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#13 悲しみの果てに得るもの


#13からは毎週日曜日のジャパニーズセンチメンタルタイムに投稿しております。
引き続きMEGURUの航海日記をお楽しみください♪

※この日記を初めて読む方は、必ずこの記事に目を通してからお読み下さい。


2023.06.04

Dreamプロジェクトを知ったあの日から、私はあの書庫に入り浸っていた。

この書庫にはヒントになりそうな本がごろごろあった。
どの本から読んでいこうか迷うくらい。

私はもともと挿絵の無い本は苦手だった。でも最近やっと大人になったのか、本が好きになった。

本の情景を思い浮かべ
妄想するのが楽しい。

でも集中力は子供のまま成長していないようで、すぐ疲れてしまう。

最上階のデッキで気分転換に星でも見ようと階段を上がっていると月夜に照らされた、大きな影が私の影と重なった。

見上げると船の上で、大きな鳥が腰をまるめ休んでいた。
デッキの3分の1くらいの大きさで、見た目はハトでもツバメでも、カモでもない、大きなキジのようなシルエットだ。私なんか比べたら豆粒だった。

海を渡る途中の休憩なのか、誰かを攻撃するような様子は無く、少し元気が無いように見えた。

驚かさないように、見ないふりをして近くで様子を伺うことにした。

すると私のことは見えていないのか、
ぼそっと1鳥言※1 を話し始めた。

はぁ。
やりきれない。

なんで誰もオレの事わかってくれないんだ。

こんなにやってるのに。

誰も気づいてくれない。

誰も褒めてはくれない。

誰も感謝してくれない。

ただ認められたいだけなのに。

あまりにも悲しい言葉ばかりを吐き出していたので、つい、話しかけてしまった。

何か私に出来る事はありませんか?

鳥はびっくりして飛び立とうとしてしまった。

私は続けて言った。あなたの悩みや悔しさや惨めさから直接救う事はできないけれど、気持ちが晴れるように心をこめた絵をプレゼントして元気にする事はできるかもしれない。

私には、これくらいしかできないけれど、それで少しでも心が晴れるなら、と自分の得意な事を提案してみた。

すると最初は戸惑っていたけれど、鳥はだんだん自分の置かれた状況を私に話してくれるようになった。
自分には生まれた時から定められていた使命があり、その使命はやりがいもあるが、時折やるせなくなる時があると言う。
その使命とは、
人の願いは叶えられるが、自分の願いや夢は絶対に叶えられないという使命であった。
そんな残酷な使命、私なら耐えられないと思った。

人のために一生尽くし続けるなんて、私にはできない。

でも鳥はその使命を受け入れていた。
時折飛べなくなるくらいやるせない気持ちになり、たどり着いた島や街、船でしばらく休憩してからまた飛び立っていくと言う。

今はその休憩をさせてもいたいと言われたので私はもちろん了承した。

居たいだけいてね。

と私が言うと、鳥は私に絵を描いて欲しいと言ってくれた。

自分はいつも与える側だったけれど、何かをしてもらう事は少ないと喜んでくれた。
私は現実世界に戻り、液タブ※2 で鳥に贈る絵を書いてみた。

鳥が心身共に回復した時、私の描いた絵をプレセントした。

鳥は大事そうに私の描いた絵をもっている鞄に詰め、大きく羽ばたいて飛んでいった。

でもすぐUターンして、戻ってきた。

どうしたの?と私が聞くと

鳥は、ごめんね。オレの使命を忘れるところだった。
君には夢や叶えたい何かはあるかな。
と優しく聞いてくれた。

私はそんなつもりで助けたんじゃないと話すと、
鳥は自分の使命だから、喜んで願いを1つだけ叶えてあげると言ってくれた。

私は、人と人が繋がる仕組みのルナテック・コネクション※3 を手に入れたいと言ってみた。

鳥は深くゆっくりうなずき、涙を1雫だけ空き瓶に入れて蓋をしっかり閉めた。

この瓶を今日の夜9:00頃満月にかざしてみて。そして叶えたい事を頭の中で思い浮かべて。

そう言い残し、優雅にかっこよく飛んでいった。飛び立つ時翼の動きに合わせて大風が吹いて私は思わずよろめいた。

転んでいたら、瓶はきっと割れていた。
あっぶなかったぁ。

私はこれから何が起きるか想像出来ず、夜が来るのを心待ちにした。

そして9:00になって、雲間から大きなストロベリームーンが顔を覗かせた時、もらった瓶をかざしてみた。

何も起きなかった。。。ん?思っていた展開と違うな。

正直がっかりした。
なんだよぉーー
そうだよね。そうだよね。だってそんな上手い話しないよね。
自分に言い聞かせ、ショックを受けないようごまかした。

この瓶どうしよう。海にまた流してみようかな。
近くの浜まで移動し、瓶を流してみた。

さようなら・・・

その後、綺麗な満月の光を浴びながら月光浴をした。
これも私の毎月の日課だ。

さぁ。明日のために今日は帰ろうと退出ボタンに手をかけた時、波打ち際に光るものを見つけた。

今日は大潮で波の力が強く、さっきの流した瓶が帰ってきてしまったのだ。
近づいてみてびっくりした。

瓶の中に月が入っている。

???なに?

これは鳥が言っていた私の願いが叶ったということ?

瓶を急いで開けると、圧縮されていた月は勢いよく空に引き寄せられていった。

空というよりも、私の船だ!

船のそばにひっついた。

イメージを伝えるとするなら、船と一定の距離を保ちながら、満月が漂っている。

一言で言うと紐のついた風船のようだ。

これがルナテックコネクション??

出来たのか?完成したのか?

欲しいものを手に入れたが、説明書が無くて、
どう始めたらいいかわからないまま、立ちすくむしかなかった。

でも、夢に一歩近づけたのだ。そう強く感じる。

今夜、皆様の住む街の夜空には満月は見えますか?

月の光を浴びて下さい。
きっとあなたにも感じる事ができますよ。船との繋がりの力を。

天気の悪い空でも大丈夫。目を瞑り、創造してみてください。
この分厚い雲の奥に光輝く月を。。。

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   これで私のコミュニティーを作る
     スタートラインに立った。。。

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( 航海日記辞典 )

※1 1鳥言・・・人間界で言う独り言

※2 液タブ・・・デジタルでイラストを描くときに用いる道具

※3  "ルナテック・コネクション" (Lunatech Connection)
- 「ルナテック」は「月の技術」という意味で、月に関連する高度な技術を示しています。
- 「コネクション」は「つながり」という意味で、人々を結びつけるネットワークの性質を表現しています。



皆様とこの物語を繋ぐメタバース空間から動画をお伝えしまーす(^^)

先日、#12のお話に登場した、メタバースイベントMEGURUの学校の様子
を投稿しました。



7月頃第1回目の MEGURUの航海日記イベント
を開催予定です!
私の客船にみんな集まれー!!


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