見出し画像

めぐるピープル13「にこにこ食堂」

いやー、寒くなって来ましたねー!
冷えた手を子どものほっぺで暖めようとして全力で逃げられる、めぐるスイッチのスイちゃんです。こんな時は心が熱くなるようなお話をご紹介したい…!
というわけで、地域で活動する人たちを紹介していく連載記事「めぐるピープル」、今回は坂下で子ども食堂からスタートし、現在は寄付された野菜などの食材を配布する“フードパントリー”を毎月一回開催されている「にこにこ食堂」さんにお話を伺いました。


月に一度の子ども食堂から、食材配布活動へ

集会所の広い和室にコの字に並んだ座卓。野菜たっぷりのカレーと彩り豊かな野菜の付け合わせ、バレンタインにはチョコバナナがついたり、ダチョウの卵をその場で割ってスクランブルエッグにしたことも。

にこにこ文中6

参加者は子連れのママやパパ、高校生の姿も少なくありません。畳に座ってカレーをいただき、食べ終えた子どもたちが遊ぶ様子を眺めながらおしゃべり…。新型コロナウイルスの流行前は、こんな和やかなイベントが毎月開かれていました。

にこにこ文中1

現在は、新型コロナウイルスの影響で食事の提供を中止し、板橋区に倉庫のある有機・低農薬野菜などの宅配会社らでぃっしゅぼーやの野菜をはじめ、寄付で集まった食材などの配布活動を中心に活動しています。
「最近は毎月一度、にこにこで待ち合わせっていう人が多いんです」と話すのは運営の山田アキ菜さん。
代表の大森大さんも「渋谷の忠犬ハチ公像みたいですよね」と笑います。

にこにこ文中2


きっと誰もが、安心できるつながりを求めている

児童虐待問題に長年取り組んできた大森さんは、地域のネットワークを活性化することが虐待防止につながると考え、子ども食堂の取り組みを始めたのだそうです。
「今、虐待で傷ついている子どもがいても、大人が100人つながっていれば死には絶対至らない。例えば親が尊敬できなくても、近所のお兄さんに憧れたり、顔見知りの人がかけてくれた優しい言葉があれば、それが心の拠り所になるんです。」

にこにこ文中4

職場で大森さんと知り合い、活動を手伝うようになったという山田さんは、現在受験生と高校生の息子さんのママ。お子さんたちが小さい頃、いわゆるワンオペ育児で苦労されたことがこの活動の原点になっているといいます。
「周りのお父さんお母さんが本当に助けてくれて。ごはんを持ち寄ったり、交代で子どもを見ている間に買い物に行かせてもらったり。あの頃の恩返しに、今の空いている時間を還元したいなと思っています。」

にこにこ文中7


つながりから生まれる、新しいつながり

以前、区外の育児支援団体からにこにこ食堂に粉ミルクの寄付があり、区内で子育てサロンをしているnerucoを通じてミルクの配布会を開催したのだそう。とても反響があり、それ以来neruco独自で粉ミルクを手配して一緒に配布会をするようになったといいます。

にこにこ文中8

また、にこにこ食堂の活動に刺激を受けた大山の美エールというスムージーのお店が、にこにこ食堂の協力でパントリー活動をスタート。
「ご縁がどんどん広がっているのを実感しています。」と山田さんは微笑みます。

にこにこ文中10

こども食堂やパントリー活動というと、経済的な困窮者を助けるという側面が強調されがちですが、経済的な状況よりも、どう人とつながっているかが重要だと大森さんは語ります。
ひとつひとつの点を線で結んでいきたいという、お二人の熱い情熱に心が熱く震えました。

にこにこ人物

にこにこ食堂 代表 大森大さん(右)、副代表 山田アキ菜さん(左) 
公式サイト:facebook
写真提供:にこにこ食堂(2021年撮影)
取材日:2021.11.19
活動分類:地域交流、子育て支援 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?