ネタバレ》スタァライトされてバナナになった話
少女☆歌劇 レヴュースタァライトのアニメと劇場版を見たので、ネタバレしつつ、考察とか感想とかをつらつら書いていきます。
観てない人は観てから読んでください。
観てない人への考慮なし垂れ流し感想です。
レヴュースタァライトを観たきっかけ
レヴュースタァライトを知ったのは、実は音ゲーのチュウニズムだった。
チュウニズムにアニメの新曲で「Star Divine」が収録されて、やってみたら譜面もかなり楽しいし、いい曲で気に入りまして。
iTunesで探して購入して、たまに聞くくらいは好きな曲の1つ。
最初はジャケットイラストでなんか武器持ってるから、女の子同士のバトルものかと思ってて。でも曲の歌詞では「舞台に生かされてる」と出てくるから、そういう戦いものの演劇とかなのかな?みたいな。
この曲がいいとツイートしたら、アニメも面白いと聞いていつか時間できたら観たいなぁくらいには思ってました。
ただ、ハマると生活を放り出すほどのめり込む体質なので、新規作品の摂取はすぐすぐ出来ないんですよね。
んで、ここ最近になって「劇場版レヴュースタァライトがすごい」とTLでちょこちょこ見かけるようになり。
(実際にはフォロワー達ではなく、沼った数人によるRTだったけども)
あ、劇場版やってるのか、でも観に行くならアニメのほう観ときたいなー、と思ってついに見ることにしました。
軽い気持ちでアニメを観たらスタァライトされてしまった
dアニメストアで検索すると、アニメも舞台も見れるのでとりあえずアニメをみることに。
とりあえず、と流し見始めて、だんだん後悔してきた。
これは、流し見できないやつだ。
歌劇を学ぶ女の子達の青春ものかと思いきや、放課後に謎のキリンが主宰する、レヴューオーディションという名のキラめきを賭けた殴り合い(物理)が開始。
「歌って踊って、奪い合いましょう」
なんでキリンなんだよ。
いい声だなって思ったらCV津田健次郎じゃん。
うせやろ。
個人的にはこのレヴュー前に入る変身バンクがすごい好き。
変身といっても、魔法少女にではなく、舞台少女にだけど。
「アタシ再生産」
約束の髪留めを材料に鋳造が行われ、武器が生成され、糸が紡がれ、縫製されて、衣装ができてく過程が実にいい。
古めかしい機械が規則正しく糸を紡ぎ、丁寧に縫製、金糸を刺し、プレスして出来上がるナポレオンジャケット。
金のボタンに白ファーの上掛け、金のループやフリルタイ。可愛くて勇ましい衣装を収めたクローゼット。
いやー、すばらしい。
ロシア・アバンギャルドってやつかな。
そうやって変身したら、歌って踊って、、、物理的に殴り合ってる。
うせやろ(2回目)
舞台の上で感情をぶつけ合って、歌いながら踊りながら戦ってて、なんでしょうね、新しいものを観てしまった、という気持ち。
なるほど、これがキラめき。
これが、スタァライトか、と。
アニメは舞台少女版のウテナだった
1クール12話で、それぞれのキャラが抱えた感情を暴きながら、キラめきをかけた戦いが行われてくわけだけど、これがまた色々で面白い。
レヴューもただ殴り合ってるわけじゃなくて、それぞれの感情や想いに応えた舞台装置が出てきて、動いて、それらを使った戦い方をするので、はちゃめちゃに面白い。
いろんな表現があるし、武器もみんな違う。
個人的にはまひるちゃんのレヴューがいいですね。
友達以上の感情を華恋ちゃんにぶつけていくまひるちゃん。ヤンデレラ。
それぞれのレヴューはちゃんと照らし合わせてないけど、第99回のスタァライトの女神の役割通りっぽいかんじ。
絶望:なな
嫉妬:まひる
激昂:純那
逃避:香子
傲慢:華恋
呪縛:双葉
真矢とクロディーヌはそれぞれ主演だったから、またちょっと違うのかな🤔
華恋ちゃんとひかりちゃんの約束がベースで、それが最終的に舞台『スタァライト』に集約していく感じ。
レヴューオーディションという戦いそのものが、スタァライトを体現してる。
そしてキリンのいう『奪い合い』がトップスタァの座だけだと思ったけど、それだけじゃなかったっていうね。
うせやろ(3回目)
ちなみにスタァライトを知るきっかけになった『Star Divine』はクライマックスの10話目で流れたので、大変滾りましたねー。
「舞台に生かされている」
二人で戦っちゃうんだもん。
これこそ華恋ちゃんが目指してた形だったもんね。
そして大団円へ、、、と思ったら、それで終わらないのがすごい。
10話の対決のあとの展開といい、演出の仕方といい、なんというか、アニメ版のウテナを感じたんですよね。
なので調べたら、監督の古川知宏さんて、ウテナやピンドラの幾原監督の直弟子だったんですね。
なるほどこれが幾原イズムか、という感じ。
まだこっちは救いはあったけど、アニメ版ウテナの最終回は…。
いや、この話はやめよう。
大場ななとロンドと劇場版
アニメ後半で明かされる、ループの真実とアニメ後に公開された新規カット多数の総集編『ロンド・ロンド・ロンド』を見ると、劇場版の大場ななに納得してしまうんだよなぁ。
なんでそんなに99回公演に執着したのか。
劇場版の最初のレヴューがなぜ、皆殺しだったのか。
見返すとアニメ版で大場ななが不自然にフィーチャーされていた理由も納得する。
実は、何気にアニメ版しか見てない時点では、劇場版を見た勢がなぜ大場ななに衝撃うけてたのか分からんかったのですよ。
キーパーソンだけど、華恋ちゃんやひかりちゃんほど掘り下げられてなかったから。
大場ななが99回公演という執着、クラスメイトを文字通りに切り捨てた。
そうすることで見えたのは、眩しさの原因ーー純那ちゃん。
それがわかった瞬間、彼女もヒトだった、一番激情を秘めてたのは、バナナ、お前だったんだね、と思い知った感じ。
レヴュー スタァライトは、主人公は愛城華恋で、主役は大場ななだったんだ。
そりゃー劇場版見た人たちが「大場なな」って鳴くわけだよなーーー
劇場版は舞台少女のためのアンコール。
アニメ版もロンド×3も、2年生と1年生の回想しかない。
彼女たちはその後どうなったのか、どんな選択をしたのか。
列車は必ず次の駅へ。
では、舞台は?
それが見れるのが劇場版。
だからこそ、観客が望んだ、次の駅へ、次の舞台へ向かうための物語が、劇場版だった。
劇場版はレヴュー中心で、どれもすごかった。
ちょうど観たのがいい音響のやつだったので、より迫力がでたんだろうなって思う。
大場ななが超絶無双で皆殺ししたり、香子ちゃんと双葉のデコトラ対決始めたり。
デコトラとか久々に見たわ。
まひるちゃんがひかりちゃんに「大嫌い!」ってしっかり伝えるレヴューも最高だったなぁ。
野菜のキリンはめちゃくちゃ怖かった。
キリン=約束のタワー🗼?
あと、劇場版見てて思ったのは、主宰がキリン🦒だった理由。
劇中で東京タワーの足元と、先端が折れて刺さった絵が出た時に、だからキリンだったのか、と気付きました。
水飲んでる時のキリンに見えたんだ。
アニメ版見返すといっぱい示唆があったね。
結局キリンはキラめきの糧であったわけだから、約束のタワー、東京タワーでありスタァライトの星摘みの塔でもあった。
そう考えると、約束という想いがずっと「奪い合いましょう」って囁いてたのか、と思うと怖いな…。
しかし、あそこまで何度も東京タワーがぶっ壊されるアニメってそう無いよね。
破壊されすぎて、だんだん不憫に思えたよ。
そして僕らは大場ななになる
スタァライトされてしまって、眩しくて忘れられなかったら、もう大場ななのように繰り返すしか出来なくなるわけですよ。
劇場版を観て帰ってから、アニメ版をまたみています。
ロンド×3もアニメ版の後またみるでしょう。
そして時間が合えばまた劇場版を観に行こうと思う。
そうやって繰り返すんだ。
ぐるぐるぐるぐると。
終わらせる為のレヴューの招待はこないから、ずっと繰り返すしかないんだろうな。