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「既読スルーされているな」と感じる時間はどれくらい?~チャット返信を忘れている上司にうまく催促する方法 ~

目黒区 データ活用チームの武山です。

今回も、目黒区が職員に実施した、チャットに関する意識調査アンケートに関する記事です。

前回の記事はこちら

チャットに限らず、仕事においてはリマインドという作業が発生しますよね。でもリマインドってつまりは「あなた、まさかとは思いますが、締切も迫ってまいりましたこの件、おそらくお忘れでいらっしゃいますよね?」という名の催促なわけで、上司や先輩に行うにあたって気後れしてしまう若手職員も多いのではないでしょうか。

特に昨今のチャットツールでは、送ったメッセージに対し「既読」か「未読」かもわかりますので、相手の状況を想像し、より悩んでしまう人もいるかも知れません。

そのあたりの意識、職員のギャップはどうなっているのか?解消することで働き方がより良い方向へ向くのではないか?について考えてみました。

ちなみに集計は、BIツールである「Tableau」を活用しています。


1.アンケート結果分析

まず、そもそもリマインドに至るまでにどれくらい待っているのか、その傾向を見ていきましょう。

「自分が送ったメッセージに対し、”既読スルーされているのでは?”と感じるのは、既読になってからどれくらい経った時ですか?」について年代別の回答結果はこちら。

既読スルーに対する感覚(年代別)

34歳より下の世代では、「半日未満」が1割ちょっといるようです。「既読スルーと判断するの早くない?」と感じる一方で、仕事が詰まっていると、早めに返信がほしいという気持ちはわかりますね。

多くの回答が『半日~2日程度』に集中する一方で、40代、50代では「3日以上」が2割を超えています。それはちょっと待ち過ぎな感じがしますね。

一方で、「返信がないのでリマインドしたいが、”催促するのは失礼なのではないか”と悩むことがあるか?」についての年代別 回答結果は次のとおりです。

こちらは、「上司・先輩に対してはどうか?」、「同期・後輩に対してはどうか?」と、相手別にアンケート調査を行っています。

リマインド・催促を悩むことがあるかどうか(年代別)

特筆すべきは、「上司・先輩」と「同期・後輩」ともに、『やる』(「よくやる」+「ときどきやる」)と回答する方がどの年代も一定割合いることです。相手の立場に関係なく、「いま忙しいだろうな、連絡しても大丈夫かな」と思っている方がどの年代にも存在する、という結果がみてとれます。

2.AIに分析してもらおう

AIにもアンケート結果を分析してもらいました。

(わかりやすさ重視で、プロンプトにはクロス集計結果をベタ打ちしたデータを使っています。EXCELなどのファイルアップロードができる場合はその機能を使いましょう)

プロンプトはこちら。

次のデータは、職場で行ったアンケート調査「自分が送ったメッセージに対し、「既読スルーされているのでは?」と感じるのは、既読になってからどれくらい経った時ですか?」の年代別の結果です。

次のデータを分析してください。

3日以上 24歳以下 15.09%
3日以上 25~29歳 17.54%
3日以上 30歳~34歳 14.94%
~~(中略)~~
3時間未満 50代 2.38%
3時間未満 60代以上 4.46%

出力されたレポートはこのようになりました。

 データから見える傾向は以下の通りです:

1. 全年代を通じて、「既読スルーされている感」を感じ始めるのは1日以上~2日未満が最も多い。これは、メッセージの回答が遅延する場合、大部分の人々が1〜2日待つのが一般的であることを示しています。

2. また、「3日以上」待つことを「既読スルーされている感」につなげる人々の割合も比較的高い。このグループでは、40代と50代が最も高い割合を示しており(それぞれ23.21%、25.71%)、若年層と60代以上よりも高い。

3. 年齢が上がるにつれて、一般的には「既読スルーされている感」を感じるまでの時間が長くなる傾向が見て取れます。たとえば、「半日以上~1日未満」まで待つことを「既読スルーされている感」と結び付ける24歳以下の割合は、28.30%で、60代以上では15.18%です。

4. しかし、「3日以上」待つことを「既読スルーされている感」につなげる60代以上の割合(17.86%)は、若年層(24歳以下の15.09%、25~29歳の17.54%、30~34歳の14.94%)と大差ありません。

5. 極端に早い時間で、「3時間~半日未満」「3時間未満」で既読スルー感を感じる人の割合は全年代で非常に低い。特に、「3時間未満」を既読スルーと感じる25~29歳は最も高くても2.63%です。

総じて、この調査は年代によって「既読スルーされている感」を感じるまでの時間に差があることを示しています。そして、一般的には高齢者の方がその時間が長くなる傾向にありますが、3日以上の「既読スルーされている感」は年代間で大きな違いは見られません。また、かなり短い時間で既読スルー感を感じる人々は全年代で少数派であることが分かります。

ChatGPT

「高齢者」という言い方はどうかと思いますが、年代による差は指摘してもらえました。

続いて、同様に「リマインドは失礼?」の集計についても分析してもらいます。

次のデータについても、同様に分析してください。

次のデータは、「返信がないのでリマインドしたいが、催促するのは失礼なのではないかと悩むことがある」の設問に対する、相手別、年代別回答です。

【先輩・上司に対して】
ほとんど悩まない 24歳以下 54.72%
ほとんど悩まない 25~29歳 49.12%
ほとんど悩まない 30歳~34歳 49.43%
~中略~
よく悩む
40代 12.50%
よく悩む 50代 10.48%
よく悩む 60代以上 9.82%

【同期・後輩に対して】
~中略~
よく悩む 35歳~39歳 3.70%
よく悩む 40代 4.46%
よく悩む 50代 7.14%
よく悩む 60代以上 6.25%

結果はこちら。

データからは以下のような傾向を読み取ることができます:

1. 先輩や上司にリマインドをしたいが「ほとんど悩まない」と答えた人が全年代で一番多い。特に40代と50代が最も高い割合(それぞれ57.14%、56.67%)を示しています。

2. 同期や後輩にリマインドをしたいが「ほとんど悩まない」と答えた人が一番多い。特に30~34歳が最も高い割合(68.97%)を示しています。

3. 先輩や上司に対して「ときどき悩む」人の割合は先輩や上司に対してよりも同期や後輩に対して少し低いが、大きな違いはありません。

4. 「よく悩む」と答えた人の割合は先輩・上司に対しても同期・後輩に対しても全年代で比較的低い。特に同期や後輩に対してリマインドをよく悩むと答えた人は全年代で10%以下です。

5. 「ときどき悩む」と答えた人の割合は、年齢が上がるにつれて僅かに上昇する傾向があります。特に60代以上は「ときどき悩む」人の割合が先輩・上司に対しても同期・後輩に対しても最も高いです。

6. しかし、「よく悩む」と答えた人の割合は年齢とともに低下する傾向があります。これは、社会的経験の蓄積やコミュニケーション能力の向上により、リマインドをすることについての悩みが減っている可能性があります。

これらの結果から、人々は上司や先輩、同期や後輩へのリマインドにかかる悩みをあまり持っていないことが窺えます。しかし、それでも「ときどき悩む」「よく悩む」と感じる人が一定数存在しており、リマインドをどの程度の頻度やタイミングで行うべきかは、引き続き個々人の課題となるでしょう。

ChatGPT


3.AIにレポートを統合してもらおう

この2つの出力物を、合わせて1つのレポートにしましょう。

1つ前に出力した分析結果と、今回の結果を合わせて1つのレポートにして。

結果はこちら。

以上の結果と前のレポートを組み合わせると、以下のような結論が導かれます。

1. 「リマインドを要するシチュエーションに悩まない」人たちが一定割合存在していて、それはおそらく自分なりのルールやノウハウにより、リマインドに悩むことを避けていると思われます。

2. だが、一方で「既読スルーされている感」を感じるまでの時間が1日以上となると、人々の間でその感覚が強まることも明らかとなった。この傾向は全年代に見られ、特に40代と50代で顕著となります。

3. 年齢が上がるにつれて「既読スルーされている感」を感じるまでの時間が長くなる傾向があります。これは、高齢者の方が対人のコミュニケーションに対してより余裕や耐容性を持っている可能性を示します。

4. しかし、「3日以上」待つことを「既読スルーされている感」にする60代以上の比率は、若年層とあまり変わらない。これは、無視される感覚がある一定の時間以上になると、年齢に関わらず同じような感覚を持つことを示しています。

5. 短期間(「3時間~半日未満」「3時間未満」)で既読スルー感を感じる人は全年代で少ない。これは、一定の時間以上は待つことが一般的である証拠でしょう。

これらのデータから、リマインドをする際の適切なタイミングや頻度については、一部の法則は存在するようですが、それでも人により感じ方には幅があります。したがって、相手の性格や社会的状況を理解し、それに応じてコミュニケーションをとることが望ましいと考えられます。

ChatGPT

なお、最後にある「一部の法則」について、それに基づくより具体的な方策をAIに求めたところ、「チャットは受信後1時間以内に返答を、といった具体的なルールの提示」「急ぎの連絡は電話やチャット、リアルタイムの返答が不要な場合はメールなどを用いるといった、ツールごとの使用目的を明確に定める」といった、思わずうーんと声が出てしまうような、「ルールを定めると窮屈かつ形骸化してしまう」アイデアが複数出てきました。こういった案はさらなるブラッシュアップが必要ですね。

4.うまく催促する方法を考える

アンケート結果から職員の傾向は見えてきましたが、「ではどのように催促すれば相手に失礼ではないのか」知りたいですよね。

AIに聞いてみましょう。

チャット返信を忘れている上司にうまく催促する方法を教えて

チャット返信をうまく催促する方法は次のとおりです。

1. 丁寧さ:催促することは重要ですが、いつでも尊重と丁寧さを忘れてはいけません。
例:「すみません、私が送った前回のメッセージを読んでいただけましたか?手が空いたらご回答いただけるとありがたいです。」


2. 再送:何も言わずにメッセージを再送することで、上司の視野に入れることができます。
例:「再送: [元のメッセージ]」

3. タスクの緊急性に触れる:上司が何に優先権を置くべきかを理解していることを示すと、自分のメッセージへの返答を求める動機付けになる。
例:「明日の会議に向けて、この問題について課長の意見をうかがっておきたいのですが。」


4. メッセージの内容を明確にする:メッセージを再度送る場合、内容を少し詳しく説明し、必要な応答を明確にしてみてください。
例:「○○についての先程の質問ですが、特に〜に関する意見をお聞きしたいです。よろしければご確認いただけますでしょうか。」


ただし、上記の方法は一般的なものであり、従うべきは上司や組織の独自のコミュニケーションスタイルです。特定の状況と関係性、上司の性格とタイムマネジメントの習慣を考慮に入れて行動してください。

ChatGPT

2. 再送」は大変効率的ではありますが、相手との関係性によってはだいぶ冷たい印象を受けますので、注意が必要です。

4. メッセージの内容を明確にする」は、個人的な経験からも有効だと感じます。こちらから送っているメッセージに内容を詰め込み過ぎている場合、上司はすべてに丁寧に回答しようとするあまり、返信に時間ががかかっていることがあります。整理することは有効だと考えられますね。

それではみなさん、よいコミュニケーションを!

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