備忘録9.結婚式

私たちの場合、身内のみでの海外挙式でした。

それは、結婚してから2年ほどたった時の事。

「そろそろ結婚式挙げないの?挙げておきましょうよ」という義母の一言から始まりました。誰にも言っていなかったけれど、私は自分の髪で結い上げた頭にヴェールをかぶせることが一つの目標でした。当時、私の髪はまだかろうじて高い位置で結べるようになったくらいの長さで、まだ長さが足りていませんでした。また、デブと呼ぶにはまだ足りないギリギリの丸みを持った当時の私。髪が伸びるまでに絞っておこうと自分の中で決めていた頃に持ち掛けられた話でした。

でも、当時の私はそれを口に出す勇気もなく、言われるがままに準備を進めてゆきました。ドレスや靴、パニエなど必要なものを探したりしていましたが、なかなかエンジンがかからなかったことを覚えています。

行先や宿などを考えてくれて、後に夫が必要な分をお返しするとはいえ費用も出してくれて。そこに私の些細なわがままなど入れてはいけないと言い聞かせて。

(ついでに、裏では実家で何やらわちゃわちゃしている時期だった、というのはずっと後になってから聞かされたことで、タイミング的には芳しくはなかったことを後に何度も聞かされることに。)

結婚式というのは自分たちだけで挙げる場合はともかく、誰かに来てもらって祝う場合は、相手のために行うものであることを体感・実感するのでした。当時家族に起きていた出来事は10年以上経った今でも、愚痴として私に飛んでくる事があります。食べ物の恨みは本当に恐ろしいです。こういう思い出として残り続けるのなら、しなくてもよかったかもしれないな、とも思うことがあります。でも、しなければしないできっと、違う後悔が残ったのだろうなとも。

式自体、旅行自体に不満はありませんでした。私一人では海外に行くこと自体が夢のような話で、もともと旅行に興味がないと自分に対して思っていた私には不思議体験のひとつです。

式当時の写真やパンフレット、その他の形ある思い出は全て置いてきたので、とっくに焼却処分されていることをただ祈っています。

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