「フィルムエストTV」10周年記念トークライブに行きました!
「フィルムエストTV」さんのトークライブに行ってきましたレポです。
「フィルムエストTV」は、監督・にしいさんを中心に、昭和風の動画で現在を表現するYouTubeチャンネルです。にしいさんは29歳、れっきとした平成生まれなのですが、独自の研究による「昭和っぽさ」演出をしておられます。
私はレトロなものが好きで、コロナ禍の時期にこのチャンネルを知って以来愛聴してきました。私が一番好きな動画は「雨の公衆電話のイメージ」。短いながら細かな演出が面白すぎる。しかも提供画面やCMにいたるまでフィルムエストが作成しているんです。すごくないですか?!
他にもお調子者なレポーター「秋ちゃん」と司会者「笹沼さん」の掛け合いが楽しい「リアルナイトかんさい」や、友近さんが出演されている迫真の「知りすぎた女」、「テレワーク」などのシリーズものをはじめ、「こういう演出あるよね〜」と懐かしさを感じる動画がたくさん公開されています。私自身もこうした昭和〜平成初期の雰囲気をリアルタイムで知っているわけではないのですが、テレビの再放送やハプニング集で見る「あの感じ」、どの世代にも刺さると思います。
そんなフィルムエストは今年で10周年ということで(おめでとうございます!)初のトークライブの開催。現地参加してきました!
開演までのあいだ、物販でいろいろとグッズを購入しました。とてもよい。
最初のドリンクとともに振る舞われたのが、この動画で実名登場する「志たあめ屋」さんのケーキ「たぬきさん」。見た目も可愛く、めちゃくちゃおいしかったです。バタークリームのケーキということで胃に溜まる系なのかな?と思ってたのですが、チョコレートとの相性が抜群でペロッと食べてしまいました。
余談ですが、「たぬきケーキ」については、この動画以前にNHKの番組「グレーテルのかまど」で扱われて知っていたので、実物を食べることができて嬉しかったです。「グレーテル」でも話題になっていたのはこのたぬきたちがいまや「絶滅危惧種」であること。昭和40年ごろに大流行になり、昔は全国に「たぬきケーキ」を売るお店があったそうですが、今では数少なくなってきたとのこと。志たあめ屋さんはその一軒ということで、自店と他店のたぬきケーキを一緒に販売する「たぬきケーキまつり」を開催されているそうです。
さて、開演。司会のMBS福島暢啓アナとにしいさんの登場に拍手が鳴り止みません。福島アナは昭和のテレビ動画がお好きなアナウンサーさんで、フィルムエストの動画のいくつかでナレーションを担当していらっしゃいます。私はこのフィルムエストPV動画の福島アナのナレーションが好きです。先日「オールスター感謝」にも出演しておられましたが、最近は「タピオカ抜き」のおかげで「タピオカの人」とよく呼ばれるそうです。
まずは「映像」面に注目したトーク。
ロケ場所として選ぶなら?というテーマで4択クイズが2問出されました。周囲の建物の雰囲気、撮った時の看板の位置、道路の広さ、などなどで決められているとのこと。
そして、「文字」について。フィルムエストの動画では、テロップ、タイトル、ロゴなど多種多様な文字が登場します。手書きしたり、写植機を用いたり、Illustratorで作ったりしているそうです。最も驚いたのは、「リアルナイトかんさい」シリーズの時刻表示。さりげないですが、「このようなフォントがなかなかない」とのことで、1分毎にそれぞれイラレで作成されたそうです。すごいこだわり……!
フィルムエストに登場する架空のテレビ局、「神戸テレビ放送」についてや、その大口スポンサー(?)である「阪南澱粉」と「三東電器」のおはなしも。阪南澱粉は最近本社を東京に移したそうです(笑)。
続いて、「音」面。
フィルムエストの動画は昭和風のアナウンスも特徴的ですが、女声も含めほとんど、にしいさんの声からピッチを変えるなどして再現されています。音楽は音源を購入したり、にしいさんやご友人が作られているとのこと。「2時のワイド・スタジオ」のテーマ曲はキダ・タローさんっぽさを意識した選曲だそうです。
ここからゲストが登場。この方は説明不要でしょう、友近さん。後輩を通じてフィルムエストを知り、自らアポイントを取って出演に至ったとのこと。「たぬきケーキ」の動画がお気に入りだそうです。また、友近さんの友人である、あのマツコ・デラックスさんも動画を見てくれたそうです。フィルムエスト地上波進出の日も近い……?
ちなみに、友近さんがもともとコントで演じてきたキャラのうちに「西尾一男」がいます。ピザ屋(など)で働くおじさんです。彼は典型的関西のおっちゃん風な話し方ですが、友近さんによると、彼のモデルは愛媛の焼肉屋のおじさんであり、話し言葉もよく聞くと愛媛の方言であるそうです。「西尾一男」が好きなのでこんなところで思わぬエピソードが聞けてうれしい私でした。
二人目のゲストは真山隼人さん。浪曲師で、29歳とは思えない熟練した話術をお持ちです。軽妙なトークで場を湧かせていました。上方落語家っぽい関西弁が特徴的な真山さんですが、出身は三重県で、師匠から訛りを指摘され、試行錯誤しながら身につけたものだそうです。大阪弁は語尾が伸びる傾向にありますが、真山さんの話し方は江戸っぽく、語尾をパシッと切ることが特徴的だとのことです。
フィルムエストで大活躍の「秋ちゃん」こと秋山さんももしかしたら出演するかも? とのことだったのですが、あいにく本業がお忙しく本日は来られませんでした。
質問コーナーではかなり昭和映像に詳しいらしい方からの質問や、なんとにしいさんの同級生だという方からも質問が。(にしいさん、大変驚いておられました)
たくさんの質問に答えておられましたが、特に興味深かったものを紹介します。
いわゆるバブル期風の動画が少ない理由:どうしても当時の勢いを越えられないから。また、今の時代に持ってくると、現代のコンプラ上問題が含まれるため。
福島さん、真山さん、友近さんから見たにしいさんのいいところ(上述の同級生の方からの質問):三者共通の意見として、好きなもの、いいものをひたむきに作っていく姿勢と、その結果として「夢を叶えてくれる」ところが好きだそうです。
友近さんとのコラボ第2弾は、どうやら「2時間ドラマ」風になるようです。2時間ドラマ大好き人間であるわたくし中津聖葉、期待せずにいられません!(2時間ドラマ好き話はまたどこかでしようと思います)
会場で参加してみて、出演者のみなさん、特ににしいさんの「ザ・いい人」オーラに包まれてすごく暖かい空気でした。映像・音へのこだわりを聞いて、にしいさんはかなりストイックな方だということを改めて感じましたが、いわゆる「ヤな感じ」なクリエイターではなく、すごく愛される人柄が伝わってきました。今では出演者もかなり増えてきたそうですが、動画のクオリティに加えにしいさんの人柄も大きいのでしょう。
また、会場のみんなで「秋ちゃん」や「清子」などを見て笑えたことが楽しかったです。YouTubeをスマホで見ているとどうしても一人で視聴することになりますが、この時は家族揃ってお茶の間で見ているような気持ちになりました。
楽しすぎるあっという間の2時間でした。第2弾も期待したい、その時は秋ちゃんにもぜひお目にかかりたいです。
4月24日までアーカイブが購入できるそうですので、興味のある方はぜひに。