毒の沼
私の育った家庭はいわゆる毒親、毒になる親、機能不全家族で
本やTVの中に登場する「家族」や「家庭」とは大分かけ離れたものだった。
小さいころは「私の家だけがおかしいのだろう」と思っていたが
成長して気付いたのは自分の親だけでなく周りの親も毒親だらけだったということ。
毒親が当たり前の地域。
毒親から逃げ出すことができない、ここは毒の沼。
私の住んでいる地域はとても貧しかった。
家の周りにあるのは畑と田んぼと畜舎でその中に住宅が点々と。
その住宅も築50年以上のボロボロの家や、新築で立てたが人が入らずに老朽化して放置された空き家も多かった。
空き家の壁はスプレーで落書きされ、窓を割られ、
ヤンキーの溜り場になっていたり、浮浪者が住み着いていたり
「暇だから」という理由で家に火を付けられたりと
治安も最悪だった。
学校より高い建物は存在せず
コンビニもファミレスもファーストフードもない。
街灯もないから夜になると真っ暗で
さらに昼間だろうと変質者や刃物を持った不審者、
イケナイお薬をキメたヤバイやつが当たり前のようにうろついている地域だった。
小さいころはニュースをみてよくこう思った。
「なんでこの人はこの程度で逮捕されるのに、私の周りにいる人たちは逮捕されないんだろう」