【金融業界の就職】人気ランキングと就職偏差値・就活対策
金融業界の就職偏差値ランキング
まずは就職の難易度から紹介しよう。ヒューマンデザイン研究所によると、金融業界への就職偏差値ランキングは以下の通りとなっている。
基本的には外資系投資銀行→政府系銀行→証券会社→メガバンク→損害保険→生命保険→地銀・信金という序列になっている。多くの就活生が、先ほどの展望を予測し、地銀や信金を倦厭している様子が現れている。
なお、金融業界はその待遇ゆえ、高倍率になりがちである。一番人を採用するメガバンクの場合でも50倍程度なので、なんとなくエントリーしても受かる業界ではないことは覚えておいてほしい。
ちなみに、ネット証券で業績を伸ばしている松井証券の倍率は246倍、クレジットカード会社のジェーシービーは153倍だった。
人気企業ランキング
ちなみに、2020年に就活をして2021年4月に入社する大学生を相手にキャリタスが調査した人気企業ランキングは以下の通りだった。
これらの会社に内定しようと思った場合、これから記載する専用の就活対策をしていくことを勧める。
就活時期・学歴・資格について
就活時期について
新卒採用の場合は、金融業界の就活については大学3年生の2月などに行われる冬インターンシップから始まる。ここである程度優秀と認められれば、その後企業側から「説明会」「質問会」と称してアプローチがある。
もちろんインターンに参加せず通常の説明会・面接の順に就活を進めても内定は取れるが、インターン生の方が企業に対してアピールする機会が増えるので、インターンには積極的に参加すると良いだろう。
ただし、優秀でないと判断された場合はそこでペケをつけられてしまうので、準備ができてから参加する方が良いといえる。
学歴について
「金融業界の就職は学歴と関係はあるのか」という質問が例年聞かれるが、結論、ある。というのも、金融業界は新しく覚えないといけないことが多かったり計算が多かったりするため、必然的に高学歴の方が業務適性があるからである。
先ほど人気ランキングと倍率の部分でも記載したが、採用数は予め大学毎に決まっている。そのため、毎年100人取ると決めている大学もあるし、1人も取らなくても別に問題ないという扱いをされている大学もある。
ただ学歴があまり高くない大学の出身であっても、やるべきことをやれば採用されるので、現時点であきらめる必要はないということは覚えておくと良いだろう。
資格について
「銀行は色々な資格が必要になるので簿記などを就活前に取得しておきたい取っておきたい」と考える学生は多いが、公認会計士や税理士などを取らない限り、基本的に有利になることはない。
よく簿記に取り組む学生がいるが、実際に会社に入ってから簿記を使うのは主計部等ごく限られた人だけであり、就活でそこまで有利になることはない。
それより、金融業界は高い営業目標が与えられてそれをクリアしてくことが求められるので、大学時代に何か高い目標を立ててそれをクリアする経験をしておくことを勧める。
その他
銀行が代表的だが、金融業界はカッチリとした服装や言動が求められることが多いので、アパレルやIT業界を受けるのと同じノリでいかないこと。加えて、就職留年をして2度同じ会社を受けると、金融業界では落とされることが多いので注意したい。
内定するための3つのポイント
ポイント1.筆記試験対策を万全にせよ
上述した通り、金融業界は経済や財務のニュースや資格を含めて常に新しいことを学んでいく必要がある。加えて、計算をすることも日常茶飯事なので、SPIに代表される筆記試験ではその基礎能力があるかどうかを判断される。
算数や数学が苦手であれば、できるだけ早めからSPI対策を始めた方が良いだろう。詳しくは以下の動画で解説しているので見ておくことと勧める。
ポイント2.自分の志望動機を各業種と対応させよ
面接においては、なぜ金融業界なのか?→その中でなぜ銀行なのか?→その中でなぜ当社なのか?という形で業界選定理由→業種選定理由→会社選定理由の順で志望動機が聞かれる。
これらに対して論理的かつ自分の経験を根拠に話していかないと突っ込まれて落選してしまうため、正しい志望動機を各業界に合わせて持っておく必要がある。
とはいえ、どんなものが正しい志望動機かを理解するのは難しいと思われるので、以下に一例を示す。自身の思いや体験と一致するものがあれば、これらを参考に志望動機を組み立ててほしい。
・国民(個人)の資産形成に役立ちたい
→銀行(運用全般)、生命保険会社(個人年金)、証券会社(運用全般)
・中小企業の経営を支援したい
→銀行(法人融資)、生命保険会社(法人保険)、損害保険会社(各種保険)、証券(運用全般、M&A)、信託銀行(事業承継、不動産事業)
・どんな業界にも広く生かせる“営業力”を身につけたい
→金融業界全般(形の無いサービスを取り扱うため担当者の営業力が物をいう世界)
・人が幸せに暮らせるための支援をしたい
→銀行(住宅ローン等個人向けローン、預金)、生命保険会社・損害保険会社(各種保険)
・富裕層の人たちへのサービスに興味がある
→銀行(資産運用)、証券(資産運用)、信託銀行(資産運用)、生命保険会社(資産運用)
・災害や事故などで困っている人や会社を助けたい
→生命保険会社・損害保険会社(各種保険)
・市場(マーケット)のフロント業務に携わりたい
→銀行・信託銀行・証券・生命保険会社・損害保険会社等の市場部門
・大規模な事業開発を金融によって支援したい
→銀行・信託銀行・証券
・企業経営に深く関われる仕事がしたい
→銀行・信託銀行・証券
・多額の資金を運用してみたい
→銀行・信託銀行・証券・生命保険会社・損害保険会社等の運用部門、ファンド
・経済や市場の動向を予測する仕事に携わりたい
→銀行・信託銀行・証券・生命保険会社・損害保険会社等の調査部門
・金融を通して生活を便利にする仕事がしたい
→銀行・信託銀行・証券・生命保険会社・損害保険会社等の個人分野の企画部門
・金融の仕組みや商品開発に興味がある
→銀行・信託銀行・証券・生命保険会社・損害保険会社等の法人個人両分野の企画部門
・理系として学んだことや資質を生かしたい
→銀行・信託銀行・証券・生命保険会社・損害保険会社等のリスク管理部門、計数管理部門、商品開発部門
・ヘッジファンドに関心がある
→ファンド
ポイント3.経済や経営について意見を持て
以上の2つのポイントができれば、最終面接には進めるはずだ。しかし最後の相手は役員や頭取であり、そこでは必然的に経営や経済についての話が出る。
そういった話に対応できるよう、日経新聞を読んで経済や経営について会話できるようになっておくことを勧める。「今後伸びそうな事業はどこか」「銀行としてはどこにビジネスチャンスがあるか」「提携すべきfintechの会社はどこか」といったことについてしっかりと意見を持てるようになっておくと良いだろう。
ニュースについて全く調べずに金融業界を受けても、面接官やOBOGとの会話にならない。基本的に新しいことを情報蒐集していくことが必要な業界なのだから、日頃から経済に関するニュースはしっかりとチェックし、ビジネスマンとしての視点を持つことが重要だ。
できるだけ早くに就活準備を始めよう
早期準備が金融業界の内定獲得には必須
金融業界への就職活動について書いてきたが、やはりこの業界は年収も良いし、スキルや専門性も身について転職もしやすいため、ファーストキャリアで選ぶに値する業界であるといえる。
とはいえ、高倍率な業界であるし選考基準も高いため、何も考えずに受かることはない。筆記試験対策や面接対策を始め、日頃から着々と準備を始めないと内定はおぼつかないので、できるだけ早くから就活対策をしてほしい。
特に、就職偏差値の高い金融機関に内定するためには、論理的思考力の高さも重要だ。文系の学生はこの辺りが弱いので訓練して身につけてほしい。
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