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高校生の生徒の皆さんへ。学校生活で目指してほしい「プロアクティブ」な姿勢。

 今日は「プロアクティブ」についてお話しします。

 プロアクティブってどういう意味でしょう。プロアクティブはよく「主体的」と訳されます。でも「主体的」と言われると元の英語の意味とちょっと違うような気がします。「プロ」は「前に」、「アクティブ」は「動きがある様子」ですから、自然と前に向かって動いていく様子です。
 プロアクティブの反対語はリアクティブです。リアクションが名詞でリアクティブは形容詞ですから「反応的」などと訳されますが、これもちょっと違う気がします。リアクティブは自分で考えて決められず、人が言うからとか、みんながやっているからとか、自分の意志ではないところで行動してしまう様子だと思います。
 これはまずいですよね。ですからプロアクティブに自分で判断して行動することが大切なのです。

 では、何がその判断の基準になるのでしょうか。
 皆さんは将来なんらかの仕事をすることになるでしょう。この時、プロアクティブでなければ、言われたとおりにやるロボットか奴隷のようになってしまいます。社畜って言いますよね。私たちは生徒の皆さんにロボットのようになってほしくない。
 一方、自分でやりたいようにやればいいと言っても、自分勝手にふるまうのは犯罪者への道です。お客さんが喜ぶからと言って、お店の売り物を勝手にお客さんにあげるわけにはいきません。役に立つどころか迷惑な人間です。むしろ犯罪者への道です。みなさんにはもちろん犯罪者にも迷惑者にもなってもらいたくない。
 プロアクティブは放物線の頂上にあるのです。右側がロボットへの道で、左側が犯罪者への道です。ちょうどよいプロアクティブでいる判断はとても難しいのです。

 では、何に従えばいいのか、それが「原則」です。正しいこと正しくないこと、良いこと悪いこと、美しいこと美しくないことこういった価値観の「原則」を見つけることが必要です。
 原則は学校生活の中にあります。例えば、授業の問いの中に、先生の言葉の中に、先輩の行動の中に、試合の中に、歌の中に、主人公のセリフの中に、押しのふるまいの中に正しいこと良いこと美しいことの原則を見つけ出してください。

 学校では、先生が、これは正しいです。とか、役立つことをしなさい、とかいうかもしれません。でも、言われたからやるのはリアクティブです。それが、どういうことか、自分の心の中にきちんと落として、これは原則だなと気づいて、自分でしっかり判断して正しいこと良いこと美しいことができるようになってほしいと思います。授業も丸をもらうために勉強しているのではありません。これが正しいということは、こっちも正しいのだなという自分の判断材料を作るために勉強しているのです。

 今年度はぜひ、ちょうどよい放物線の頂上のプロアクティブを探す1年にしてください。

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