創作》宛先
面倒臭がりな私は、自分のメールアドレスを電話帳に登録している。
友達に教えたりする時、管理者情報とか、携帯をいちいち弄るのが面倒だから。
登録者名は「じぶん」にしてある。
ある日、「じぶん」からメールが来た。
内容は
「死にそう」
と一言だけ。
気味が悪くてすぐ消した。
数日後、酷い風邪をひいて寝込んだ。
友達から
「大丈夫?」
とメールが来た。
私は熱で朦朧としながら返信した。
すると数時間後にその友人が
「返信が来ないから心配で来ちゃったよ」
と見舞いに来た。
誰かに間違えて返信したのかな、と携帯の送信履歴を見たら「じぶん」宛てに返信していた。
内容は
「死にそう」
と一言だけ。
朗読版
original post:http://novel.ark-under.net/short/ss/94