FM2 FileMakerの基本事項
FileMakerで校務支援システムを作る前にFileMakerの基本的な事項の復習をしておきます。
抑えておきたい言葉は、テーブル、フィールド、テーブルオカレンス、レイアウトです。この4つの言葉の意味とFileMakerでの考え方を説明します。
1.テーブル・フィールド
FileMakerで登録していきたいデータがあれば、まずはそのデータを入れるための入れ物を用意します。その入れ物をテーブルと言います。
テーブルの中には項目を用意します。その項目名をフィールドと言います。
2.レイアウト
FileMakerでは、テーブルを用意してもすぐにデータを書き込めるわけではありません。
データの閲覧・書き込み・書き出しどれであっても必ずレイアウトが必要です。
レイアウトには、フォーム形式(1レコードずつ表示する)、リスト形式(複数レコードを並べて表示する)、表形式(EXCELのように表示する)が用意されています。
このうちフォーム形式とリスト形式では、フィールドの場所を自分で設定して、実際のユーザが使うインターフェイスを作り上げていきます。
表形式はEXCELのような表示になっているだけなのでデータをざっくり眺めたり、データの取り出しを行うときに使います。
テーブルの中身を見るときには必ずレイアウトが必要なので、私は、すべてのテーブルに対してひとつ表形式のレイアウトを用意しています。
ユーザが使う画面ではデータの取り出しや、データの全体像の把握がしにくいためです。
3.テーブルオカレンス
最後にテーブルオカレンスの説明をします。FileMaker独特の考え方なのでFileMakerに慣れていない人には馴染みがないかもしれません。
レイアウトとテーブルをつなぐものがテーブルオカレンスです。
FileMakerは前回に書きましたようにリレーショナルデータベースです。テーブル同士をリレーションで結んでいくことでデータの引き出しを行います。
実現したいレイアウトごとに必要なリレーションは異なります。
ですので、同じテーブルでも複数パターンのリレーションを結ぶ必要があります。
例えば、「テーブル1」は「テーブル2」と「テーブル3」に別々のリレーションを結んでいるという状態です。
テーブル1――テーブル2
テーブル1――テーブル3
このとき「テーブル1」が見かけ上2つ必要になります。この見かけ上の「テーブル1」たちを「テーブル1」のテーブルオカレンスと言います。
つまりテーブルのアバターとなりテーブル同士のリレーションを結ぶものがテーブルオカレンスです。
レイアウトには必ずひとつのテーブルオカレンスを指定する必要があります。
ひとつのテーブルオカレンスが複数のレイアウトから指定されることはできます。
基本的には、ひとつのレイアウトにひとつのテーブルオカレンスという状態にしておくといいでしょう。
テーブルオカレンスを使い回すと、別のレイアウトでの検索結果によって、意図しないレコードの表示になる可能性があります。
一方で同じような目的のレイアウトにも関わらずテーブルオカレンスを無駄に増やしてしまうと管理が面倒になります。
ケースバイケースですが、失敗しながら要領よくやっていきましょう。
4.まとめ
テーブル :データを入れるための箱
フィールド:テーブル内の項目
レイアウト:ユーザが実際に目にする操作画面
テーブルオカレンス:テーブルとレイアウトをつなぐドアのようなもの。テーブル同士のリレーションを結ぶ。
このようにまとめることができると思います。
では、次回から具体的に校務支援システムを構築していこうと思います。
(これ前回も同じこと言っていますね笑)