AIと一緒に作る!自分だけの地域地図データの作り方
目黒区企画経営課 地図大好き 森川です。
自治体でのお仕事をしているうえで、町丁目や都市計画区域などとは別に「独自の地域」を定義している自治体も多いと思います。そういった独自地域はデータ分析をしようとしたときに、地図データがないのでマップ表示ができないといった悩みがついてきます。
目黒区では「住区」という地域単位で小学校だったり、福祉関連の施策が展開されています。なので、その単位で人口を見たりということは非常に重要になります。
ただ、現状「住区」単位では地図データがありません。パンがないならケーキを食べればいいじゃないという名言もありますが、地図情報がないなら作ればいいじゃないということで、実際に作ってみました。
生成AIに聞いてみた
とりあえずわからないことは1回AIに聞いてみましょう。
今回はAIが答えてくれた「QGIS」を使って作ってみようと思います。
実際に作ってみた
1.必要なデータをダウンロードする
まずは国勢調査の基本単位区のデータをダウンロードしてきます。
統計地理情報システムデータダウンロード | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)
使用したのは令和2年調査の基本単位区です。
※補足ですが、今回は世界測地系緯度経度のデータを使用しています。
2.ダウンロードしたデータをQGISで読み込む
ダウンロードしたデータをまずはレイヤに追加し、表示をするとこんな感じ。
目黒区は基本単位区が番地毎にある程度分けられているため、番地毎の地域データであれば白地図作れるようになっています。
3.くっつける(ディゾルブする)前にひと手間加える
そこで、これを目黒区の独自地域である「住区」毎にくっつけていくことになるんですが、注意点があります。
単純にこれを住区データくっつけて、地域をくっつけると謎の凸凹や線が出てきてきれいにくっつかないんです。
謎の線がいっぱいあって、きれいに結合されません。これがあるときれいなマップが描画されないので、以下のひと手間を加えてください。
まず、↑のようにいったん読み込んできた基本単位区のレイヤを名前を付けて保存します。
保存画面になると形式がESRI ShapeFileになっています。
保存形式をGeoJSONに変更します。
さらに、レイヤオプションのCOORDINATE_PRECISIONというところを15から5くらいに落としてください。
私もググって調べたらこんな方法があるということで今回参考にさせてもらいました。ようするに、このCOORDINATE_PRECISIONというのが粒感(ざっくりいうとですが)で、細かすぎるものを結合すると、重なり合った部分や微妙に重なっていない部分がゴミのように線になってしまうらしいです。
4.住区と番地を紐づけるデータを作ってくっつける
さぁ、これでくっつけられるぞ!と思いきや、まだもうひと手間必要です。「駒場4丁目1番は”駒場住区”だよ」、という、「住所」と「住区」を紐づけるデータを作る必要があります。
まず国勢調査のシェープファイルのデータのこの列、これが基本単位区のコードになるのですが、ここの末尾X桁が実は番地になっています。なので、ここに列を追加するorCSVデータ等を別で作ってくっつけて住区を追加してあげます。
今回は、CSVデータを別で作成したのでそれをくっつけます。
記事にしては長いですね。ここまで読んでくれた方ありがとうございます。くっつけたデータをもとに住区ごとにデータを結合(ディゾルブ)します。
ようやくこれでシェープファイルが完成。住区シェープファイルができました!これをもとにTableauなどに取り込んで人口データなどと組み合わせて見える化することができます。みなさんの自治体でもこんな白地図ほしいな…と思ったら作ってみてください。
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