和希氏の「心中・恋の大和路」

大変幸運なことにドラマシティでの観劇が叶った和希そら氏の「心中・恋の大和路」。ラストは客席の涙を誘う舞台でした。感想いってみましょう。

和希そら氏のどこか憎めない忠兵衛像

かわいらしいお顔立ち、そして梅川が好きで好きでたまらず必死な和希そら氏演じる忠兵衛さんはどこか憎めない。八右衛門さんに借りたお金を使った言い訳をする場面でも、梅川を引き留めたい思いを一生懸命伝えるその必死さに思わず同情してしまう。和希氏の普段のお人柄までにじみ出る?忠兵衛さんでした。

私が観劇した回では、セットのドアのたてつけが悪かったようで、なにもない場面にも関わらずドアのせいで客席から笑いまで出ていましたが、それもアドリブに取り入れて客席の笑いを誘う和希氏の舞台度胸さすが。

本当に儚くてかわいい夢白様の梅川

忠兵衛さんのお父さんから、「これはキセルより重いものを持ったことがない手だ」と言われるそのままの儚い梅川さん。置屋を出て雪山までの心中までのぼろぼろの姿もまぁなんて美しいこと。

さすがの貫禄のかちゃ

忠兵衛さんが頼ってしまうのも納得の貫禄。ラスト雪山の場面の歌唱も圧巻!

涙なくしては見られない汝鳥さん!

梅川さんとのやりとりの場面。せがれを思う親の気持ちの吐露に涙が溢れました。

雪組の組子の芸達者なこと

初恋に苦悩する与平の諏訪さきちゃん、美貌に花魁の衣装がよく映えるかもん太夫の妃華ゆきのちゃん、まなはる様、愛すみれ様はじめ下級生に至るまで芝居心あふれてて客席に感動を与えてくれる。やっぱり雪組は最高!

雪組ファンはみな「夢さーん」(ドラえもーんじゃないけど)と言いたくなったことでしょう

ついこの間まで、50両どころか1000両もぽーんと出してくれる夢さんという強力なパトロンをお持ちだった雪組のみなさま。今回は懐が寂しく感じるよね・・・