覚書

終わりかもなぁって思ってるときにこそとんでもないご褒美が舞い込んできちゃうの、人生って感じ。
もう二人で会うことはないかもって思ったから、終わりなんだろうなって察したから、あなたの好きだったロングのエクステを外して、それでもとびきり可愛いあたしで会いに行ったのに。
髪切ってかっこよくなっちゃってさ。
いつも通り楽しく遊んじゃってさ。
やっぱり好きだなって思っちゃうじゃんか。
人前でべたべたすることなんて一度だってなかったのに、抱きついて手を繋いで笑いあって、キスできそうな距離で見つめ合って照れて顔そらしちゃったりなんかして。
手を繋いでコンビニ行くの夢だったんだよ。
タクシーであたしの膝に顔を押し付けて眠る横顔が愛おしかったんだよ。
帰ってわがまま放題されてもさ、大好きおやすみって初めて言ってくれただけで今までの全部許せちゃったのよ。
あたしがよかったんだ。あたしでよかったんだ。
あなたの隣にあたしがいてもいいんだ。
それがどうしようもなく嬉しくて、あなたの大好きにあたしも大好きって返せなかったの。
あの日の全部忘れたくないから、こんなとこにひっそり書いておくことくらい許してね。
それだけ。
嬉しかった。楽しかった。大好き。
ほんとに今はそれだけ。


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