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國學院大學博物館 絵詞に探るモンゴル襲来
昨年12月にエックスの投稿で「てつはう」の写真をみかけました。鎌倉時代の『蒙古襲来絵詞』に関する企画展。
國學院大學博物館の考古展示も興味あったので見学に行ってきました。入場料は無料です。
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企画展概要
この「絵詞に探るモンゴル襲来―『蒙古襲来絵詞』の世界―」は、2024年11月30日から2025年2月16日まで國學院大學博物館で行われます。鎌倉時代にモンゴル帝国が日本に侵攻した「文永の役」から750年を記念するものです。展示では『蒙古襲来絵詞』を中心に、当時の歴史的出来事や文化的背景を絵画や資料を通じて紹介しています。この機会に、歴史的な視点からモンゴル襲来を深く学ぶことができます。
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企画展・出土品
企画展は『蒙古襲来絵詞』の比較をメインに、いくつかの歴史資料が展示されていました。
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「てつはう」の出土品はいくつもあったようです。そのうちのひとつが展示されていました。陶製容器の中に火薬と陶器片が入っていたそうで、いまの手榴弾のようなものです。破裂したところは歴史教科書で元寇のシーンになっていましたね。
海中にあったためか、貝が付着していました。
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元軍の鉄兜。説明文では鉄はサビつき海底堆積物が溶着した状態(コンクリーションという)だそうです。
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海底に残された元軍船を調査して船が復元されていました。
たくさんのロープが使われていますが、舵の動きもロープで行っていたようです。この時代に舵輪はないのですが、どうやって舵を動かしていたのでしょう。もう少し舵の部分を見てくればよかった。
企画展・蒙古襲来絵詞
今回の展示会で初めて知ったのですが、「蒙古襲来絵詞」は約40も模写されたとのこと。
国宝になっている「蒙古襲来絵詞」原本は皇居三の丸尚蔵館にあります。
今回の展示では原本と「熊本県菊池神社」と「埼玉県根岸家」の比較がされています。
写真撮影ができなかったので、Wikipediaの「蒙古襲来絵詞」の画像から模写本の違いを見てみましょう。いずれもどの模写かは不明でした。
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上の(1)図は3つある画像のうち、武者(竹崎季長)の背後にある松の木が枝ばかりになっています。松葉の色が薄くなっているようですね。
中央の蒙古兵の線が左の逃げる蒙古兵よりも濃いので加筆されているかも?
そもそも兜の形も逃げる兵と違うような。
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(2)図はちょっと丁寧さがないような…
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(3)図は明らかに「てつはう」の破裂がほかと違います。
どこかで「てつはう」は撤退時に使うようなことを読んだ覚えがあります。
展示会の絵で覚えているのは、馬の出血がピューっと線で描かれている絵詞がありました。
今回、予習してからもう一度見学に行こうかな。
常設・考古展示室
続けて常設展見学。
考古、神道、校史の展示室があります。神道展示室は撮影禁止でした。
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「挙手人面土器」、挙手の部分は持ち手でしょうか。顔の脇にある出っ張りは耳に見えます。
個人的に人面土器は好きですよ。京都市考古資料館でみた人面土器(長岡京出土)は彫り物ではなく筆で描かれたものでした。
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北海道の石器は、黒曜石が多かった。今度ゆっくり見てみたい。
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縄文土器は、縄文早期から晩期まで時代ごとに展示されていました。
時代によって違いがわかりました。網目模様だけでなく全体の装飾の複雑化。そして壺だけでなく、皿や土瓶のような土器も増えていきます。
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弥生時代の埴輪はまとめて置いてありました。鹿や猪がかわいい。
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滑石で作られた石枕。これは古墳の被葬者の頭を支えるための枕だそうです。縁が階段状になっている石枕は茨城県南部と千葉県北部に多く出土するので「常総型」と説明にありました。
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説明がありませんでしたが、三角模様のある棺です。できた当時はカラフルだったことでしょう。棺として小さいので赤ちゃんが入っていたのだろうか。今度、調べてみます。
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きれいに並べられた世界の石器。
長いナイフはアメリカ先住民の黒曜石のナイフ(現代)。
メキシコ、中国、ナイジェリア、リビアなどいろんな時代の石器が並びます。
さいごに
以前から蒙古襲来について関心を持っていて、福岡・長崎の博物館など行きたいと思っていました。蒙古襲来の展示のある「松浦市立埋蔵文化財センター」は行きづらい場所にあるので「てつはう」など見ることができてうれしかったです。
考古展示も改めて見に行きたい。井之上古墳の陶棺についてはさらに知りたいところです。
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