愛好家根性
2010年の年末にはじめたアルゼンチンタンゴは
私にとって愛憎あふれるダンスだ。
だから一口に「私の愛するアルゼンチンタンゴ」とは言いにくい。
でも14年も続いているのは何かご縁があるのだろう。(いや、あるのは執着か)
子どもの頃から運動に鈍臭く、走ればビリッケツ飛べばクラスで最低だったのに二十歳で始めたバレエを皮切りに今までダンスを辞めないでいたのは思えば不思議なことだ。
私を踊らせたのは音楽に他ならない。
中学校の部活で加入した管弦楽団が全ての私のアマチュア根性のはじまりだった。
子どもでもこんな音楽を作ることが出来るんだ!と感動したが、所詮は大人の劣化版をできるだけ綺麗に作り上げていることは自覚していた。
だから中学生の上下関係なんてちゃんちゃら可笑しいと思ってなかなか面倒臭い新入生であったことはさておき。
ワルツを弾くと身体が勝手に揺れるのが面白かった。運動嫌いとしては身体を動かしたいという衝動が来るのがなんとも新鮮で争い難い欲求だった。
だから知ってるワルツで踊るクラシックバレエを始めたのだった。
それが巡り巡ってタンゴに踏み込む。
最初知ってたのはピアソラのリベルタンゴ。
バレエの発表会で踊ったピアソラのtango balettoのフガータが次にお気に入りになった。
タンゴダンスを始めてみると
ピアソラは異端児だったことを知る。
現代のオーケストラしか知らないと、えらく録音の悪く、音程もよろしくないアルゼンチンタンゴの曲にクラスで出会ってびっくりする。
タンゴダンスを始めて数年は曲名や楽団なんてそんなに気にしなかった。
でも近年誰かにタンゴダンスを広めようと思ったりスペイン語をはじめてみて、歴史や人物、歌詞などにじっくり向き合うとじわじわ曲への愛しさが出てきた。
そしてワルツで身体が動いたあのときから
はじめて曲のリズムをそのまま踏まなくても気が済むように(!笑)なる。
それは新しい理解。
いつも本物の劣化版であると思っていた自身が、やっと深掘りをしようと腹を括った先のようやくの第一歩だ。
身体についてのそれは、まだ一歩に至ってないが
鋭意努力中である。