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簿記3級から半年で税理士簿記論に独学合格するまで

簿記3級を取得してから半年で税理士簿記論に独学合格した際に、どのような勉強を行なっていたのか紹介します。

今回、独学で半年合格を目指すという無理くりなスケジュールなので、必要ないと思うものはできる限り省いて効率的に自分なりに勉強を進めたつもりなので、どんなスケジュールで、どんな最小限の教材を使えば、合格までたどり着けるのか、皆さんの参考になれば嬉しいです。

ちなみに、本記事では簿記3級は取得済みなことを前提にしているので、簿記3級について知りたい場合は、以下の記事を見てみてください。

合格までのスケジュール

まず、税理士試験 簿記論合格までの私のスケジュールは以下の通りでした。

  • 2月中旬   簿記3級 合格

  • 4月上旬   簿記2級 合格

  • 4月下旬   簿記1級 申し込み

  • 5月上旬   税理士 申し込み

  • 6月中旬   簿記1級 受験

  • 8月上旬   簿記1級 合格発表 ⇨ 不合格

  • 8月中旬   税理士試験 簿記論 受験

  • 12月下旬 税理士試験 合格発表 ⇨ 簿記論 合格

大体、簿記3級から2ヶ月で簿記2級。そこから2ヶ月で簿記1級。さらに、そこから2ヶ月で簿記論、という2ヶ月ごとに分かれたスケジュールとなっています。
また、週あたり平均すると20時間は勉強していたかなと思います。

ちなみに、税理士試験の受験資格さえ持っていれば、簿記3級からいきなり8月の税理士試験に挑むことは可能です。しかし、税理士試験の勉強を進める過程では、簿記2級(と簿記1級)を受験することを強くオススメします。(簿記1級を強くお勧めしない理由は後述)

まず、税理士試験は年に1回にしかないため、勉強のモチベーションを維持するのが難しいです。しかし、簿記2級・簿記1級を短期的な目標として設定することで、1つ1つ階段を登るように勉強を進めることができ、モチベーションを維持することができます。
次に、税理士試験は一度落ちてしまうと、来年合格するまで勉強した結果は手元に資格として残りません。しかし、段階的に簿記2級・簿記1級を受けておけば、簿記の資格が手元に残るので、努力が無駄になりにくいです。

そのため、税理士試験を目指す際は、勉強の過程で簿記2級(と簿記1級)を受験することを強くオススメします。

申し込みと受験資格について

簿記2級はこちらのサイトから申し込んで、いつでもテストセンターで受験することができます。
一方で、簿記1級は年に2回、税理士試験は年に1回だけしか開催されず、数ヶ月前に申し込みが必要なので忘れないように注意です。

特に、税理士試験は受験資格を証明するための書類を用意したり、受験願書を取り寄せたりと、前持った準備が必要になります。4月上旬に国税庁のページで当年度の税理士試験の情報について開示があるので、それを見て準備を進めましょう。

また、税理士試験については、受験資格があるのか国税庁の受験資格のページを見て確認しておく必要があります。

税理士試験の主要な受験資格は以下の通りです。

  • 大学で法律学又は経済学を1科目以上履修

  • 簿記1級 合格者

  • 会計関連の業務経験2年以上

簿記2級 受験までの勉強法

まず、知識のインプットです。
私は、Udemyの簿記2級の商業簿記工業簿記の2講座を受講して、知識のインプットを行いました。隙間時間や寝る前にぼーっと見るだけで良いので、本で勉強するより非常に楽です。
ただ、動画の分量が多いために、動画を全て見終えてから演習を始めていると、すっかり最初の方を忘れているかと思います。そのため、動画を全て見終わる前に少しずつ問題演習を始めておくと、知識が定着するかなと思います。

一通り動画を見終えたら問題演習でアウトプットです。
試験の出題形式に沿っている問題集1冊だけを解けば良いと思います。合格点は70点なので、それを意識しながら解きましょう。
私は簿記2級の過去問題集(TAC)だけを一通り解いて、合格することができました。

勉強期間としては、上記は1ヶ月半から2ヶ月でこなせるくらいの分量かなと思います。

簿記1級 受験までの勉強法

簿記1級には、Udemyの動画教材はありません。また、簿記2級と比較して一気に試験範囲が広くなります。
そのため、私は簿記の教科書シリーズ(TAC)の商業簿記3冊・工業簿記計3冊を購入しました。
勉強の進め方としては、本を読んで知識のインプットを行いつつ、章末の演習問題を解いてアウトプットも同時に行って知識が定着するようにすると良いと思います。

TACの簿記1級の参考書にはスッキリわかるシリーズ簿記の教科書シリーズがありますが、自分は簿記の教科書シリーズの方が簡潔で読みやすいなと思ったので選びました。どちらの参考書でも良いと思うので、ちらっと中身を見てみて、自分の好きな方を選ぶと良いと思います。

一通りインプットを終えたら、本格的な問題演習に移れ...たらよかったのですが、自分は今回のスケジュール(簿記2級合格から2ヶ月)ではインプットにほとんどの時間を取られて、十分な問題演習を行う時間が取れませんでした。
時間がないなりに、網羅的には問題を解いておきたかったので、日商簿記1級 網羅型完全予想問題集 2021年度版を問題演習の教材として用いました(2022年度版は4月発売かと思われます)。

結果としては、平均点越えの点数を取ることができたものの、簿記1級は不合格となりました。

簿記1級を税理士試験の前に受験するべきか?

税理士試験の簿記論の試験範囲は、簿記1級の試験範囲とほとんどの部分で共通します。

しかし、簿記1級においては工業簿記や連結財務諸表をより深く理解する必要がありますが、簿記論ではあまり深くは問われない可能性が高いです。特に工業簿記は簿記1級と簿記論で明らかに出題範囲に差があります。
このように、簿記1級の勉強をすると、多少は無駄な寄り道をすることを覚悟しなければなりません。

そのため、今回の私のように半年という時間のない中で税理士簿記論の合格を目指すのであれば、簿記1級は受験せずに簿記論の勉強を進めても良いと思います。
もし時間に余裕があるのであれば、簿記1級の受験もして、勉強の努力を無駄にしてしまうリスクを減らすと良いと思います。

ただ、私は簿記2級に合格した4月の時点で、8月の税理士試験を受けるまで勉強のモチベーションを維持するのが難しいと思ったので、8月の税理士試験の前に6月の簿記1級を短期的な目標として設定しました。
そのおかげで、私はモチベーションをキープして勉強をし続けることができ、結果的に合格することができたと思っています。

そのため、努力し続ける自信がない人は、少し寄り道することにはなりますが、簿記1級を受けるのもオススメです。

税理士試験 受験までの勉強法

ここまでの簿記1級の勉強でインプットは済ませているので、6月からの2ヶ月はひたすら問題演習でアウトプットを繰り返しました。使った教材は以下の通り。

まず、税理士 1 簿記論 個別計算問題集(TAC)。この問題集を一番やり込みました。この問題集が一番大事だと思います。
税理士試験は、個別問題2×2=4問、総合問題1問という構成となっています。ただ、総合問題も個別問題の集合のようなものなので、主にこの問題集をひたすら解く様にして、わからなかった問題は時間を空けて3,4回解きました。

次に、税理士 3 簿記論 総合計算問題集 応用編(TAC)2の基礎編もありますが、2ヶ月だと解く時間もないし、1の個別問題集を解くだけで十分だなと思ったので、総合問題にしかない問題、本番に近い総合問題の練習をするために3の応用編だけを一通り解きました。

最後に、税理士 4 簿記論 過去問題集(TAC)。試験直前の時期に、時間を計りながら模試のような感覚で解きました。

問題演習を行う上でわからなかった点があれば、簿記1級の際に用いた簿記の教科書シリーズ(TAC)を改めて参照することで、解決していきました。簿記1級と簿記論はほとんど範囲は被っているので、新しく簿記論用の参考書を買う必要はありません。
加えて、問題演習でわからなかった点については、自分なりのまとめノートを作って、作ったまとめノートを暇なときに読むようにしていました。

まとめ

私は今回説明した流れで簿記3級から半年で簿記論に合格することができたので、ぜひ参考になればと思います。
個人的に特に強調しておきたいのは、簿記論の勉強で一番重要なのは、個別問題の問題集をどれだけ完璧に理解しきるかだと思うので、こちらの本だけでもしっかり勉強するのを心からオススメします。
最後に、皆さんの合格を心より祈念しています!


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