ジャム
ぼんやりと前の空き地を見ると
何とたわわに、ヨウシュヤマゴボウが実をつけていた。
今年もそんな時期かと思い
ハサミ片手に摘みにゆく。
タベテ、タベテヨ…
アマイヨ、オイシイヨ…
ちんまりと艶やかな実たちが、口ぐちにまくしたてる。
食べない。だって毒だもの。
せっかくなので
鍋でクツクツ煮て、ジャムを作ることにする。
そおっと混ぜながら、サラサラと砂糖を加え
とくとくとくと レモン汁を入れる。
キッチンに漂う甘酸っぱい香り。
危うく味見しそうになるが
はっ、として口から遠ざけた。
会心のでき。
丁寧にビンに詰め
仄暗い冷蔵庫のなか
去年のビンの隣りに コトリ…と置いた。
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