』シナリオ・設定まとめ
1登場人物
主要人物
◼️主人公 シャイン・エナメル
人間とレプティリアンのハーフ。夢は父親を超える偉大な探検家になること。動物や植物、岩や水などの自然物の意思を感じ取ることができる。しかし、能力主義社会の世の中ではあまり役に立っていない。普段は父親の遺した遺産で何とか食い繋いでいるほど逼迫した生活をしている。何でも信じてしまい、騙されやすいという短所を持つ。嘘をつくのも下手。
◼️ヒロイン エミリー・セイル
エンリルが統治する王国レムリアの王女。シャインの暮らす辺境の国オデッサに流れ着く。王室出身であるにも関わらず、相手を決して差別せず、貧困層に対しても親切に接する優しい性格を持っている。虫と蛇が大嫌いという欠点がある。
◼️サン・エナメル
シャインの父親。伝説の探検家。シャインが赤ん坊だった頃に家を飛び出し、宇宙へ探検に出る。しかし銀河を横断中、謎の通信障害に遭い消息不明になる。
◼️アリス・エナメル
シャインの母親。レプティリアンの女性。元々病弱であり、息子シャインの看病を受けている。少し過保護。
◼️トゥグリル4世
辺境国オデッサの国王。サン・エナメルとは旧い友人同士であり、シャインのことも幼少期から知っている。少しひねくれた性格をしている。魔法や呪いといった類のものを決して信じない現実主義者。
三大賢者
◼️ジング・ロストゲート
革命勢力「ガイア」の中でもトップ3の実力を持つ三人の賢者の一人。風使い。
普段は真面目な性格。たまに優しい。時々自分の意見を相手に押し付けてしまうという短所を持つ。自分の本音を隠すこともしばしば。
◼️カイン・シーカー
三人の賢者の一人。炎使い。おちゃらけた性格を持つお調子者。だが実力は本物。ジングから信頼されている相棒的存在だが、たまに本音を隠すジングに頭を抱えることがある。
◼️アチュラ・ヴァレンティン
三人の賢者の一人。水使い。普段はほとんど無口。膨大な知識を持っている。
眼鏡がないと何も見えない。眼鏡を壊されたらブチ切れて大暴れするという欠点も持つ。他の二人とは違い武器は銃。
アヌンナキ族
◼️アヌ
アヌンナキ族の頂点に立つ長(おさ)。老年が理由で戦場からは引退。星間連合のプロジェクトリーダーの一人として権力を振るっている。また、影の政府のトップとしてヌーナを影から操っている。
◼️キ
アヌの正妻。上半身が人間で下半身が蛇。アヌの強権的なやり方に不満を感じている。
◼️エンリル
アヌの息子で、アヌンナキ族の王子。頭に牛の角がついた冠をしている。東の大国レムリアの統治者でもある。筋肉隆々の体を持ち、肉弾戦を得意とする。人類を滅ぼすための大洪水計画を画策する。
◼️エンキ
アヌの息子で、エンリルの異母兄弟。上半身が人間で下半身が蛇の姿をしている。西の大国アトランティスの統治者。元々アヌンナキ族の王子の地位に就いていたが、エンリルにその地位を奪われてしまう。エンリルの大洪水計画には反対の立場を示し、人類を生かす方法を模索する。
星間連合
◼️セザンテス
星間連合の高官を務めるポジティブ存在。ドラゴンゲートの長官でもある。
世界連合ヌーナ
◼️バシアゴ・デ・ジハード
ヌーナの総監。革命組織ガイアを離脱した三大賢者を追っている。
アシュラ軍
◼️ヴァルキアス・アシュラ
星間連合と争いを続けるネガティブ存在。目的は地球の支配。冷酷な性格で、いくつもの星や銀河を植民地化している。常に鉄仮面で素顔を隠しており、その正体は不明。
2設定用語集
◼️オデッサ
主人公シャインが暮らしている王国。世界の辺境に位置する小国であり、大国アトランティスやレムリアに比べると非常にか弱い国という位置付け。
◼️ヴリル
アヌンナキが遺伝子操作で人類を生み出した際、22種の宇宙存在のDNAが人間の中に入ったことで生まれた力。「六つの標(ヴァヴ・オース)」と呼ばれ、テレポーテーション・テレパシー・レビテーション・サイコメトリー・サイコキネシス・ヒーリングのことを指す。
◼️ポジティブ存在とネガティブ存在
宇宙には2種類の知的生命体が存在する。平和を好むポジティブ存在と、戦争を好むネガティブ存在だ。アヌンナキ族をはじめとする星間連合のメンバーはほとんどがポジティブ存在(一部ネガティブ存在のメンバーもいる)。
◼️星間連合
アシュラ軍などのネガティブ存在から天の川銀河の平和を守っている宇宙存在による巨大組織。目的は宇宙全体の平和の維持。
◼️アヌンナキ族
かつて遺伝子操作技術で人類を創造したポジティブ存在。星間連合のメンバー。発展途上の文明への介入は「宇宙条約」により禁止されていたため、星間連合に罰せられたアヌンナキ族は、その後人類が暴走しないように監視、管理する役目を任せられた。
◼️ヌーナ
星間連合の下部組織であり、地球を統治している世界連合。ヌーナ所属の政治家は、人類の中から選ばれる。本部はレムリア上空のホアドという天宮城にある。
◼️影の政府
世界連合ヌーナを裏から操っている秘密組織。軍需産業や医療利権、金融利権などの既得権益を牛耳る一部のエリートの集合体を指す。その存在は人類に知られないように隠されている。メンバーはアヌンナキ族とその配下のレプティリアンたちで構成されている。エンリルとエンキの実父アヌが組織のトップに立つ。
◼️七つの地域
世界連合ヌーナは、地球を七つの地域に区分し、統治している。七つの地域とは「アスエリア」「イヒンエリア」「ドルークエリア」「ヤクエリア」「イフアンエリア」「オングエリア」「パンエリア」と呼ばれている。
◼️ドラゴンゲート
ヌーナ直属の軍隊。地球の治安を守っている。
◼️シグネチャーカウント
相手の周波数を数値化できる機械。一部の富裕層やヌーナ所属の政治家、そしてドラゴンゲートの高官が所持している。
◼️周波数(または波動)
数値が高ければ高いほど高次元に近い存在となる。相手と10万回/秒以上の差があると、相手を視覚に捉えることすら難しくなる。
◼️フロー状態
誰もが持っている人間の潜在能力を極限まで引き出している状態。この状態の時は時間の流れを忘れ、身体能力や思考力において普段の倍の力を使うことができる。
◼️コーポリアル界とエーテリア界
星間連合には物質の体を持つ存在も精神体の存在も両方参加している。物質世界のことを「コーポリアル界」と呼び、精神世界のことを「エーテリア界」と呼ぶ。地球はコーポリアル界に含まれる。
◼️能力主義社会
地球上の市民の生活は物々交換ならぬ「能力交換」が基本の生活スタイルになっている。何かが必要な時は、自分の得意な能力を相手に提供することで、その対価として望むものを手に入れている。これを「能力主義社会」と呼ぶ。
◼️エレメンタル(精霊)
人類が地球上で発展する以前、このエレメンタルによる文明が地球上で栄えていた。エレメンタルは現在も地球に多く暮らしている。
◼️ジェホヴィの末裔
かつて地球という惑星を創造した四人の偉大な精霊の総称。それぞれ「オルマズド」「エゴクイム」「アゴク」「エロイ」と呼ばれている。
◼️ジェホヴィ
神、またはワンネスと呼ばれている。宇宙そのものであり、宇宙全体に広がる全生命の源。地球人、そして星間連合のメンバーの崇拝の対象とされている。
◼️アトランティス、レムリア、シャンバラ
地球上で最も繁栄している三つの文明。アトランティスはエンキが統治し、レムリアはエンリルが統治している。大陸の中心に位置する国シャンバラは、大量破壊兵器の開発を行っており、ヌーナによって「ならず者国家」に認定されている。
◼️ガイア
革命勢力と呼ばれる謎の集団。影の政府とヌーナの支配から人類を解放することを目的としており、ヌーナからテロ組織に指定されている。
◼️ロスト・リリジョン
目的はガイアと同じだが、やり方が非常に過激。ガイアと違い、革命のためなら民間人への被害も致し方ないという思想を持っている危険な組織。
◼️スターゲイト
長距離間を一瞬で移動できるテクノロジー。利用者の安全を守るため、スターゲイトで行ける場所は、スターゲイトを管理している各国によって設定が異なっている。
3物語のシナリオ・アイデア
第一話
・物語の舞台は1万年以上前の地球・辺境の国オデッサで暮らす主人公シャイン・彼の父親は偉大な探検家だった・しかし、シャインが赤ん坊だった頃に、父親サンエナメルは銀河横断の旅に出た後、謎の通信障害に遭い消息不明となった・シャインの夢は父親を超える偉大な探検家になり、世界中を旅することだった・しかし、動物や植物と会話するという何の役にも立たない能力しか持っていないシャインは、周りの人間から疎まれ、病気の母親を看病しながら、父親が残した遺産で何とか食い繋いでいた・ある日、地球の集合無意識から謎のメッセージと大洪水のビジョンを受け取ったシャイン・父親サンと旧知の仲だったオデッサ国王にメッセージとビジョンの内容を伝えたが、相手にされなかった・しかしその直後に、謎の宇宙船が王宮に隣接する時計塔に激突するという事件が起きた・翌日ドラゴンゲートの高官セザンテスが調査にやってきた・街の市民は、シャインの波動が低いせいでこんな事件を引き寄せたと考え、シャインを非難した・そこに謎の三人組がやってきてシグネチャーカウントをシャインに向けた・その機械によると、シャインの波動を示す数値は非常に高いことが分かった・翌日、海を眺めていたシャインは、浜辺に流れ着いた木箱を開けた・中には同年代くらいの謎の少女が入っていた・彼女の名前はエミリーセイル・レムリアの王女だった・彼女の話によると、過激派組織ロストリリジョンは、人類を創造した宇宙存在アヌンナキ族の王子エンリルが、堕落した人類を滅ぼすための大洪水計画を企てているという情報を掴み、世界連合ヌーナにその計画の中止を要求した・しかしヌーナからの返事がないため、世界各地でテロを起こしたという・先日の宇宙船衝突事件は、ロストリリジョンの仕業だった・エミリーの故郷レムリアでは、エンリル派の軍がクーデターを起こし国王と王妃を拘束した・エミリーの両親である国王と王妃は、捕まる寸前に娘エミリーを木箱に入れて海に流した・そして大陸の中心では、エンリル軍とエンキ軍、そしてエンキ側についている巨人エグリゴリとネフィリムによる小競り合いが起きていた・生き延びたエミリーはエンリルの計画を阻止するため、三大賢者を探していた・三大賢者は、ロストリリジョンとは対照的な穏健派の革命組織ガイアの元メンバーだった・昨日の謎の三人組が三大賢者だと気づいたシャインは、エミリーを王宮まで案内することに・しかしその間に、エミリーを追ってきたエンリル派のレムリア軍がオデッサに上陸し、シャインの自宅を襲っていた・母親の危機を知ったシャインは、エミリーと共に家に引き返した・エミリーを引き渡せば母親の命は救うと兵士に言われたシャインは判断に迷う・すると兵士の手によって母親アリスの首が切り落とされてしまう・目の前で母を殺されたシャインは、自我を失い、第三の目が覚醒し、暴走状態になる・暴走したシャインは、レムリア軍の兵士を襲い、その血肉を喰らい始めた・そこに例の三大賢者がやってきて、残りの兵士は退散を余儀なくされる・シャインは意識を失い倒れた・それからしばらくして、三大賢者とエミリーは、目が覚めたシャインと共に国王のもとを訪ねた・三大賢者の目的は、エンリルの大洪水計画を阻止すること・三大賢者の一人ジングは、国王に大陸に繋がっているスターゲイトを使用する許可をもらった・両親を失ったシャインは選択を迫られていた・三大賢者と共に旅に出るか、島に残るか・母親の魂に心配をかけないため、そして父親を超える偉大な探検家になるという夢を叶えるため、シャインは彼らと共に旅に出ると決めた・最初の目的地は、大陸の入り口に位置する国ポートリア・シャインとエミリーは三人の賢者と共に、世界を救うためスターゲイトをくぐった
第二話
・スターゲイトは安全上の理由で行き先が限られていた・スターゲイトをくぐり荒野に出たシャインたちは、そこから歩いてポートリアを目指すことにした・お互いに出会ったばかりの一行の間に気まずい空気が流れ続ける・エミリーは意を決してシャインに覚醒時のことを質問した・しかし、シャインには覚醒時の記憶が残っていなかった・二人の会話を聞いていたジングは、シャインに秘められている謎の力について、サンエナメルから聞いていることをシャインに伝えるが、それ以上のことは教えてはくれなかった・その後ポートリアへ向かう道中で、エミリーが突然現れたヴァンパイアの一団に拐われてしまう・シャインは今すぐエミリーを助けに行こうとするが、ヴァンパイアの行き先について手掛かりがゼロのため、三大賢者らはエミリーの救出をあきらめていた・そんな賢者たちに失望し、夜の闇に一人で駆け出すシャイン・その頃ヴァンパイアの巣では、エミリーが檻の中に囚われていた・ヴァンパイアたちは若い人間の血肉が久しぶりに手に入ったことに大喜びし、宴会を開いていた・エミリーは何とか自力で逃げようとするが、上手くはいかなかった・その時、ヴァンパイアの巣に三大賢者が乗り込んできた・ヴァンパイアたちは集団で三人に襲いかかるが、ジングらは圧倒的な戦力差をヴァンパイアたちに見せつける・三人の戦闘力の前になす術なく全滅するヴァンパイアたち・解放されたエミリーは、そこにシャインが来ていることが意外で驚いた・三大賢者の話によれば、夜の闇に駆け出したシャインは、木や石、大地などの自然物から情報を聞き取り、エミリーが連れて行かれた場所を探知したのだった・三大賢者は、シャインの自然と会話できるというもう力のおかげでエミリーの居場所を掴めたという・シャインたちにお礼を言うエミリー・するとエミリーは感極まって涙を流し、シャインの母親を巻き込んでしまったことを改めてシャインに謝罪した・「そんなこと気にしていないよ。ジングさんが言った通り、それが母さんの運命だったんだ」とシャインは笑顔で言った・気を取り直した一行は再びポートリアを目指すが、疲労が限界を迎えたシャインはばたりと倒れてしまう
第三話
・シャインを休息させるため、ポートリアの入り口に位置する小さな村を訪れた一行・しかしその村は極度の貧困に苦しめられていた・その村が貧しい理由は、隣の大都市ポートリアにあった・ポートリアの資本家一家が毎月一回村に取り立てに来るという・取り立ての目的は、大陸の中心で起きているエンリル派とエンキ派の争いから街を守るための軍事費を稼ぐことだった・ポートリア政府は一部の資本家と組んで、ポートリア周辺の町村を緩衝地帯にするため支配下においていた・三大賢者たちが村を訪れたその日、資本家バラダイが部下を率いて取り立てにやってきた・三大賢者はバラダイたちを追い払って村人たちから感謝される・その間、村人の家で休んでいたシャインは目を覚ます・シャインを看病していた村人は、シャインの父親サンエナメルの知り合いだった・その村人は、サンが失踪後に謎のメッサージを送ってきたと言う・それはサンエナメルの生存をほのめかす内容だった・それを聞いたシャインは、父親が生存しているわずかな可能性に胸を躍らせた
ポートリア編
・ポートリアは貧困層エリアと富裕層エリアに分かれている・3話目でジングたちに追い払われた資本家バラダイは、三大賢者をこらしめるためアヌンナキ族にレプティリアンの兵士を一人貸すように依頼する・しかしその依頼は断られ、代わりにレムリア四大守護神の一人ラマヌジャンが送られてきた・貧困層エリアに踏み入ったシャインとエミリー、三大賢者一行はポートリア内に広がる極度の格差社会の現状を知る・カインは自分の貧しかった幼少期を思い出す・カインの回想・貧困層の中にはバラダイをはじめとするポートリアの富裕層を打ち倒し、彼らが独占している富やテクノロジーを奪い取ろうと計画を立てる者が現れる・一方富裕層エリアでは、ポートリア周辺の町村からせしめた富を軍事費に回し、ポートリア全域に戒厳令を出すことを計画していた・バラダイは邪魔者である三大賢者を殺すため、ラマヌジャンを貧困層エリアに送り込む・貧困層エリアでは、あらゆる連絡手段がポートリア政府によって監視されていたが、反乱軍は唯一規制されていないデジタルコミュニティを通して、貧困層エリア全体に反乱の日時と場所を知らせた・貧困層を率いる反乱軍とラマヌジャン率いるポートリアの軍隊による大規模交戦が始まる・ラマヌジャンは密かに、カインに富裕層側に寝返るよう賄賂を渡す・病気の妹を故郷に抱えていたカインは葛藤する・ジングはカインに「どちらを選んでもかまわない」と言う・しかし最終的にカインは貧困層側につくことを選択した・戦いの結果、反乱軍が勝利し、富裕層の支持で成り立っていた政権は崩壊し、貧困層出身の若者をトップとする暫定政権が打ち立てられた・そしてポートリア周辺の町村への取り立てを止めて、平和的協力体制が立てられた・大陸の入り口に位置するポートリアでの大規模な戦闘を知ったヌーナは、急いでドラゴンゲートを派遣した・それを知った三大賢者一行は直ちに街を出て先に進むことにした・ヌーナ総監バシアゴデジハードは三大賢者と一刻も早く接触するため、手配書の金額を上げて全世界に三人を探すように通達した
間章
・その頃レムリアでは、アキヒト王とハルナ王妃が娘エミリーの行方を探していた・しかしアヌンナキの王子エンリルからの圧力により、捜索隊を派遣することができずにいた・エンリルはアヌンナキ族の王であり実父でもあるアヌからの勅許を得たことで、人類を滅ぼすための「大洪水計画」を実行に移す準備に取り掛かっていた・その頃大陸の中心では、エンリル軍とエンキ軍による小競り合いが起きていた
シャンバラ編
・長い旅路を歩いて進むシャイン一行・次の目的地は軍事国家シャンバラ・シャンバラは世界で最も軍事費に多くのお金をかけている国であり、星間連合やエンキ率いるネフィリム軍と軍事同盟を結んで武器の売買を行っていた・シャンバラ周辺は非常に治安が悪いため、スターゲートがどこにも設置されていなかった・途中で出会ったシャンバラの皇太子妃メイアクリアムを盗賊から救ったことがきっかけで、一行はシャンバラの王宮アガルタ城に招待されることとなった・そこでシャインは父親サンエナメルとシャンバラ王室のつながりを知った・サンエナメルはシャンバラ政府の兵器開発に資金提供を行なっていた・父親が武器開発を支援していたことに対し、不信感を抱くシャイン・さらにサンエナメルが銀河横断の旅を実行した目的は、宇宙にある高度文明の最新テクノロジーを視察するためだったことが判明した・父親がまさか軍事国家の武装化の手助けをしていたと知り、シャインは王宮から姿を消す・その頃皇太子フェリペアクリアムはエミリーの美しさに惚れて彼女に言い寄っていた・ジングたちは王宮内でシャインを探すが見つからず、王宮の外も探すことにした・その頃シャンバラの入り口にある街アークに、レプティリアンの男ザガラ率いるレムリア軍が姿を現していた・レムリア軍の目的はエミリーの拿捕・彼らはアガルタ城に向かった・レプティリアンの波動を感じたジングたちは、シャインが彼らと出くわす前に見つけようとする・その頃シャインは、一人で父親の記憶を思い出そうとしていた・シャインは赤ん坊の頃にしか父親サンと過ごしたことがなく、サンエナメルと過ごした日々の記憶を思い出すことに手こずっていた・三大賢者は無事にシャインと合流する・以前にサンエナメルと会ったことがあるジングは、サンが決して兵器開発に関わるような器の男ではないことをシャインに伝え、シャインは安堵した・しかしその頃、ザガラ率いるレムリア軍はアガルタ城に辿り着いていた・レムリア軍がやってきたことを知ったエミリーは、何とか城からの脱出を図ろうとするが、皇太子フェリペに邪魔され動けずにいた・フェリペの妻メイは、過去に患った病が原因で子供が産めない体になっていた・しかし国民の支持率を下げないためにもなかなか離婚ができない状況だった・そこでフェリペは、あわよくばエミリーを二人目の皇太子妃にしようと考えていた・ザガラは現シャンバラ王カルロス4世に謁見していた・ザガラは、シャンバラを訪ねた目的はエミリーの拿捕の他にもう一つあると告げた・それは、シャンバラ軍が保有する最強の兵器「ヴィマーナ」を売却してもらうことだった・カルロス4世によればヴィマーナは現在、地球の内部にある地下都市にて保管されているという・地下都市への入り口はシャンバラ国内のどこかにあり、その入り口はシャンバラ軍によって厳重に管理されている・エンリルの部下であるザガラは、シャンバラ政府がエンキ軍と武器取引をしていることを指摘し、これ以上エンキやネフィリムに武器を支援し続ければ、シャンバラに核爆弾を落とすとカルロス4世を脅した・そしてエンキ軍との武器取引を見逃す代わりに地下都市に保管されているヴィマーナを渡すよう迫った・返答に困るカルロス4世だが、その横を偶然フェリペと口論するエミリーが通りかかった・エミリーの存在に気づいたザガラは、部下に命じてエミリーを捕えようとするが、フェリペが間に立ち塞がる・ザガラが奇妙な形の銃でフェリペの体を撃った途端、フェリペの身体は原型を失い、白い粉末に変わってしまった・逃げるエミリーは城の廊下で皇太子妃メイアクリアムと遭遇する・彼女は夫フェリペを探していたが、エミリーは追っ手から逃れるためメイを連れて城からの脱出を図る・その頃シャインやジングたちは、レムリア軍がすでにアガルタ城に向かったことを知るが、そんな短時間で国を横断し城までたどり着けるものなのか疑問に思う・アチュラはスターゲートを使ってレムリア軍が移動したと推測する・そこで4人はスターゲートを探すが、住民に聞いたところシャンバラ国内にあるスターゲートはアガルタ城に通じているものが一つあるだけで、その所在地は徹底的に政府によって隠されているという・仕方なく歩いて城に戻ることにした一行だが、少し目を離した隙に突然アチュラが姿を消す・アチュラは偶然謎の洞窟に迷い込み、その先へ進んだ・その頃アガルタ城でレムリア軍から逃げていたエミリーは、城の地下にある礼拝堂に身を隠した・奥に進んでいくと不思議な洞窟を見つける・エミリーはその洞窟の中に入り姿を消した・アガルタ城に戻ったジング、カイン、シャインはレムリア軍によって皇太子妃メイが攫われたことを知る・白い粉末に変えられたフェリペの戻し方も分からず、途方に暮れるカルロス4世・カルロス4世は、レムリア軍ザガラが残した伝言を三大賢者に伝える・伝言「皇太子妃を返してほしければエミリーセイルを引き渡せ」・レムリア軍から逃亡する途中でエミリーが城内のどこかで姿を消したことを知るシャインたち・彼らはカルロス4世からアガルタ城に伝わる伝説を教えてもらう・それは、歴代のシャンバラ王と軍の高官だけが知る地底都市の存在だった・地底都市の入り口は軍の管理下にあり、そこには古代兵器「ヴィマーナ」が保管されている・ジングはカルロス4世に地底都市への入り口に案内するよう頼む・入り口は城の中の地下礼拝堂にあった・入り口には白い肌で金髪で背が高い美しい見た目の門番が二人立っていた・カルロス4世によれば彼らはノルディックと呼ばれる宇宙存在だという・彼らは言葉を喋らず、テレパシーで語りかけてきた・シャインや三大賢者は、アヌンナキ族が人類を創造し、現在は星間連合が彼らを管理していることは知っていたが、現在も地球上に異星人が暮らしていることは知らなかった・二人の門番は、現在も数多くの異星人が地球人に紛れて地球上で暮らしており、その多くはアトランティスとレムリアにいると説明した・シャインは、星間連合はなぜエンリルの大洪水計画を止めようとしないか尋ねた・門番によれば、理由は二つ・星間連合は人類の進化に介入することを基本的に禁じているから、そしてもう一つは、ヌーナの上部組織であり秘密結社である「影の政府」が情報操作によって地球で起きていることを星間連合に報告していないから・さらに門番によれば星間連合は現在、アシュラ軍というネガティブ存在との戦争で手一杯で、地球どころではないという・話している間にシャインたちはあるゲートに辿り着く・それは地底都市へ続くポータルだった・ポータルをくぐった一行の目の前には、美しい地底都市が広がっていた・ノルディックの一人はシャインたちを案内することに・もう1人のノルディックはわずかな波動を頼りにエミリーの元へ向かった・そのノルディックはレムリア軍のスパイだった・エミリーはあっさり見つかり、ノルディックのスパイによって地上にいるレムリア軍ザガラの元に連れていかれた・案内役のノルディックと共に地底都市を探索するシャイン、ジング、カイン・ノルディックの話によると、地底には数多くの王国があり、多種多様な宇宙存在たちが暮らしているという・その頃一足先に地底都市に迷い込んでいたアチュラは物思いに耽っていた・アチュラは幼少期に親から受けた虐待を思い出していた・その時、アチュラの前に巨大な鉄の塊が現れた・それこそが古代兵器「ヴィマーナ」だった・ジングたちは地底都市の住民(地球人や他惑星からの移住者)にエミリーのことを聞き込んだが、手がかりとなる情報を得ることはできずにいた・そこでシャインは、地底都市の中にある植物や水、石造りの建物の声を聞き、エミリーの足跡を追った・その後シャイン一行は、エミリーが先程別れたノルディックにどこかに連れていかれたことを知る・一方、ザガラの前に連行されたエミリー・目的の一つを果たしたザガラは、もう一つの目的「ヴィマーナの奪取」を果たそうとする・エンリルを総司令官とするレムリア軍は大陸各地に駐屯基地を保有していた・レムリア軍の将軍の1人であるザガラは、シャンバラから最も近くにある駐屯レムリア軍基地から数百機の戦闘機を発進させるよう命じる・そして、古代兵器「ヴィマーナ」を手放さなければ3日後にシャンバラ全土を総攻撃するとアナウンスした・それを知ったシャインたちは、今すぐエミリーを助けに行こうとするが、地底都市の住民である1人の老人が彼らを止める・老人は地底都市の長の1人だった・彼はレプティリアンの恐ろしさを説明し、人間の力では化け物のような強さを持つレプティリアンのザガラに敵わないと説いた・彼によると地底都市は他にも複数あり、それらはシャンバラ国内にあるいくつかのトンネルとそれぞれ繋がっている・「ヴィマーナ」はここではない別の地底都市の中に保管されているという・彼はシャインたちに、ザガラに勝つために地底都市で修行をすることを薦めた・地底都市では時間の流れが地上より遅い・地上での1日は地底では3日に相当する・つまり地上で3日経つ間に地底で9日間修行することができる・その間にジングとカインの力を最大限に引き出し、猶予の3日が尽きたときにザガラ率いるレムリア軍を叩き潰すことになった・ジングとカインはノルディックに導かれ修行のための部屋に案内された・2人が修行をしている間、シャインは地底の長である老人ダルマ大師にフロー状態を制御する方法を学んだ・その頃、シャインたちとは別の地底都市に迷い込んでいたアチュラは、ある1人の女性から目の前にあるヴィマーナについて説明を受けていた・その女性はポジティブ系のレプティリアン、名前はレクーラだった・レクーラはザガラの知り合いで、彼がシャンバラへの総攻撃を宣言したことをアチュラに伝えた・アチュラがいる場所には「ヴィマーナ」以外にもあらゆる古代兵器が保管されていた・アチュラは「その古代兵器を使わせてくれ」とレクーラに頼む・レクーラは「テストに合格すれば兵器を貸してあげる」といった・そのテストとは、アチュラの心の中に低い波動を持つ感情があるかどうかを確かめるためのもの・「ヴィマーナ」をはじめとする古代兵器は、大昔に別の惑星で作られたもの・これらを動かすには操縦者の波動が高くなければならない・アチュラは「シグネチャーカウントで確かめればいい」と言ったが、シグネチャーカウントでは感知できる波動に限界があるらしい・レクーラはサイコメトリーのヴリルを使えるため、アチュラの潜在意識の中にあるより低い波動を読み取ることができる・レクーラが感情を読み取ると、アチュラの脳裏に幼少期の辛い過去が蘇ってきた・それと共に過去に経験した親への憎しみや恨み、怒りといった負の感情が潜在意識から湧き上がり、レクーラはテストを中断した・レクーラによれば、これだけ負の感情を持っていたら古代兵器を操れないという・三大賢者が修行をしていることをシャンバラ政府内のスパイから聞いたザガラは、レムリア本土にいるエンリルに援軍の要請を出したが、エンリルはエンキとネフィリムとの戦争で手が離せないため要請を拒否する・修行を始めて3日後、ザガラは宣言通り総攻撃を開始するが、シャインが事前にシャンバラの全国民の心にシェルターへの避難を呼びかけたおかげで被害は最小限に抑えられた・ジングとカインはザガラと戦うが、レプティリアンの腕力は人間100人分に相当するため手こずっていた・二人がザガラを相手にしている間、シャンバラの全軍事力がレムリア軍の殲滅に取り掛かっていた・皮肉にも、サンエナメルが資金援助をしたおかげで、シャンバラ軍の力はレムリア軍をわずかに上回っていた・死闘の末、ジングとカインはザガラを戦闘不能に追い詰めるが、シャンバラ周辺の軍基地からさらにレムリア軍が攻め込んできた・そこに間一髪で、アチュラが操縦するヴィマーナがやって来てレムリア軍を殲滅した・アチュラは修行の末、自分の中から恨みや憎しみの心を全て手放すことに成功していた・レムリア軍を全て追い払い、エミリーと皇太子妃の救出を果たしたシャインたちは、ザガラを捕らえ、白い粉末に変わったフェリペ皇太子の戻し方を教わる・シャンバラ軍はザガラを地下牢に閉じ込め、シャインとエミリー、三大賢者はアガルタ城での宴に招待される・エミリーはザガラからレムリアにいる両親の安否や、大陸でのエンリル派とエンキ派の戦いの詳細を聞き出した・フェリペ皇太子は助けてもらったお礼に、シャインに父親サンについての情報を教えた・皇太子によると、サンエナメルは西の大国アトランティスにあるハイコヌール宇宙基地から銀河横断の旅に出発したという・翌日、シャインたちは皇太子たちと別れ、アトランティスを目指す旅に出発した
間章
・大陸の中心地では、エンキの配下エグリゴリと人間の間に生まれたネフィリムがエンリル軍の要である四大天使と戦っていた・アトランティスを統治するエンキは、義兄であるエンリルの大洪水計画に反対していた・何とかして人間の有力者に計画のことを知らせようとしていた・しかしヌーナは完全にエンリル派に牛耳られていた・エンキは、計画について教えても決して口外せず、人々をパニックに陥れないで人類が生き残る方法を模索できる信頼に足る人間を見つけるように部下に命じる・その頃レムリアでは、エンリルがレムリア王と王妃を拘束したことに対するデモが頻発していた・しかしデモはレムリア軍に鎮圧され、捕まった者たちは見せしめに殺された・さらにエンリルは、これ以上国民が刃向かわないように「デモ禁止法案」を可決させた・それにより、デモを起こした者だけでなくデモを計画した者やエンリルへの批判を口にした者、外国勢力と結託した者が厳しく処罰された・その後デモの数は徐々に減っていった・エンリルは次に、世界連合ヌーナを完全に自分の支配下に置くこと、そしてレムリア軍に刃向かった軍事国家シャンバラへの制裁を計画していた・そしてその次は、ついに大洪水計画の実行の時が迫っていた
アトランティス編
・科学力が発達しているアトランティスには、他の惑星からの訪問者が多数来ている・アトランティス上空にはいくつもの宇宙船が飛び交っている・他にもアトランティスにはエグリゴリやネフィリムといった巨人、そして地球の集合無意識が具現化した妖精や小人も多く暮らしていた・アトランティスの中心にはピラミッド型のクリスタルキャッスルがそびえ立ち、その中に王族が住んでいる・アトランティスの王はエンキ・王族は全てエンキの子孫・その中には人間とのハーフも含まれる・しかしアヌンナキが人間と交わるたびに「六つの標(ヴァヴ・オース)」の力が薄れていく・また、アトランティスの貴族エリアには星間連合の地球支部が設置されており、エンキやその部下たちは定期的に星間連合の軍隊船ワードシオールと連絡を取り合っている・星間連合は地球上の争いについて認知はしているが、介入はしなかった・それよりも星間連合は、ネガティブ存在であるバルキアスアシュラ率いるアシュラ軍との戦争で手一杯だった・アトランティスに着いたシャインたちは、食糧調達と休息のために一旦別れる・3日後に改めて集まり、レムリアに行くためのスターゲートを使う許可をエンキに頼むという計画になった・しかし町民の話によると、エンキは現在アシュラ軍の地球植民地化計画に対処するため、星間連合の軍隊船に向かったため不在とのことだった・3日の休息の間にシャインは、ハイコヌール宇宙基地を訪ねていた・最初は警戒されたが、サンエナメルの息子だと伝えると歓迎された・シャインはそこで、基地の職員でサンエナメルの元同僚から、父親についての話を伺った・話によると、サンが宇宙に旅に出た目的は銀河横断ではなく、星間連合が戦っているアシュラ軍に対抗するための同盟相手を探すための高度文明への視察だった・その事実は戦略上の理由で一般市民には隠されていた・銀河の中心部へと向かったサンは、途中で通信機器が故障し、消息不明となった・ハイコヌール宇宙基地の職員は、サンがアシュラ軍に捕まったか、何らかの事故に遭ったか原因を突き止めようとしていた・その頃ジングとカインとアチュラは、それぞれ別の場所で謎の集団に襲われていた・彼らは殺し専門のトレジャーハンター・世界中で指名手配されている犯罪者やネガティブ系の宇宙存在の首を取り、ヌーナに引き渡して賞金を獲得することを生業としている集団だった・アトランティスの街中にはいたるところに三大賢者の手配書が貼られていた・トラブルを起こすことを避けたかったジングたちは、お互いに連絡を取りながら、エンキが帰ってくるまで人目につかない所で隠れて過ごすことにした・その頃レムリアでは、三大賢者の居場所を知ったエンリル派の軍が、エンリルの命令により三大賢者抹殺とエミリーの拿捕のため、アトランティスに侵攻しようと企んでいた・アトランティス郊外のスラム街に潜んでいたジングは、革命組織ガイアのメンバーと再会する・彼の話によると、ガイアよりも過激な思想を持つ組織ロストリリジョンが、市民に武装蜂起を呼びかけており、レムリア上空にある世界連合ヌーナの本部ホアドに攻め込む計画を立てているという・しかし穏健派のガイアは、大洪水計画を企てているのはヌーナよりも上の組織であり、ヌーナはその計画について認知すらしていない可能性もあるという・その頃クリスタルキャッスルの中では、エンキの息子マルドゥクが、アトランティスの各地域を統括していた知事の一人から三大賢者が国内にいることを知らされる・マルドゥクは、護衛をつけて三大賢者のいる場所に向かった・一方、買い物を楽しんでいたエミリーは、殺し専門のトレジャーハンターに捕まり、どこかの地下施設に連れて行かれる・そこでエミリーが目にしたのは、世界各地から攫われてきたたくさんの女性と子供だった・彼女らは檻に入れられ、人体実験のためのモルモットや奴隷として人間以下の扱いを受けていた・ハイコヌール宇宙基地を出たシャインは、アトランティスにある自然物や動物たちが妙に騒がしいことに気づいた・その瞬間、シャインの頭に再び地球の集合無意識からの声が鳴り響いた・「破滅の時が近い、今すぐ方舟を作れ」・その言葉の意味を理解しかねていたシャインは、とりあえずジングに連絡することにした・その頃カインは、変装した姿で街中を平然と歩いていた・アチュラは逆に変装せず素の姿のまま、酒場で一服していた・その頃、エンリル派のレムリア軍がアトランティス周辺を包囲していた・ネガティブ系レプティリアンの波動を感じ取った三大賢者たちは、急いでシャインとエミリーに連絡を取るが、エミリーが応答しないことにただ事ならぬ事態が起きていることを察知する・その頃エミリーは、見張りの隙をついて檻から脱出することに成功・一緒の檻に捕まっていた謎の男シャードと共に、地下施設からの脱出を図る・二人は出口を探して地下施設の奥に進むが、そこでエミリーは再び衝撃の真実を知る・地下施設のさらに奥では、人間の解剖や人体実験などの残虐な行為が行われており、その実験体のほとんどが、エミリーの故郷レムリアの国民だった・シャードの話によると、アトランティスの王エンキは、レムリア人の非常に進歩したスピリチュアルな能力に関心を抱き、その不思議なパワーの仕組みを解き明かしたいと考えていた・そしてあわよくば、レムリア人のスピリチュアル的パワーを自分たちのものにし、エンリル軍に対抗しようとしていた・地下施設の奥で行われていた残虐な実験は、そのためのものだった・地下施設の警備隊に追い詰められるエミリーとシャード・彼らの話によると、謎の男シャードには、アシュラ軍から派遣されたスパイの容疑がかけられていた・シャードを見逃せば、地球は前代未聞の大戦争に巻き込まれると彼らは主張する・困惑するエミリー・そこに、エンキの息子マルドゥクが護衛の大男二人と共に地下施設の視察にやってきた・脱獄した二人を見たマルドゥクは、シャードを親友と呼び、二人を地下から解放した・マルドゥクの話によると、シャードは太陽系での星間連合とアシュラ軍の戦乱から逃れてきた避難民だった・そんな彼を受け入れたのがマルドゥクだった・マルドゥクにとってシャードは、宇宙に点在する他文明についての不思議な話を聞かせてくれる生まれて初めてできた友達だった・しかし、エミリーにとってそんな話はどうでも良かった・エミリーは、レムリアの国民を戦争に勝利する目的のために実験体にするエンキを非難した・それを聞いたマルドゥクはエミリーがレムリアの王女だと知ると、エミリーをクリスタルキャッスルに招待した・ジングと合流したシャインは、エミリーの行方が分からないとジングから知らされる・ジングは、アトランティスの自然物や動物の声を聞いてエミリーを探そうと提案したが、アトランティスは非常に広いため、場所を特定することはできないとシャインは言う・そこで、先程ジングと再会した革命組織ガイアのメンバーであるテセウスマードックも、エミリー探しに協力することになった・テセウスは、アトランティス各地域に潜伏しているガイアのメンバーに連絡をとった・クリスタルキャッスルに招待されたエミリーは、マルドゥクに城の中を案内される・城の中で最も神聖とされる部屋には、一人の赤ん坊がいた・この赤ん坊は、アシュラ軍によって滅ぼされた火星の文明から小型の宇宙船に乗せられて地球に逃れてきたところを、アトランティス軍に保護された・アトランティスの一部の地域では、天から降りてきたこの赤ん坊を神聖視し崇める保守派の勢力がいる・エンキは国民を一致団結させるため、この赤ん坊を宗教的に崇める対象として祭り上げた・その他に城の中には、マルドゥクの恋人であるイヴァンカもいた・エミリーはマルドゥクに、レムリア人の人体実験を止めること、そしてエンリルの計画を阻止するため一緒に戦ってほしいと頼んだ・エミリーは、大洪水計画の阻止に協力してくれたら、見返りにレムリア王家に代々伝わる、ワンネスと直接繋がるための秘技を公開すると約束した・その頃カインは、アトランティスに観光に来ていた妹ナツキと再会していた・ナツキの病気は進行中で、車椅子に乗って観光を楽しんでいた・一方アチュラは、ジングからエミリーの行方が分からないという連絡を受け、街中を駆け回って彼女を探していた・その時、アトランティス東部にある港がレムリア軍により爆破された・レムリア軍の狙いは、港を封鎖して食糧や物資がアトランティスに輸入されるのを阻止することだった・さらにアトランティス各地域にある発電所や食糧庫も爆破された・事前にアトランティス国内に潜入していたエンリル派の偵察部隊によるこれらの攻撃は同時多発的に起きた・マルドゥクはレムリア軍の主力が国内に侵攻する前に食い止めるため、ただちにネフィリムとエグリゴリを港に派遣した・発電所の爆破により、国内では携帯などのあらゆる電子機器に加えて宇宙船までもが使えなくなっていた・カインやアチュラとの連絡手段を失ったシャインとジングはテセウスと共に、近くにある革命組織ガイアの隠れ家に向かった・ガイアのメンバーが集めた情報によると、現在アトランティスに進行中の軍を率いているリーダーは、エンリルの息子シャマシュとその妹イナンナ・そして軍を構成する兵士は全てレプティリアン、その数は100万・ジングはシャマシュのことを知っていた・9年前、ジングには婚約相手の女性がいた・彼女の名はシスティーナエナメル・ある時システィーナと一緒にレムリアを観光していたジングはエンリルの子イナンナから誘惑され、それを断った・それが原因でジングはエンリル派に追われることになった・そんなジングを匿ったのがサンエナメルだった・システィーナはサンの姉だった・しばらくの間、ジングとシスティーナとサンは、三人で隠れながらひっそりと生活していた・しかし一年が経つと、隠れ家がエンリル軍に見つかり再び逃亡することに・だがシスティーナはシャマシュに捕まり、拷問にかけられる・システィーナを助けるためレムリアの王宮に潜り込んだジングとサン・そこでジングは、レムリアの統治者エンリルと対峙する・ジングはエンリルと一戦交えるが、あまりにも実力に差がありすぎた・エンリルは、人類の堕落を嘆いていた・時間の流れと共に神性を失った人類は、お互いに争い合うようになり、神と繋がる力を忘れ去ってしまった・神性を失う前の人類だったら、エンリルでさえ片手で捩じ伏せてしまうほどの実力を持っていたのに・そう言って、エンリルは嘆いていた・エンリルが堕落した人類を滅ぼすための大洪水計画を企てていることを知ったジングとサンは、エンリルの暴走を止めるためここでエンリルを仕留めようとするが、全く歯が立たなかった・そうしている間に王宮の地下では、シャマシュがシスティーナを拷問していた・城中に響き渡っていたシスティーナの叫び声は、いつしか聞こえなくなっていた・婚約者の死を悟ったジングは、サンと共にレムリアを脱出した・その数年後に、サンエナメルは宇宙に旅立った・出発する前にサンがジングに残したメッセージにはこう書かれていた・「姉さんの仇は必ず取る」・アトランティス東部の港では、エグリゴリとネフィリムがレムリア軍と交戦していた・レムリア軍は南からも攻め込んでいた・レムリア軍の兵士の中には、戦いの様子を世界に生中継している者もいた・今や全世界の人類がアトランティスで突如始まった争いに注目していた・カインは、再会した妹を守るため、貴族エリアに逃げ込んだ・そこでエミリーと合流する・エミリーはマルドゥクと共に三大賢者を探しているところだった・カインは妹をマルドゥクに任せて戦場に向かった・その頃アチュラはイナンナと対峙していた・イナンナの狙いは三大賢者の抹殺・アトランティスの海岸付近での戦闘に国民の目が逸れている間に、彼女はテレポーテーションのヴリルを使って国内に潜り込んでいた・アチュラはイナンナに敗北・イナンナは次の標的の場所に向かった・ジングはかつての恋人の仇を討つためシャマシュのもとに向かおうとするが、シャインがそれを止めようとする・だがジングは、怒りで正常な判断ができない状態だった・ジングはガイアの隠れ家を飛び出して海岸に向かった・レムリア軍は港を制圧し、さらに内陸への侵攻を始めた・港に向かっていたカインの前にイナンナが現れる・カインはイナンナに抵抗したが、イナンナはカインの始末を諦め、テレポーテーションで王宮に向かった・イナンナの狙いがナツキだと気づいたカインは、急いでイナンナを追う・クリスタルキャッスルに突如現れたイナンナ・カインの妹ナツキを殺そうとするが、マルドゥクとシャードがそれを阻止する・徐々にアトランティスへの侵攻を進めるレムリア軍・彼らはついにアトランティス政府が管理する地下施設を見つけ、中にいた誘拐されてきた女子どもをカメラに収めた・レムリア軍が戦いの様子を生中継していた真の目的は、地下施設で行われている残虐な実験の様子を世界に発信し、エンキの国際的な信頼を貶めることだった・その頃、世界連合ヌーナ本部ホアドでは、アトランティスでの戦闘を止めるため軍を派遣すべきかどうか議論が行われていた・しかしヌーナ所属の政治家もエンキ派とエンリル派に分かれていた・エンリル派の政治家は拒否権を発動し、エンキとその派閥の政治家を激しく非難した・そして世界中で生中継されている戦闘の様子を観る全ての人々が、この戦争が正当かどうか議論し合っていた・エンキが裏で行っていた人体実験を非難する者もいれば、先に攻撃を仕掛けたエンリルを非難する者もいた・アトランティスでの戦闘は混迷し、国内には非常事態警報が鳴り響いていた・シャマシュは軍の後方で兵士たちに指示を送っていた・そこにジングが現れる・シャマシュの手口を全て把握していたジングは、レムリア軍に見つからないように背後から回り込み、シャマシュのいる本陣に忍び込んでいた・ジングは因縁の敵シャマシュと対峙した・さらにアトランティス内陸に侵攻するレムリア軍の前に、各地に潜伏していた革命組織ガイアのメンバーが立ち塞がった・穏健派の彼らは、市民の命を守るためレプティリアンの軍隊に立ち向かった・しかし、人間の力をはるかに上回るパワーを持つレプティリアンには全く歯が立たなかった・状況を察知したアチュラは、遠方からライフルでレプティリアンの兵士を狙撃するが、数が多すぎて効果はないように見えた・クリスタルキャッスルにてイナンナと戦っていたマルドゥクとシャードは、苦戦を強いられていた・二人の隙をついたイナンナの攻撃がナツキに襲いかかる・しかし間一髪で駆けつけたカインが攻撃を受け止める・腹部を貫かれたカインは瀕死の状態に陥る・その頃、アトランティス政府は緊急議会を招集し、レムリア軍への対応を協議していた・そして、レムリア軍が内陸に侵攻する前に核兵器で全て吹き飛ばすという結論に至った・もし核を使えば、港で戦っている巨人たちもガイアのメンバーも全て死ぬことになる・だがアトランティス政府にとっては、巨人も革命組織ガイアも自国の民ではないため守ってやる義理はどこにもなかった・核兵器使用までのカウントダウンが始まった・ガイアの隠れ家で戦争の生中継を見ていたシャインは、突然何者かの声を聞き取り、その声に従って郊外に向かった・そこには巨石で作られた謎のドルメンがあった・そこに謎の白うさぎが現れ、シャインはその白うさぎのあとを追い、森の中に入った・その頃クリスタルキャッスルの中では、腹部を貫かれたカインが瀕死の状態になっていた・ナツキは必死で声をかけるが、カインの呼吸は次第に弱々しくなっていった・エミリーは隙を見て城から脱出していた・イナンナはエミリーの拿捕を諦め、ジングを殺すため一旦シャマシュの元に戻った・マルドゥクとシャードは、カインはもう助からないと判断した・そこに突如ある人物が現れる・森の中に入ったシャインの目の前には驚愕の光景が広がっていた・そこにはあらゆるエレメンタル(精霊)たちが集まっていた・シャインの頭にずっと語りかけていたのは彼らだった・精霊はシャインに、アトランティス政府がレムリア軍のいる場所に核を落とそうとしていることを伝える・それを阻止できるのはシャインだけだと言う・シャインは仲間たちを救うため、エレメンタルたちと共にアトランティス行政府に忍び込み、核の使用を阻止すると決めた・アトランティス東岸の港では、ジングとシャマシュが死闘を繰り広げていた・劣勢なのはジング・そこにイナンナがテレポーテーションで現れ、状況はますます悪化していく・追い詰められたジングはフロー状態を発動・一時的ではあるが、自身の身体能力とヴリルの力を最大限に引き出し、目の前にいる二人の敵を倒そうと試みる・内陸ではレプティリアンだらけの軍隊にガイアと巨人が押し負けていた・アチュラが狙撃で援護していたが効果はなかった・核兵器の使用まであと5分・スターゲイトを使って行政府に潜り込んだシャインはアトランティス政府のトップに立つ政治家アレックスデータを探す・核のスイッチは彼が持っている・その頃行政府内の国家危機管理室では、アレックスデータが側近の助言を受けて核のボタンを押そうとしていた・しかしアレックスは心中では疑問を抱いていた・核を使えば敵は殲滅できるかもしれないが、そうすればアトランティスの三分の一の領土が放射線に汚染され、以後1000年以上は人が住めない不毛の土地と化してしまう・シャマシュとイナンナを何とか倒したジングは、フロー状態の反動によって急激な眠気に襲われ動けなくなる・軍のリーダーが倒されたという事実は、混沌と化している戦場の兵士たちには伝わらなかった・追い詰められるガイアのメンバーと巨人たち・するとそこに、ワードシオールから帰還したアトランティスの王エンキがやってきた・エンキの姿を視認したレムリア軍は急遽撤退していった・エレメンタルの力を借りて何とかアレックスの元に辿り着いたシャインは、彼を説得し、核の使用を阻止することに成功する・アトランティスの国民は、事前にシェルターに避難していたため、一般市民の死者は奇跡的に一人も出なかった・瀕死の状態だったカインは、エンキが持っているヒーリングの力のおかげで傷は完治していた・その頃クリスタルキャッスルにいたマルドゥクは、シャードがいつの間にか姿を消したことに気づく・街のはずれまで逃げていたエミリーは戦闘が終わったことを知るが、そこに実の妹であるリリーセイルが姿を現す・レムリア軍に囚われていたはずのリリーがなぜここにいるのか疑問に思ったエミリーだったが、リリーとの再会を嬉しく思うあまりその疑念について深く考えはしなかった・リリーはエミリーに対し、父アキヒト王から密かに託されたレムリアを守るエネルギーシールドを解除するためのアクセスコードを渡すように頼む・地球における聖地の役割を担っていたレムリアは、アシュラ軍のようなネガティブ存在の侵略を避けるため、星間連合からシールドを張る許可を得ていた・リリーによれば、今レムリアではエンリル派に対する抵抗勢力が反乱を起こしており、星間連合にエンリル派の大洪水計画を知らせるべく、通信の邪魔になっていたエネルギーシールドを解除する必要があるとのことだった・エミリーはその話を信じてアクセスコードをリリーに渡した・エンキはアトランティスを守るために戦ってくれた英雄たちを王宮に招待し、勲章を与えたいと話したが、ジングたちは本来の目的である、レムリア行きのスターゲイトを使用する許可をもらうことを優先した・マルドゥクはエミリーとの約束を果たすべく、レムリアに攻め込んでエンリルを倒そうと父親に進言した・大陸ではすでに、エンリル派との戦いで多くの犠牲者が出ていた・エンキはこれ以上戦えば取り返しのつかないことになると予感していた・そこにエミリーがやってきて、レムリアで最近大規模な反乱があったか調べてほしいと尋ねた・マルドゥクは城の中にある、地球のあらゆる情報が保管されたデータベースにアクセスするよう従者に命じる・調べた結果、レムリアでは最近、エンリルによって「デモ禁止法案」が施行されたため、デモや反乱は全て計画した時点で軍が察知し、潰されていた・エミリーはそこでようやく、先程のリリーの発言が偽りだと気づく・エミリーはさらに、レムリアの皇族の誰かが行方不明になったかどうかを調べてもらう・レムリア国内から皇族の誰かが姿を消したというニュースはどこにも見つからなかった・では、エミリーが見た妹のリリーは何だったのか?・その頃、アトランティス近海に浮かぶ船の上で、リリーセイルの姿をした謎の人物が、太陽系の木星付近にいる母船に連絡を取っていた・その人物はシェイプシフトを解除した・リリーに化けていたその人物の正体は、マルドゥクの親友シャードだった・アトランティス軍が懸念した通り、シャードはアシュラ軍から送られてきたスパイだった・正体の分からない謎の人物に、レムリア上空に張られているエネルギーシールドのアクセスコードを教えてしまったことを後悔するエミリー・このままでは、アシュラ軍がエネルギーシールドを解いてレムリア上空から地球の大気圏内に侵入するのも時間の問題だった・さらに、三大賢者の抹殺とエミリーの拿捕に再び失敗したエンリル派のレムリア軍は、自暴自棄になって暴走する恐れもあった・こうしている間にも、エンリルは大洪水計画を進めている・人類滅亡の時が着々と近づいていた・ジングは今すぐにでもレムリアに行き、エンリルを止めると主張・シャイン、エミリー、カイン、アチュラもその意見に同意していた・しかしエンキがある提案をする・もしエンリルの計画が実行に移された時のために、人類だけでなく地球上の全ての生命の命を存続させるための対策を取るべきだとエンキは主張・そして、エンキのこの計画を実行するために選ばれたある一人の人物が、東の果ての島国にいるという・その男の名はウトナピシュティム・エンキによれば、裏表のない善良な心を持つ信頼に足る人間だという・エンキは、レムリアに行く前にこの男に会わないかと提案した・答えを出すまでの間、一行はクリスタルキャッスル内でしばらく休息を取ることにした・しかしその夜、何者かがクリスタルキャッスル内に侵入・その正体は、ドラゴンゲートの中の「スネーク」と呼ばれる精鋭部隊だった・彼らの目的は、三大賢者と接触すること・捕まればテロ行為の罪で裁かれると思ったジングたちはエンキに導かれ、城の脱出用通路を通って、東の果ての島国に繋がるスターゲイトに辿り着く・エンキは留守にしている間の国政をマルドゥクに託す・一行はスターゲイトをくぐり、次の目的地である東の果ての島国に向かった
間章
・アトランティスでの大規模な戦闘が起きた後、世界各地で戦争反対を訴えるデモが起きた・さらにロストリリジョンがエンリル派が企てる大洪水計画についての情報をデジタルコミュニティを通して全世界に発信したため、世界中でエンリル派に対する抗議デモが起こった・世界連合ヌーナは、大洪水計画に関連する情報を陰謀論として否定する声明を発表した・さらに世界では情報統制が始まり、デジタルコミュニティの中での自由な発言も規制された・人々は陰謀論肯定派と否定派に分かれ、各地で人間同士の衝突が頻発した・レムリアの国民はエンリル派の軍に常に監視され、息苦しい生活を余儀なくされていた・市民の生活は完全に監視されているため、軍の悪口を言う者やテロを計画する者は即座に逮捕された・エンリルはレムリア軍に逆らった軍事国家シャンバラへの制裁を実行に移した・シャンバラはレムリア軍が保有する新兵器「スキーズブラズニル」の攻撃によって、一夜にして消滅した・これは世界の国々に対する警告だった・一方、東の果ての島国にやって来たシャインたちは、エンキの案内でアシア族の村を訪ねた・そこで族長のトウアンに挨拶をした後、例のウトナピシュティムという男の元に向かった・ウトナピシュティムは巨大な方舟を作っている最中だった・方舟は、エンキに頼まれて作っていたものだった・方舟はとてつもなく巨大で、立方体の形をしていた・エンキはその方舟に地球上の全ての動植物のDNAを乗せるつもりだった・すでにDNAはアシア族の協力のもと、島の北東にある遺伝子貯蔵庫に保管されていた・ウトナピシュティムと親密になっていくシャインたち・トウアンは三大賢者にレムリアに繋がっているスターゲイトの場所を教える・だがこのスターゲイトは星間連合の許可を取っていない違法なものであるため、もし捕まれば厳しい処罰が待っているという・その時、精鋭部隊スネークに突如囲まれる一行・ジングは覚悟を決め、シャインとエミリーだけは見逃してくれと懇願する・しかしスネークのリーダーを名乗る男は、「我々はあなたたちを逮捕しに来たのではない」と言う・彼らによれば、三大賢者に会ってほしい人物がいるとのことだった・スネークのリーダーは、小型の通信デバイスに自分たちのいる座標を伝えた・その瞬間、シャインたちの体は地球上空に滞空している巨大な宇宙船の中にテレポートした・そこは星間連合の軍隊船ワードシオールの中だった・そこにはヌーナの総監バシアゴとアヌンナキ族の王アヌがいた・その頃レムリア王宮では、エンリルがルッキンググラス(未来を見る装置)で数ヶ月後のアシュラ軍の動きを確認していた・エンリルは数日前に父親アヌと口論になっていた・アヌは、最初の頃はエンリルの大洪水計画に賛成していたが、先日のアトランティスでの戦闘でアトランティス政府が核の使用を本気で検討していたと聞き、このまま計画を進めれば核戦争に発展すると懸念し始めていた・長い年月の中で人間は退化し、神や自然と対話する能力を失った・人間を甘く見れば痛い目に遭うとアヌはエンリルに忠告した・しかしエンリルはその言葉を無視し、大洪水計画を本気で行おうと考えていた・ワードシオールの中で、アヌは三大賢者に「息子エンリルの暴走を止めてくれ」と依頼する・総監バシアゴによると、ヌーナが手配書を出して三大賢者を探していた目的はテロ行為で罰するためではなく、エンリルを止めるのに協力するためだった・状況を理解したジングは、三大賢者とヌーナ、星間連合、そしてアヌンナキ族で同盟を組もうと提案する・そして今すぐにでもレムリアに向かうと主張した・そこにアヌの正妻であるキが現れ、シャインの持つ自然と対話する能力を見抜き、その場にいた星間連合のメンバーたちは驚愕する・アヌンナキ族に伝わる伝説では、遠い昔にいたアヌンナキ族の初代の王が始めた人間と異星人のハイブリッドを創る計画が完成した時、「アヌヘッド」と呼ばれる最強の人類が誕生すると言われている・「アヌヘッド」は神、つまりワンネスと繋がる力を持ち、自然と対話する能力を持っているとされている・アヌヘッドの別名は「終極のメシア」・シャインがまさにその完成された人類「アヌヘッド」ではないかとキは主張する・シャインはそれを否定した・シャインが神と繋がる資質を秘めていると知ったアヌはある提案をする・三大賢者と星間連合、そしてエンキとその部下は、レムリアに向かいエミリーの家族を救出し、アシュラ軍の侵攻とエンリルの計画を阻止する・そしてシャインはアヌと共に別次元の世界に来てほしいという話だった・ジングたちはアヌの突拍子もない提案に反対した・アヌによれば、高次元の存在たちに助けを求めれば、人類の滅亡を防ぐことができるかもしれないという・いわばジングたちが失敗した場合の保険だった・次元が上がれば上がるほどワンネスに近づく・ワンネスに近い存在ほど現実を変えるパワーが強いが、周波数の差が大きすぎると対話すらできない・ジングは、シャインの波動が常人の倍以上高いことを思い出す・シャインは自分でもなぜこれほど波動が高いか理解していなかった・キによれば、その理由は愛だという・両親から受けた愛が深い人ほど波動が高くなる・シャインは、アヌと共に高次元の世界に行くことを決める・するとエミリーもシャインと共に行くと言う・エミリーの中にはずっと罪悪感があった・シャインの母親が殺された原因は自分にある・エミリーはシャインの母親の魂に一言謝罪したいと考えていた・ジングはその提案を承諾した・その頃宇宙では、アシュラ軍の保有する巨大な宇宙船が、ポータルをくぐり地球のすぐ近くまで迫っていた・ついに、人類の未来を決める最後の戦いが始まろうとしていた
レムリア編
・三大賢者と精鋭部隊スネーク、星間連合の兵士、エンキ派の兵士たちはレムリア国内にテレポートし、王宮に向かう・アシュラ軍は巨大な宇宙船を地球にギリギリまで近づけた・アトランティスにいたシャードは、エミリーから手に入れたコードを使ってレムリア上空のエネルギーフィールドを解除した・それを合図にアシュラ軍の軍勢が地球の大気圏に突入する・しかしエンリルは、それすらも全てルッキンググラスで予測済みだった・三大賢者たちはエミリーの家族を救出するため王宮に潜入するが、アシュラ軍の襲撃でレムリア全土が混乱に陥った・エンリル派の軍隊は、手薄になったアシュラ軍の宇宙船に侵入し、重力制御装置を破壊する・それにより生まれた重力の影響で、地球のあちこちで天変地異が起きる・エンキはついにエンリルと対峙する・エンキを援護するため、エグリゴリやネフィリム、妖精や小人、そしてマルドゥクも参戦する・その頃、アヌとキと共に高次の世界にやってきたシャインとエミリーは、アリスエナメルの魂と再会する・アリスに謝罪するエミリー・アリスはワンネスの元にシャインたちを案内する・そこはとても美しい宮殿のような場所だった・その宮殿の中でシャインは、光り輝く体を持つ女性に出会う・彼女は人類よりはるかに進化した生命体だったが、3次元の世界で生きるシャインたちに合わせて物質の体で応対していた・シャインたちは「人類を救ってほしい」と彼女に頼むが、善悪の概念を超越している彼女は、どちらか一方を救うことを拒んだ・彼女によれば、アヌヘッドとは宇宙のことわりをも変えうる強大な力を持つ存在で、神に等しい・つまりシャインはアヌヘッドではないという・しかし天の川銀河に古くから伝わる伝説では、アヌヘッド、つまり終極のメシアはいつか必ず現れて、銀河の争いを終わらせると言われている・そしてアヌヘッドは地球人の中から現れると伝わっている・シャインたちは、人類の問題は人類で解決しようと心に決めた・そして再び地球に向かった・アシュラ軍とエンキ派、エンリル派による三つ巴の争いでカオスと化したレムリア・そして世界各地で天変地異が多発した・レムリアの民たちは世界が滅ぶことを予感し、天に、そして神に祈っていた・大洪水が起こる・天からの雨、そして地底から噴き出す無数の水柱により海の水位が急激に上昇した・そしてついに、アシュラ軍を束ねているネガティブ存在ヴァルキアスアシュラがエンキとエンリルの前に姿を現す・彼は黒い鉄仮面で素顔を隠していた・三大賢者やドラゴンゲート、スネークはエンリル派の主力と戦っていた・シャマシュやイナンナ、レムリア四大守護神、そしてザガラをはじめとするエンリル軍の隊長たちが立ち塞がる・激しい戦闘の末、彼らは相打ちになり次々と命を落としていく・シャインとエミリーも合流する・シャインの姿を見たヴァルキアスアシュラは、ついに仮面を取り素顔を晒す・彼の正体は、シャインの実父で伝説の探検家サンエナメルだった・サンは宇宙で遭難した後、アシュラ軍に捕えられたが、そこで彼は衝撃の事実を聞かされた・地球の人類は堕落と争いの末、どんなシナリオの未来を進もうと、滅亡することは決まっている・アシュラ軍はルッキンググラスでそのことを知っていた・地球における全てのタイムラインが滅亡に向かっていたため、もう引き返すことはできなかった・アシュラ軍のボスになったサンエナメルは、影の政府とエンリル派の打倒を目的に、地球侵略を計画した・次第にサンの心は、システィーナを殺したエンリルに対する復讐心で満たされていった・しかし、軍需産業をはじめとする影の政府が金儲けのために大洪水計画を隠蔽し、アシュラ軍を悪者に仕立て上げていた・大洪水は止まることなく人類を飲み込んでいった・ウトナピシュティムとその家族は、立方体の宇宙船に乗りシャインとエミリー、そしてサンエナメルを救出する・エンキとエンリルは、レビテーションのヴリルで空から滅びゆく地球を見つめていた・大洪水は憎しみも怒りも全てを洗い流した・エンリルはようやく、自分が大きな過ちを犯したことを自覚する・人類の文明は完全崩壊し、生き残った人間はほんのわずかだった・エンキとエンリルは、和解の印としてお互いの遺伝子をかけ合わせ、次の時代を担う新たな人類を生み出した・それが後の日本人となる・方舟はアララト山に漂着し、水はしだいに引いていった・その後ウトナピシュティムは星間連合の船に招かれ、永遠の命を授かった・星間連合は、エンリルの計画をすぐに察知できなかったことを謝罪し、滅びた人類の魂を追悼するため、空に虹をかけた・地球の近くにいたアシュラ軍の宇宙船は、遠心力により徐々に地球から距離を置き、後に地球の衛星である月と呼ばれるようになった・シャインやエミリー、サンエナメルなどのわずかに生き残った人類は、船に乗り世界各地に散らばった・生き残ったレムリアの民たちは、ウトナピシュティムのいた東の果ての島国に避難した・ネフィリムやエグリゴリたちは地下に身を隠した・シャインはこれまでの旅の様子を記録した本を作った・人類の滅亡を阻止するための長い旅はついに終わりを迎えた・ここから人類の新たな歴史がゼロから再び始まるのだった
〈完〉
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