サマリーは何のため、何を書く?(ゲームのルールの伝言ゲーム)
こちらはアナログゲームマガジンの連載「ゲームのルールの伝言ゲーム」の24回目、途中から有料となります。文字数は約4,000字です。
はじめに
4/9(日)に開催される名古屋ボードゲーム楽市のスタッフ枠です。
是非来てください。
……と書くことで、4/8までの投稿を自分と約束しました。
今回のお題はサマリーです。説明書とゲームコンポーネントの「合いの子」と言える存在です。
そもそもサマリーとは
日本語では「要旨、要約」。
アナログゲームの内容物では「早見表」「プレイヤーエイド」と呼ばれることもあります。
そのゲームのルールが、だいたいどんな内容か、大事なところをピックアップして、手に取りやすいサイズの紙面1枚以上にまとめたものです。
こんな記事もあります。
アナログゲームに慣れた人が「サマリー」という表現をすることが多いです。慣れていない人には一般的な表現ではないので注意しましょう。
最近発売された、ルールが多めのアナログゲームでは、サマリーが付属していることが多いです。
昔のゲームだと、ルール量がそこまで多くないことも一因ですが、サマリーはあまり付いていませんでした。自分で作るか、有志が作ってplay:gameにアップしたものを使わせてもらう日々でした。
説明書も内容物も豪華になってきていて、ルールの分かりやすさが求められているのにも合わせて、今は付いているという印象。
今は良い時代です。その分お高いですが。
何のために使うのか
こちらによると、サマリーについて次のように語られています。
あるゲームについて、しっかりルール説明したとします。
その後すぐ、「説明終わりー、じゃあプレーするよー!」と進んでも、ルールの全てをゲーム終了時まで覚えていられる人は多くありません。
ましてや、役の種類なんて覚えづらいです。
また、以下の記事には、サマリーについて非常に参考になることが書いてあります。
https://allabout.co.jp/gm/gc/215871/
具体的です。
能力一覧がある方が、ゲーム全体を見渡しやすいですよね。
3 )が少し分かりにくいかもしれません。
フローチャートを想像してみましょう。「Aの場合は●●をするが、Aでなかった場合は△△を行う」、そんな場合分けが複雑な場合が考えられます。
また、メインとなるアクションフェイズが2つ以上あり、フェイズ1では時計回りの手番、フェイズ2では反時計回りに……というゲームの場合もあると思います。
こうとも書かれています。
要は、「ルール、こんな感じだったはず」と覚え続ける手間を減らして、「こうしたら勝利に近づくかも!」と考える脳みその余裕を与えてくれるのです。そして、初心者と既プレイヤーの経験差を縮めます。
「マジカルナンバー4」という言葉を御存知でしょうか。
人間の短期記憶は、4±1個のチャンク(グループ)を覚えておくのが限界である、という説です。つまり3~5個。
「マジカルナンバー7」ではなくなっていたんですね。
なので、容量はなるべく空けておきたいものです。
サマリーは、「これ見ながら説明するね」と、ルール説明の補助に使うこともできます。
自分は長期記憶がポンコツなので、ゲームを遊んで、後日また遊ぶ際にはだいたい忘れています。思い出すキッカケとしてサマリーを使うのが効率的です。
サマリーの現物レビュー
ここからは、実際のゲームにおけるサマリーを見て、考えていきます。
サポテカ
「リファレンスカード」という名称で、おおむね以下のような内容です。
カードを5枚出すだけなのに考え所の多い、苦しくて幸せなゲームです。
メインである「2.首都アクション」の選択肢が4つあり、それぞれ実行する条件、必要な資源があるため、サマリーがあった方が遊びやすいのは確かです。
サマリーでは手番の流れが簡潔に記されています。
首都アクションについては必要資源がアイコンで明記されています。
あえて指摘すると、首都アクションは、単に4択というわけではなく、4アクションとも回数や順番に制限がないので、それを書いておくと、より遊びやすいかもしれません。
また、「3.建設ステップ」では、通常の家だけではなく、ゲーム中1回だけ宮殿の建設ができることを忘れがちです。何か記載しておくと良いでしょう。
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